顧客困惑アンケート
中本の手元には無数のアンケートが届く。Facebookを開くと毎日のようにGoogle Formを用いたアンケートが流れてくる。出来る限り(自分自身がペルソナに該当していれば)回答するようにしているのだけれども、その中でも「このアンケートはちょっと残念…聞き手が困惑するな…」と思うものがあったので、それを引き合いに改善案を届けてみたいと思う。
アンケート概要
アンケート詳細に触れると見事にどの事業のどのアイデアか特定が出来てしまうので、お決まりのラーメンに全てを(微修正加えつつ)置き換えていこう。こんなアンケートが手元に届いた。
これはいったいどういうことなんだろうと首を傾げてしまうことがいくつかあったので、今から順にツッコミを入れていこうと思う。
目的に沿おう
このアンケートを上から下まで眺めることで「おー、猪ラーメン作るのでアンケートを作ったのね!」ということは理解できるものの、よくよく考えてみると猪ラーメンに関係ない質問が入り込んでいるのだ。
「⑤理想のラーメン」は、もはや猪ラーメンとは何も関係ない。ラーメンに関する新規事業を作るヒントが見つからないかな?といったレベルで投げている設問だ。猪ラーメン作るんじゃなかったっけ…?というツッコミが湧き起こったのはいうまでもない。
前提を明確に
アンケートに目を通して感じられたかと思うものの、そもそもアンケートがジビエラーメンを理解している方が読むことを前提にしているのだ。「④ジビエラーメンへのこだわり」は、ジビエラーメンを普段から食べ慣れた方ではなくては中々に回答できない。
もし仮にこの猪ラーメンの提案が「既にジビエラーメンを食べ慣れている人」に対するものであれば、一番最初に聞くべきは「ジビエラーメンをこれまでに何度も食べたことがありますか?」YES / NO であるべきだろう。
相関を確かめよう
アンケートの最初の方で「②猪肉は好きですか?」という問いが投げられているけれども、そもそも猪ラーメンと関係がない。例えば刺身が嫌いでもお寿司な人は世の中には無数にいるのだ。
もし仮にこの設問が「②ジビエは好きですか?」という問いであったとしても同様だ。ジビエ料理も素材から調理方法まで幅広く、仮にジビエが大好きであったとしてもジビエラーメンが好きとは限らないのだ。相関関係が存在しないので、問うこと自体に意味がない。
NGワードを避けよう
アンケートで聞いてはいけない三大NGワードの一つが使われていたので、最後にこれもツッコミを入れておこう。「③猪ラーメン是非」の中で「猪ラーメン店があなたの街にあったら、足を運んでみたいと思いますか?」とい問いが投げ掛けられているけれども、設問に全くの意味がない。
「わー!猪ラーメン!食べたことないから行ってみよー!」「ジビエラーメンに挑戦してみたかったよね!」「新しいラーメンがあるなら食べに行こうかな~」といった風にして、ただの軽い興味でYESと答える人が無数に含まれてくるのだ。そこに切実なニーズはない。故に実際にオープンしても来ないことも多いだろうし、もし仮に来たとしてもに「え、匂いキツくない…」「ちょっと想像と違う…」となっては客足は遠のき即時に事業は立ち行かなくなる。「あったらいいな」は「なくてもいいな」というキーワードを心に刻んでおこう。
大切なアンケート設計
アンケート設計は重要だ。もし設計が誤っていると、手元に届いたアンケート結果から「よし!このアイデアならイケる!」と勘違いして時間やお金を投下し、結果として誰もお客様が喜ばない製品やサービスが出来上がることに繋がってしまうからだ。
だからこそ設問を作る際は目的に沿って問いを立てよう。誰に対してそもそも聞きたいのか前提を明確にしよう。相関しないことは聞かないでおこう。また「あったらいいなと思いませんか?」と聞くことは避けていこう。
もちろんこれ以外にもアンケートの立て方にはポイントが多々あるので、もし設計に興味関心をお持ちの方は下記noteもご参考くださいませ。皆様のアイデアがカタチになるよう、引き続きご支援させていただきます。
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