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パワハラの本質

あの田原総一朗氏と対談の機会をいただいた。

テーマはなんとスポーツ安全。政治に関するイメージが強い田原氏だが、どんなジャンルにも興味をもち、ジャーナリストとして真摯に探求される姿勢には感服した。というか、あの田原さんがしっかりと下調べをして、真っ直ぐに質問を投げかけてくれる。まさか、そんな日がくるとは思ってもみなかったが。

これは文芸誌『潮』さんによる企画。中高の部活だけで年間35万件の事故が起きている日本。スポーツ安全は急務の課題であるはずだけど、「スポーツで子供たちが死ぬのはおかしい」との声はノイズにかき消されてしまうような状況である。それを打開できるかもしれないきっかけをいただき、本当に嬉しかった。そして何よりも、あの田原さんと出逢うことで、スポーツの問題が、もっと広く、社会の問題として認知される可能性がある。これはもう、スポーツ安全の夜明けと言ってもいいんじゃないか。

ごく一部だが、コンテンツを紹介したい。

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田原 安全重視といえば、炎天下の夏の甲子園に関する議論があります。部活動での体罰やパワハラも問題になっている。これらについて、どう考えればよいですか。

二重作 夏の甲子園の開催方法にはさまざまな議論があって、伝統と安全の両立が模索されています。ただこれは甲子園の本大会だけの問題ではなく、熱中症は各チームの普段の練習でも起きています。炎天下で練習するリスクをよく理解して、練習成果とのバランスをとっていくことは強豪校に限らず全国の指導者の必須事項とすべきでしょう。

 また、高校野球はマスメディアがエンタメや国民行事として作り上げてきた側面があって、その弊害が熱中症やパワハラといった問題として出てきているようにも思います。社会にはびこる体罰やパワハラの背景には日本の人口動態や社会構造があります。いわゆる〝スポ根〟が流行った時代は児童人口の増加とおおむね一致しています。『巨人の星』や『空手バカ一代』といった漫画が大流行し、子どもは運動部やクラブチーム、道場に殺到しました。

田原 メディアの影響で言えば、力道山の存在も大きいですね。みんな力道山が見たくてテレビが普及していった。

二重作 メディアが競技の宣伝となって子どもが数多く集まる。その裏で、しごき、今で言う体罰やパワハラも横行しました。なぜなら当時の練習の最適解は〝ふるい落とし〟だったからです。子どもを強くすることではなく、スポーツエリートを選別するわけですね。ハードな練習を課して、生き残った子供を試合に出せば、それは強いですよ。その方法で結果も出ましたから、自分たちの指導は正しい、戦績もいい、だから子供も集まる、という論理になってしまった。

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いかがだろうか?
非常に本質的で核心をついた田原氏の質問に、僕もいい意味での緊張感を味わいながら、対談は進んでいった。その時の模様は、『潮』5月号に掲載中なので、もしよかったらぜひご一読いただきたい。

これからますます問われてくるであろう、スポーツ現場の安全性。これからも有志と共に改善を試みていきたい。

田原総一朗氏との2時間に渡る対談、田原カフェ。


ずっとメディアで拝見してきた田原さんの長い歴史にほんの少しだけ参加させてもらえることが、何よりも嬉しく有難い。

PS 田原氏の可能性を拓く言葉についても述べさせていただいた、強さの磨き方。


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