見出し画像

全然、日本で公開されないので、イギリスから取り寄せてケン・ローチの「The Old Oak」を観た。

2023年のカンヌ・フィルム・フェスティバルがワールド・プレミアとなった当時87歳のケン・ローチの最終作となるである最新作「The Old Oak」。
昨年、秋には世界的に公開されましたが、日本では 未だにいつ公開されるかわからないので、イギリスからブルーレイを取り寄せました。
BBCでのディレクターとして、社会主義的な視点で、イギリスの下層階級をリアルに描いてきたケン・ローチ。1990年代に入るとヨーロッパに多く入ってきた移民が、イギリスの下層階級の中に交わるようなストーリーが増えてきましたが、近年の「わたしは、ダニエル・ブレーク」や「家族を想うとき」では、また、多くは産業革命でスコットランドやアイルランドから流れてきたイギリスの下層階級に焦点が当てられ、テクノロジーの発達が便利さ共に、人間的家族的生活を阻害していく様が絶望的に、リアルに描かれました。
そして、今作「The Old Oak」では、人口の10分の6にあたる22百万人が国を追われたというシリアの難民が、北イングランドの寂れた元炭鉱町にやってくるところから始まります。そして舞台は、唯一のパブリック・スペースである壁の店のロゴも外れそうなパブ「The Old Oak」でこのパブを運営する父は事故死、妻に逃げられ、子犬が唯一の心の支えという中年男を軸に話が展開します。近作での絶望感で終わるのではなく、お互いへの思いやりと連帯を昔労働者が連帯していた時代をモチーフに描かれて行きます。彼の映画としては長めの113分。”When you eat together,you stick together“最後に彼が残したかったメッセージなんだろうと思います。シンプルな話なので、ストーリーの大枠はわかりましたが、英語の字幕を付けないと訛りが気付く何言っているかわからないし、字幕を読んでもスラングの連発でよくわからないという如何にもケン・ローチな作品なので、早く日本でも公開してほしい。

今年は僕のイギリス好きと時代もあいまって、ケン・ローチにハマりまくりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?