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#ミュージシャン

LONDON YMO~Yellow Magic Orchestra LIVE in London

Dave GilmourがThe Voice and Guitar of Pink Floydと呼ばれるなら、ユキヒロさんは、The Voice and Drum of Yellow Magic Orchestraとなりますね。やはり彼の歌が入って初めてYMOのイメージになります。僕がそれを感じたのは、この時のライブ。2008年のMassive Attackがキュレーターを務めるイベント「Meltdown Festival」に招かれてのロイヤル・フエステイバル・ホールでのライ

Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022

“これが最後かもしれない”という本人のコメントと共に、先日 全世界に配信された2年ぶりのソロピアノでの演奏。1時間を超えるライブは体力的に難しいということで、日を変えて収録された映像。全世界向けの配信のためか、時間を分けて4回配信されたわけですが、その胸に迫る演奏と素晴らしい映像で3回観てしまいました。 彼のことをはじめて知ったの当時一世を風靡した“フュージョン”の新進気鋭ギタリスト渡辺香津美の1979年に出たアルバム「Kilin」のプロデュ―ス。その後、YMOの一員としてデ

Beauty /Ryuichi Sakamoto(1989)

Beauty /Ryuichi Sakamoto(1989) So /Peter Gabriel (1986) Estrangeiro/Caetano Veloso (1989) リマスターされた坂本龍一「Beauty」の初アナログ化2枚組は素晴らしい音質。 彼がヴァージン・アメリカと契約して、満を持して発売したアメリカ録音。 そこで大きくフィーチャーされる「グリオ」(語り部)の家系に生まれたというセネガルのYoussou N'Dourの伸びやか歌声を聴いて思い出したのは、同

奈良のスピーカー工房Listude

昨年末、連れて行ってもらった奈良のスピーカー工房Listude。 Listening【聴く】とAttitude 【態度、姿勢】の造語だそうで、昨今のだらだら流しながら、聞くのとは 一線を画す能動的に音に集中して【聴く】、そして目の前にある対象はもちろん、その奥に広がる世界そのものへと意識を向ける【態度、姿勢】。 実際に工房で聴かせていただいた【音の佇まい】とコンセプトに魅せられて、購入することに。完全受注生産なので、かなり待つことを覚悟していましたが、色々調整頂いたのか、予

デビット・ボウイの人生を変えた100冊

彼が重度のコカイン中毒に陥っていた頃、撮影された映画「地球に落ちてきた男」の撮影のため、(「Station To Station」の頃ですね)むかったロケ地ニューメキシコに来た彼は、特別なトランクに詰めた400冊(一説には1500冊)の本(当時の彼の関心事のオカルト中心だった)を持ち込んだそうで、彼の作品の多くは、文学、絵画、彫刻、映画などに影響を受けたり、インスピレーションを得ていたことは、よく知られていますが、この本は、日本でも開催された彼の回顧展「David Bowie

Performance 2022 /山下達郎 at NHK Hall

誰でも知っており、いつでも手に入るからとずっと敬遠してきた達郎さんに目覚めたのはつい最近。ポップス、ロック、ソウルと僕が今まで聴いてきた音楽の素晴らしいところが彼の音楽に埋め込まれており、それが山下達郎の音楽として、完成されていることに気付いたときの感動を今も思い出します。 そしてぜひとも観てみたいと思っていたライブに行ってきました。 彼の音楽の中心にあるのは、Curtis Mayfield張りのリズムギターのカッティングと思う僕にとっては、ニヤッとしてしまう「Spark

【聴かずに死ねるか】座談会 パンク・ニューウエーブ編

大手プロモーターが手を付けていなかったSSW、ブルーグラス、ジャグバンドなどの多くのミュージシャンを日本に招聘されてきたトムズ・キャビンの麻田浩さん。 79年ころから、アメリカやイギリスから聞こえてきた新しいムーブメントであるパンク・ニューウエーブのアーティストの来日に絞って、麻田浩さんを中心に、当時、関西で、ライブの運営にも関わられたスマッシュ・ウエストの南部裕一さん、そして観客としてライブを観ており、現在は、ロック・マガジンの阿木譲さんの遺品の整理をされており、当時の貴重

The Sparks Brother ~A Film By Edgar Wright

愛しのスパークスのドキュメンタリー。 UCLA出身ながら、あまりにもヨーロッパ的でUSで売れず、イギリスにわたり大成功した彼ら。ジョルジョ・モルダーとの先進的なサウンドなど素晴らしい業績はあるものの色物的扱いであまり評価されていなかった彼ら。全キャリアをレトロスぺクティブに描くこの映画で彼らのことが多くの人に知られるのが大変うれしい。彼の作品を下敷きにしたレオス・カラックス監督の”Dark Fantasy Rock Opera”「アネット」とともにぜひ。 ・「テレビに出ていた

石橋 英子at Blue NoteMotion Picture “Drive My Car " Original Soundtrack

今日は 各国の映画賞で多くの賞を獲得した映画の“ドライブ・マイ・カー” の音楽を担当した石橋 英子の“凱旋”ライブ。 この映画を観ていた時、インプロビゼーションからアーバン・ポップまで、様々なジャンルで注目のアーティストと共演し、海外の方が知られている彼女の名前を見つけ、そして映画のムードや出演者の心象風景を描く事に貢献した素晴らしい音楽に興奮したものです。 今日は彼女が様々なジャンルで共演する長年のコラボレーター ジム・オルークの参加し、ジャズのバックグランドのあるミュ

The Rebirth of Cool One~Seven

時代が90年代に入り、70年代後半のPunk/New waveから始まったMusical Explosionは Hip hopアーティストによるJazzやその他“Rare Groove ”のサンプリングを契機としてJazzの逆襲が始まった訳ですが、こちらは7集まで続いたそのムーブメントの記録。 The nineties will be a decade of jazz thing .Welcome to the story so far という確信に満ちた宣言から始まるライナ

ダブリン紀行

ちょうど6年前、初めてアイルランドはダブリンを訪れたときの投稿が出てきました。こちらは、現地に行く前に”予習”した本と音楽の数々。現地でのエピソードをいくつか。 ①.パスポート・コントロールで”何しにダブリンに来たのか?”と聞かれ、いつものように”観光”と答えると、”で何するの?”と聞いてくるので、”ライブ観たりとか”と返事すると、すかさず”誰のライブ?”と言うで”Moving Hearts ”と答えると”それってChristy Mooreがいたバンドだよね。へーライブやるん

映画「ノーザン・ソウル」

Amazon Primeの配信で見つけて これで観るのは3回目になります。ノーザン・ソウルと言えば、もちろんアメリカ北部で生まれたソウルミュージックのことで、シカゴやデトロイト(もちろんモータウン)などのソウルをメンフィスなどのサザン・ソウルと対比して指すこともありますが、イギリスでそしてこの映画でいうノーザン・ソウルは、イギリスの北部に住む若者が、昼間の工場勤務の後に、クラブに集まり踊りあかすときにかかるアメリカのソウル・ミュージックという意味合いもあります。 1974年北

Band On the Run/ Paul McCartney and Wings

Disney+で配信が始まった「マッカートニー 3,2,1」こちらもトータル6時間の長尺ですが、30分ごとに6話に分かれ、ハンブルク時代からソロ、そしてウイングスまでのエピソードまでが時系列ではなく、ランダムに話が展開し、かつホストのRick Rubinの“聞く力”もあり、テンポよく展開するので、あっと言う間に観てしまいました。  ミキサー卓を前に、“あのビートルズの作品”を他の音を消して、コーラスだけ またベースだけを聞かせたりと本人がいないとできない試みで、他の音楽からの

映画「ショップリフターズ オブ ザ ワールド 」~スミスファンのラジオ局ジャック事件

1987年アメリカのコロラド州デンバー。当時、現代最高といわれたイギリスのグループThe Smiths 解散のニュースが、飛び込んでくる。The SmithsのサウンドそしてMorrisseyの歌詞を自身の境遇と重ね合わせ共感をしていた何人かの若者は悲嘆にくれる。その中でも、レコードショップの店員ディーンに「この町の連中に一大事だと分からせたい」と地元のへビーメタル専門のラジオ局に行ってザ・スミスの曲をかけろとDJに銃を突けるという話。 実際に起こった出来事らしくその時は未遂