時間浪費アンケート
ユーザーニーズに沿った製品やサービスを開発したいという気持ちは誰もが持つことだろう。それの実現に向けてアンケートを取ることも多々あるだろう。けれども、顧客の声を全く拾えず無駄打ちに終わってしまうことが多いのも事実。ということで、どんなアンケートが勿体ない末路を辿るのかサンプルを提示しつつ共有していこうと思う。
前提
もちろん、これから紹介するアンケートは本人が実施したものをそのまま提示するわけではない。恒例の如くラーメンに置き換えた上でお伝えしこうと思う。本人には個別メッセージでフィードバック済みだ。というわけで早速本題に入っていこう。
➀聞くことが意味がない
一番目の勿体ないアンケートのパターンは「聞くことに意味がない」というものだ。またお前は何を言ってるんだと思われる方も多いかと思うので、サンプルを引き合いに説明しいこうと思う。
お分かりいただけただろうか。この質問を聞いて返ってくる答えに何の意味もないのだ。もしあなたが新しいラーメンを開発しようとしているラーメン屋の店主だったとしよう。そして上記アンケート結果から、「ラーメンのスープにこだわっている人は、旨味を重要視している」という情報を手に入れられたとしよう。
しかしながら、それがいったい開発の何の役に立つだろうか?ググって出て来る情報と大差ないだろう。頭の中に思い描いているラーメンのイメージを打ち砕くものでもないだろう。何の役にも立つことはなく、再び頭を抱えて「お客様は本当は何を欲しているんだろうか…」と嘆いてしまうに違いない。
②聞いている内容が浅い
二番目の勿体ないアンケートのパターンは「聞いている内容が浅い」というものだ。サンプルを引き合いに解説を加えていこう。
お分かりいただけただろうか。もちろんこの回答によって、ラーメン屋として注力する部分がほんの僅かながら明らかになることだろう。けれども情報が浅過ぎるのだ。
例えば「口コミ」という回答がトップに躍り出たとしても、どんな口コミがあれば人が赴きたくなるかも分からない、また「店舗の雰囲気」という回答があったとしても、昭和を感じさせる風合いのある木材で彩ったノスタルジックな雰囲気が良いのか、それとも銀色を中心としたメタリックな空気感が良いのかは全く分からない。つまり、取得できる情報が浅過ぎて何の役にも立たないというオチになる。
③聞かれると発散する
三番目の勿体ないアンケートのパターンは「聞かれると発散する」というものだ。サンプルと共に解説していこう。
もしあなたがこの質問を貰ったらなんと答えるだろうか。ある人は「100円で大盛りが食べられるラーメン!」と回答する可能性もあるだろうし、ある人は「ダイエット中なので麺を抜いてチャーシューだけ!」と口にすることもあるだろう。またある人は「まだ日本で提供されていない世界の逸品!」なんて回答を残していくこともあるだろう。
何を伝えたいかというと、「こんな○○があったらいいな!」と聞くと回答が無限に発散してしまうのだ。だからこそ、この手の設問をする際は条件を絞らなくてはならない。例えばラーメンであれば、「トンコツラーメンのトッピングで、お金を払ってでも追加してみたいものを教えてください!今、お店に置かれていないものでも大丈夫です!」といった具合に。
浪費を避けるために
アンケートはコピペが出来る。URLを一つ取得するだけで無数の人に回答して貰うことが出来る。故にとても便利なツールだ。けれども設問設計を間違えれば、戻ってくる回答は全く約に立たないものたちばかりになる。
あなたが作ろうとしているアンケートは、そもそも回答が戻ってきたとしても意味があるものだろうか。もし仮に意味があったとしても、追加でヒアリングをかけなくては何も価値がないものではないだろうか。また斜め上の回答が飛んで来るような完全なるオープンクエスションになっていないだろうか。設問設計時の参考としていただければ幸いだ。
P.S.
他にもアンケートの注意点についてメモしたnoteをいくつか作っているので、気が向いた時にご参考くださいませ。どれもこれもラーメンネタなので深夜に閲覧すると飯テロとなる可能性があるのでご注意を。
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