自分事の課題解決から高まるスタートアップの機運
挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は群馬県高崎市でものづくりを手掛ける山崎 将臣さん。スタートアップへの挑戦とコミュニティ作りへの想いについて伺いました。
── 山崎さんの現在の取り組みについてお聞かせください。
群馬県高崎市で祖父の代から続く精密板金工場で三代目を務めています。その他に、世界にあるものづくりのアイデアと高崎市内の製造業のリソースを掛け合わせネットワークを築くカロエといった仕掛けも手掛けています。
── 製造業ネットワーク構築はどんな想いで取り組んでいらっしゃいますか?
下請けの製造業をやってると、自分たちだけで完結するものがないんです。部品の中の部品を作ったりすることも往々にしてありますし、加えて自分たちが作ったものが人の目に見えるところまで持っていこうとすると、それこそ企画から販売までいろんな人の手助けがないと実現しない。
── 自社だけでは限界がある。
付加価値を加えるという観点もあります。いい技術だけを持っていても評価されない。より多くの人々と関わることで安全性の視点が手に入ったり、使い勝手の改善も成し遂げられるかもしれない。そんな風にして繋ぎ合わせを通じて町工場を製造業から製造加工サービス業に発展させられればと思うんです。
── そんな山崎さんはStartupWeekend(以下SW)参加を通じて新たに会社を興して出資も受けられていますが、そもそも何がきっかけだったのでしょうか?
Makuake代表からの案内でしたね(笑)2019年にMakuakeで受賞者向けのパーティがあって、そのノベルティを納めにいった際に伝えられたんですよ。ものづくりをテーマにしたイベントが来週あるんですよって。そこで「面白そうですね!」とお返事して行くことにしました(笑)
── 参加されてみて如何でしたか?
スタートアップを本質的に理解していなかったと気付けた週末でした。インプットではなくアウトプット重視で刺激的でありつつも、わけがわかんなかったですね(笑)そして同時に衝撃を受けました。明確に何かを作り上げたい人たちがこんなにも東京にはいるんだと。
── 出会いから衝撃。
出会おうと思っても出会えない、それこそ「こんな人、どこにいたんだ!」って言いたくなるぐらい優秀で面白い方々と一緒にチームが組めて、志を共にできる。めちゃくちゃ濃い関係を築ける。こんなサービス、世の中に他に全然ないんじゃないかと思わずにはいられなかったです。
── そんな衝撃の中、優勝を果たされた山崎さんが、翌年に伊豆高原でもSWに参加をされたのはどのような背景があったのでしょうか?
当時、インターンに来ていた学生たちに明確な差別化された経験を持ち帰ってもらいたいと思ってたんですね。そして彼らは起業にも興味があった。ということで連れていくことにしたんです(笑)
── そして引率の山崎さんが勝利して起業に至るという(笑)
もちろん、群馬から連れてくる車の中でピッチの作り方とか指導してましたよ(笑)ただ、流石に連れてきたからにはお手本を見せないといけないな、と思って即興でピッチをしたところ、あっという間に優秀な仲間が集まってしまって、もうやらないわけにはいかないなと(笑)
── そんな山崎さんが運営側に回ろうと思ったのはどういったきっかけでしょうか?
群馬の閉塞感を打破したいと思ったんです。みんな自分の価値を上げることは気に掛けず、誰と付き合うと得をするのか、相手はいったい何をしてくれるのか、といった貰うことが当たり前のマインドが染み付いている気がしたんです。
── 作るのではなく貰う空気感。
もちろん、作る空気を醸し出すための事業開発支援やスタートアップ支援はいくつかあるんです。けれども参加してみると既存事業の集客や売上にフォーカスしているものが多い。そこで思ったんです。地方にはスタートアップを本質的に理解している人がほとんどいなくて、文化が根付いていないんだと。そこで全世界で毎週のように開催されているSWを誘致しようと思ったんです。
── 県独自のものではなく世界標準を。
中の人だけで作り上げると内輪になって閉じてしまう。誰かの利益のためだけのコミュニティは残念ながら続かない。だからこそ外に開かれた、それこそ群馬以外の方々も積極的に関わってくれるSWが魅力的でした。
── 想いの共有、ありがとうございます。SW起点で起業された山崎さんが考えるアイデアをカタチにする際の大事なポイントとはなんでしょうか?
一つ目は誰が何に困っているか。そして二つ目は、それを解決する策を自分が届けられるか、だと考えています。そして三つ目があるとすれば、課題解決を自分事にできるか。
── 課題解決を自分事に。
物事をやらなくなる理由ってたくさんあると思うんです。だからこそ、誰かが困っていることを自分が代わりに助けてあげたくなるような、誰かの課題解決をすることが自分の価値に繋がるような、それこそ好きだからやるんだという想いを持つことで、よりポジティブなインパクトが生まれるのではないでしょうか。
── 好きだからやる、そんな挑戦者が集まるコミュニティは何を大切にすべきでしょうか?
続きは下記よりお読みください。
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