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いろんなことへの興味が絶えない人です。 身近な発見から調べたこと、ゲームの話や数学のお…

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いろんなことへの興味が絶えない人です。 身近な発見から調べたこと、ゲームの話や数学のおもしろ話まで、幅広く不定期に記事を書くつもりです。

最近の記事

ドレミファソラシに色がある

 小学校で配られるノート、国語は赤、数学は紫、理科は緑、社会は橙、英語は水色。こんなふうに、教科に色のイメージを持っている人は多いと思う。不思議と、半分ぐらいあなたの想像と同じ色だったりするかもしれない。  私の感覚では、ドレミファソラシドには固有の感覚、喩えるなら「色」がある。正確に言えば、各音に対するイメージがあり、そのイメージが連想される色がさらに対応する。 (ただ、これは調に対する相対音感的なもので、例えば「ハ長調におけるハ」と「ニ長調におけるニ」は同じ色をしている

    • 長持ちするペンライト(サイリウム)の色 〜LEDと明るさ知覚についてのお勉強〜

      結局どうなんだみたいな結論になったので、知識記事だと思ってお読みください。 (毎度のことながら、間違いや補足などあれば、ご指摘いただけるとありがたいです) ペンライトは青が長持ちするって本当ですか 結論として、市販品においてかなり微妙なライン(2024年現在)。先駆者の実験では、色が変えられるルミカ社製のペンライトにおいて、わずかに青の消費電力が小さい結果となっている。 始まりはいつも日常会話から 最近、友人2人との会話でペンライトの話になった。うち一人が、「ペンライトは

      • 裏切りの創作

         読み手の常識を裏切るというのは、創作にとって非常に重要な要素だと思う。文学、音楽、デザイン、あらゆる創作にそれは存在して、裏切りによって、読み手は「ああっ!そうきたか〜!!」と感心する。ただし、ここでの「裏切り」というのは、読み手の常識によって読み手の意識の外に追いやられた、自然な流れに対しての裏切りであり、ミスディレクションなどによって著者が意図的に予想を曲げさせる燻製ニシンとは明確に区別されるべき概念だ。そして当然、それは納得できるものでなくてはならない。でたらめな裏切

        • このプログラミング研修、何かがおかしい

           新人研修でプログラミングの研修が始まり1日目。HTML、CSS、JavaScriptをやると聞いていた。初日はHTMLでできることを一日かけて学ぶのかな〜と思っていたら、「HTMLはHyperText Markup Languageの略で、マークアップ言語だよ〜。タグで構造を記述するよ〜」みたいなスライドを2枚ぐらい見せられたあと、衝撃が訪れた。 ……は??  あの、新人5人いるんだけど、書く環境は統一しないの? どう書くのが正解か説明してないよね? 教科書は? 何も、

        ドレミファソラシに色がある

          図書館という存在が好きだ

           noteを開いたら「今日のあなたに」にこんな記事が出てきた。 そう、図書館ってとてもいいんだ。お金周りのいろいろを気にする必要がなければ私は司書を目指していたと思う。それぐらい図書館が好きだ。他の記事を書くのに疲れたから、休憩がてらこの記事を書くことにした。  あえて「図書館『という存在』が好きだ」というタイトルにしたのには理由がある。場所としての図書館だけでなく、象徴としての図書館も素晴らしいから、そこを強調したかったんだ。 象徴としての図書館  「図書館の自由に

          図書館という存在が好きだ

          大学受験から大学院修了までをとりとめもなく振り返る

           4月から就職だ。最後の一日は、せつない。親から緊張するかと聞かれたが、別に?と答えた。小学生に中学は想像できないし、中学生に高校は想像できない。それはいつだって変わらない。分からなすぎて不安も何もないんだ。  高専と大学の終わりはあっさりしていた。今生の別れみたいに大げさにやる小中学校が馬鹿馬鹿しく見えるほどに味気ない。大学に至っては卒業式すら出る義務がないほどだ。でもだからこそ、今度こそ終わってしまう学生生活の思い出を供養、というか、この数年間のすべてにちゃんと祝辞を贈ろ

          大学受験から大学院修了までをとりとめもなく振り返る

          ほうれん草・豆カレー;料理の記録

           近所のインドカレー屋(SPICE HOUSE)が本当に美味しい。たまに食べに行くし、店長さんとはすっかりお友達だ。最近その店でサーグ・ダールというほうれん草・豆カレーを食べたところ、これが非常に美味しかった。ここで、サーグは青菜を、ダールは挽き割った豆を表す(日本のインドカレー屋の文脈では、ほぼ間違いなくサーグはほうれん草で、割られていなくても豆ならサーグと呼ぶような気もする)。  店長さんに聞いてみたところ、3種類の豆を使っているようで、さらに豆の種類も教えてくれた。秘密

          ほうれん草・豆カレー;料理の記録

          寒緋桜と春の色

           相互の書いた短いnoteを見て、私もそういうエッセイみたいなものを書いてみたくなった。長ったらしい説明文章を書くのは得意だけど、短い文って逆に難しいじゃないか。「毎日書かなくてもいい日記」ぐらいの感覚で書いていいんだよ。取り止めもなく、気軽に。  数日前はびっくりするほど暖かかった。一週間ほど前に咲き始めた寒緋桜が春色の天蓋を張っていた。 そんなことを思っていたら、ここ数日は雨で寒い。 そうそう、私は雨に濡れた葉や花の淡い透明感が好きだ。雨の日には、いつもよりいっそう

          寒緋桜と春の色

          ポケモンでネイピア数eに出会った日

           ゲームで算数や数学に触れるのは現代人ならよくある話で、場合によっては幾何学的なイメージや物理法則のイメージに触れることなんかもあると思う。しかし18歳の春、「ポケットモンスター ムーン」をプレイしていた私は、想像よりも遥かに数学らしい数学の概念に出会ってしまった。いや、正確には「再会」した。今回はその出会いと発見の話。 ※この記事は数学の授業などでネイピア数$${e}$$に触れたことのある人向けに書かれています。が、数学が分からなくてもゲームのガチャの見積もりで使える有益

          ポケモンでネイピア数eに出会った日

          クリスマスのすすめ

           色とりどりの明かりが灯り、街が活気に包まれるクリスマス。私が一年で一番好きなシーズンです。今回はクリスマスについて、知っていると話のタネになるような雑学、楽しみかた、意義などを紹介します。 クリスマスって何の日? クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日です。よく誕生日だと思われていますが、少なくとも現代においては「誕生を祝う日」という位置づけになります(初期のキリスト教により誕生日として定められた日ではありますが、本当の誕生日は正確には分かっていません)。「本当の誕生

          クリスマスのすすめ

          noteで写真の色味が変わってしまう問題(2023/11/21時点)

          ——君なんか写真と違わない?  最近noteを書いていて、妙なことに気づいてしまった。プレビュー画面の飯がすごく不味そうな色をしている。もちろん公開してもプレビュー画面のような不味そうな色のまま。編集画面ではそんなことないのに(一回保存して閉じるか何かで編集画面にも反映される)。プレビューの段階(エンコード)ですでに色味が違うということは、おそらく見る環境によって違うということではないはずだ。まあ百聞は一見にしかずということで、 この画像を見てくれ こいつをどう思う?

          noteで写真の色味が変わってしまう問題(2023/11/21時点)

          唐辛子の魅力と料理の科学

           人々を魅了する辛い料理やお菓子。今となっては「激辛ブーム」と呼ばれることすら少なくなったように思うが、それはこういった食品が庶民の中に十分に浸透した証だといえるだろう。辛いものといえば真っ先に思い浮かぶのが唐辛子。一方で、辛さ以外の魅力はあまり知られていないように思う。今回は唐辛子(ピーマンなども含む)について、科学的な話をたくさん交えながら、特性、活用法、歴史など、広く紹介したい。 ※以下、飯テロを含みます (長文かつ部分的に難解なので適宜読み飛ばしてね) なぜ人々

          唐辛子の魅力と料理の科学

          円周上からランダムに3点をとってできる三角形の面積の期待値 ~確率密度の積分【前編】~

          余談: 積分とは何をしているか、あなたは理解していますか  私は発展的な積分はよく知らない。ここでお話しするのは、無限小の概念を用いた最も初歩的な、いわゆる「リーマン積分」というやつだ。普段使いするようなまともな関数は、無限小の概念を用いた初歩的な理解で直感的にも正しく、工学をやる上では十分。最高の道具だ。しかし初歩的とはいえ、何をしているかを初学者が理解するのは難しい。私の場合、$${\int f(x)dx}$$における$${dx}$$がただの飾りではなく次元をもった量を

          円周上からランダムに3点をとってできる三角形の面積の期待値 ~確率密度の積分【前編】~

          はじまりの哲学

          Twitter、凍結。  突然すぎる死に、私takubonnは激しい喪失感を覚えた。今まで日記代わりに積み上げてきた自分のツイートが全焼した。さらには学術的なツイートも、お気に入りの絵のブックマークも、すべて。幸い私は、ほぼ見る専だった鍵垢を本垢にして、相互を探し出し†世界†を取り戻す作業を始めたのであった―― とまあこんな感じで、Twitterが安全な場所でなくなったことを認識した私はnoteを始めることにした。字数制限ないし。前からブログ的なものを書いてみたいという気

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