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映画「ノーザン・ソウル」

Amazon Primeの配信で見つけて これで観るのは3回目になります。ノーザン・ソウルと言えば、もちろんアメリカ北部で生まれたソウルミュージックのことで、シカゴやデトロイト(もちろんモータウン)などのソウルをメンフィスなどのサザン・ソウルと対比して指すこともありますが、イギリスでそしてこの映画でいうノーザン・ソウルは、イギリスの北部に住む若者が、昼間の工場勤務の後に、クラブに集まり踊りあかすときにかかるアメリカのソウル・ミュージックという意味合いもあります。
1974年北部の大都市マンチャスター近くの田舎町を舞台で描かれる退屈で高圧的な教師(「24アワー・パーティ・ピープル」でFactory レーベルの創始者Tony Wilson を演じたSteve Cooganがはまっています)がいるまさにMorrissey が描くような学校生活からドロップアウトをする若者が、自らソウルで踊るクラブを主宰するという青春映画。
産業革命⇒イギリス北部で工場が多くでき経済が発展⇒お金は稼げるが昼間の退屈な労働のうっ憤を晴らすためクラブに集まる(ドラックや高価なレコードを買う余裕がある)⇒スピーディかつエモーショナルなアメリカ北部の街(デトロイトやシカゴ)のサウンドが踊りやすい(まったりとしたJames Carr とかサザン・ソウルでは踊れませんよね) みたいな構図で、イギリス北部の若者カルチャーとアメリカ北部の音楽スタイルのダブルミーニングじゃないかなあと想像しています
 ファッション・フォトグラファーElaine Constantineの初監督作品でもあり、ガーリーな写真で知られる彼女だけあって、”若さ“の切り取り方も素晴らしい。
 若者は、ブルース・リーの物まねと人気DJが“カバー・アップ”という誰の曲かわからないようにレーベルのところを隠し、プレイするキラー・チューンのシングル盤探しに興じ、夢はシカゴやデトロイトへ行って誰も持ってないレコードを買ってくること。
重要な場面で2度かかる、Frankie Valli&The Four SeasonsがMotown傘下のMowest から出した「The Night」のスピード感。
DJブースに群がり、DJが持ち込んだレコードをチェックする客。
ワッペンがいっぱい張ったボストンバック。
全く子供に理解を示さない親。
音楽やイギリスのカルチャーが好きなら、描かれるディティールに二ヤッとしてしまうこと必至の映画。今回は、ウチの奥さんに
そんなディティールを解説しながら、観たので、より良い気分になりました。


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