見出し画像

とんっと踏み出すその一歩。

願い、を伝えてはいけない、と。
叶わなかったときにぐっと声を押し殺して泣くのが一番痛い、と。
どうせ消えてしまうと思っていた。
叶わないなら、願わない方がいい、と思っていた。

小さい頃の自分との、小さな小さな約束。
でもそれはきっと、お空に返して大丈夫。

だってね、
こんなにもあたたかく柔らかな涙を流しながら、
一緒に手を握り合える人がいるんだもの。

ゆっくり丁寧に聴き合えば大丈夫、と
たっぷり余白を残したお手紙をくれる人がいるんだもの。

相棒の、なっちゃん。
世界でこんなにも丸みを帯びた「さんかく」はないかと思えるほど愛おしい三角形を結んでくれた、あかりん。

そして、小さな小さな願いが
土に還り、風に乗り、水と遊び、雲のようにたなびき、木漏れ日のように溢れ、夜空に溶けていく、
そんな景色を一緒に耕してくださった皆さん。

本当に、ありがとうございました。
アカリノタネ九州ツアー(宮崎、鹿児島、高千穂、熊本、福岡、北九州、長崎)、無事終了しました。

————————————

1年と少し前に生まれた、アカリノタネ

「かぞくって、なんだろう?」
「ひとりでいたいような、いたくないような」
「生きていると、いろんなことがある」

いろんな言葉に乗せながら、
雲の輪郭をたどるように、
花の香りを愛でるように遊びながら、生きてきました。


奇跡に奇跡が重なり、
九州に「ただいま」をさせていただいたこの一週間。

はじめましてなのにまるで昔から知っていたかのようなフレンドリーさと、
”フレンドリー”では到底表せないほどのぎゅっとあたたかく握ってくれる手と。

空に包まれているように、
海がそこにあるように、
あっけらかんと、なんでもないように、
愛でくしゃくしゃにしてくれる方々ばかりでした。
本当に、本当に、ありがとうございました。

ここからは少し(?)、わたしの”願い”が綴ってあります。
散文だけれど、受け取ってくれる方がもしいたら、嬉しいです。
ありがとうと、あいらぶゆーを込めて。

————————————

実は、最終日にむかうにつれて、
相棒のなっちゃんとの「互いの色」のようなものがはっきりと濃く大きくなっていくような感覚になりました。
それは、とても綺麗な色で、
でも、今まで「一緒」だと思っていた色が「違った」ということに、
びっくりして、怖くなってしまいました。

きっと、「一緒につくれなくなるかもしれない」という恐怖を感じたのだと思います。


最終日、アカリノタネが終わったあとになっちゃんと話しながら坂を下って、
でもその坂がどこまでも続いていくかのような、
何かが沈んでいってしまうような、
そんな風な恐怖を抱えていました。


お互い、なんだか消化不良で終わったその夜。
眠いとピクミンのようになってしまうあかりちゃんが、深夜3時過ぎまで一緒に起きていてくれました。


「たまちゃんは、深めたい人。なっちゃんは、拡げたい人。二人がいるから、アカリノタネが生まれた。大丈夫。二人の願いは、きっと繋がっているから」


そんな水晶の雫のようなあかりちゃんに支えられ、
リュックに詰まったたくさんの思い出をお守りに、
九州を出発した私たち。

飛行機の中でなっちゃんにお手紙を書こうとしたら、
どんどん溢れてメモのようになってしまって。
そのメモの中には、何度も「なっちゃんと、一緒につくりたい」と書いてありました。


理由づけが追いつかないほどサラサラと流れ出す涙と一緒に、神戸に到着。
安心したのかドッと疲れが溢れ出し、
あかりちゃんに負けないほどのピクミン顔になりながら、
なぜかなっちゃんとわたしは、自然とアカリノタネの話を始めていました。


「あのね、これからも一緒につくっていきたいと思っているの」


文字にしてみると、あまりにも小さな願いで、
でもそれでもその時のわたしは、
小さな小さな声を紡ぐのに精一杯で、
「あのね、」と口に出した瞬間、
どばぁぁぁと涙が溢れていました。


「ふふ、当たり前だよ〜〜」と微笑みながら、
「今抱えているもの、感じているものを、たまちゃんに伝えてみても大丈夫、って思っているの」と
なっちゃんも、なっちゃん自身の小さな声を、
まっすぐ目を見つめながら言葉にしてくれて。

気づけば三宮駅で号泣しながら手を繋ぎあっていたわたしたちを、
周りの人たちは不思議そうにしながら存在を許してくれているように感じました。


なっちゃんと、「この瞬間のために九州に行ってきたのかもしれないね」という話になるほど、
大きくて、ちっぽけで、大切な大切なお守りのような体験でした。


今やっと、アカリノタネの第二章が始まったような気がしています。
なっちゃんと、「アカリノタネが山のようなものだとしたら、もっとふもとの方まで見てみたいね」と話しています。


来年のわたしたちは、もっともっと暴れそうです。
デンマークと日本、という遠距離さえも味方につけながら、
アカリノタネという山を、耕していきます。



あのね、
もしよかったら、一緒に遊んでくれたら嬉しいです。
三角形が、四角形になり、五角形になり、
そうしていつか、「交響」のような景色が拡がるような。
そんな音楽を一緒に紡いでいけたら嬉しいです。



そんな、小さな小さな”願い”を、星にこっそり囁いて。

アカリノタネ九州ツアー、本当にありがとうございました。
そしてこれからも、よろしくお願いいたします。

アカリノタネ大家 笹木珠代


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?