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読書とは旅である。

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#読書感想文

アルド・ロッシ著『都市の建築』

アルド・ロッシ著『都市の建築』

最近、改めて建築の在り方について考えていて、思い至った一つの解答として<都市の建築>が適切なのではないかと考えた次第。
そこで同じワードを表題としてる40年ぐらい前の本、アルド・ロッシ著『都市の建築』を読んでみる。
※ちなみに、ここでいう<都市>とは国家―資本―都市という三権分立構造における都市であって、ものすごくざっくりいうと人間のための拠点です。

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『都市の建築』アルド・

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國分功一郎著『中動態の世界』

國分功一郎著『中動態の世界』

議論を明確にするために何ごとも二項対立関係に還元しがちな世の中ですが、その只中において中動態の存在を詳らかにする名著です。生きるのが大変だと思う人には一種のカウンセリングみたいになるかもしれません(出版も医学書院です)。

『中動態の世界 意志と責任の考古学』國分功一郎著

ふだん当たり前のように認識している能動―受動という関係性だが(特に英語を学習するときはこれがベースになるといっても過言ではな

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マウリツィオ・ラッツァラート著『記号と機械』

マウリツィオ・ラッツァラート著『記号と機械』

現代社会を考えるうえで重要な概念に溢れた著書なのでご紹介。
『記号と機械 反資本主義新論』マウリツィオ・ラッツァラート著、杉村昌昭+松田正貴訳

その重要な概念とは「社会的服従」と「機械状隷属」の二つ。
「社会的服従」とは、社会・経済を動かすうえで周到に役割分担された個人と彼らに突きつけられる自己責任という名の断頭台である。
「機械状隷属」とは、ある組織やシステムを回す歯車として、個人がもはや機械

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エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ著『食人の形而上学』

エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ著『食人の形而上学』

エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ著
『食人の形而上学 ポスト構造主義的人類学への道』

現代において重要な考え方が提示されてると思ったのでご紹介。
文化人類学にドゥルーズ+ガタリの「多様体」や「リゾーム」といった概念を持ち込んで哲学と架橋した面白い著書。
余談ですが、下敷きとしてもちろんレヴィ=ストロースがいるわけですが、妙に読み進めるのがしんどかった。文化人類学にまだまだ慣れてない証拠

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