答えてくれないアンケート
アイデアを確認する際に必ずと言っていいほど登場するアンケート。その設問設計は極めて重要だけれども、そもそもアンケートに適さない問いというものが存在するので、今回はそれを共有していこうと思う。
秘密開示系
一つ目の適さない質問は秘密開示系だ。普段、誰かに喋ったり公開していないものは匿名のアンケートでも共有されないことが一般的だ。分かり易くラーメンで例えてみよう。
いったいどこのラーメン屋の店主が試作研究を積み重ねた隠し味を公開してくれるのだろうか。それを誰かに話すことでポジティブにならないものは、例え匿名であったとしても答えてはくれないものだ。
自己否定系
二つ目の適さない質問は社会通念上ネガティブな行動を明らかにするものだ。それがバレてしまうとバツが悪い。自分はなんだか悪者になってしまいそう、という感想を抱くタイプ。例えばこんな感じだ。
これは何故に回答が集まらないかというと、大きく分けて二つの可能性がある。一つ目は「本当は物陰や草むらに投げ込んでいるけれども、匿名であったとしてもそんな悪いことをしている自分の姿を書き出したくない」という心理、もう一つは「滅多にしないけれども、時折きちんと対処していることを代表例として記載しよう。何故なら自分は悪者ではないから」という心理だ。
人は自分自身を正義と捉えたい存在だ。人は自分自身を隠したい存在だ。故にネガティブ関連情報をアンケートで投げ込むと、回答が集まらない&集まったとしても誰もネガティブなことをしていない、という謎結果に集約される。もちろん、これはインタビューでも同じにつき注意が必要な類と覚えておこう。
自由回答系
三つ目の適さない質問は無数の自由回答だ。人は出来る限り頭を使いたくない、出来る限り楽をしたい存在であるからこそ、自由回答は出来る限り減らすことが鉄則だ。
都度都度頭を使うので回答がどんどん億劫になっていく。インタビューと異なり直感で即時に応えるシンプルなもの、それがアンケート。故に頭をひたすらに使わせる自由回答を無数に設置するのは避けておこう。もしこんなにも聞きたいことがあるのであればインタビューへGOだ。だからこそ、自由記述は「ここぞ!」という時にだけに控えておくことをお忘れなく。
答えてくれるものを
物事には相性が存在する。もちろんアンケートにも相性が存在する。秘密を開示するような問いは匿名アンケートでも出て来ることはなく、自分にとってバツが悪いものは匿名アンケートでも出て来ることは中々になく、また思考を数多要求されるような問いはそもそも人から嫌われてしまう。
アンケート回答者はあなたの親しい友人ではなく、あなたと言葉を交わしたことのない一般人だ。アンケートに本気で真摯に向き合う必要性はどこにもない皆様だ。それを忘れず設問設計を進めていこう。
補足
他にもアンケートの注意点は細々とあるので、興味関心をお持ちの際は下記をご参考くださいませ。
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