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#イギリス映画

「マイネーム・イズ・ジョー」/ケン・ローチ(1998)

「マイネーム・イズ・ジョー」/ケン・ローチ(1998)

アルコール依存症だった男が断酒会で自分の体験を話すシーンから始まる映画。
主人公は37歳で失業中。回復して今は飲酒していないといえども、若くして無職であることの恥辱や不安、まだ完治していないのではないかと思われる落ち着きのなさ、そしてそもそもの気質としての直情性、世間知らず、過剰なまでの面倒見の良さというローワークラス的なキャラクターを主演のピーター・ミュランが演じます。
音楽の扱いもポイン

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「やさしくキスをして Ae Fond Kiss」 / ケン・ローチ Ken Loach(2004)

「やさしくキスをして Ae Fond Kiss」 / ケン・ローチ Ken Loach(2004)

主人公の男性であるパキスタンからの移民2世がDJとしてクラブでバングラビート(パキスタンの民族音楽”バングラ(パーティ音楽)“からとられた)をかけるシーンに続き、その妹が学校で同級生たちを前にして、話すシーンから始まります。
「私がブッシュ大統領も法王も道路掃除人も一緒くたにしたら笑われるでしょう。 ありえませんから。
でも西欧は同じ事をしています。50ヵ国10億人のイスラム教徒を一緒くたに

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「My Generation マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」

「My Generation マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」

Swinging London といわれ 世界の席巻した60s ロンドンの音楽・ファション・アートをその時代から活躍するベリー・ブリティッシュな俳優マイケル・ケイン(Get Carter、Alfie)のナビゲーションにより、1.Something In The Air 2.I Feel Fine 3. All was not as it seemed という流れで、ビビットに描かれた映画。”ローカ

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「Yesterday」Directed By Danny Boyle

「Yesterday」Directed By Danny Boyle

全く売れないインド系イギリス人のSSWが、世界的な停電中に起きた交通事故に遭い、目覚めた世界は 誰もビートルズを知らない世界だった。というアイデア倒れになりそうなストーリ―でしたが、さすが「トレインスポッティンティング」や「スラムドッグミリオネア」の監督であり、ロンドンオリンピックの開会式の芸術監督を務めたダニー・ボイル。リチャード・カーティス(「ノッテイング・ヒルの恋人」「ブリジット・ジョーンズ

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This Is England

This Is England



フォークランド紛争が勃発し、階級の分断と移民増加による人種問題が発生していたサッチャー政権下、1983年のイギリス。労働者階級(ワーキングクラス)が貧民層(アンダークラス)と呼ばれはじめた時代、極右政党ナショナルフロント(イギリス国民戦線)の実行部隊に取り込まれていくスキンヘッズ。
日本ではUKファッションとしてもてはやされたフレッド・ペリーもベン・シャーマンもそしてドクター・マーチンも彼らの

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