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このプログラミング研修、何かがおかしい

 新人研修でプログラミングの研修が始まり1日目。HTML、CSS、JavaScriptをやると聞いていた。初日はHTMLでできることを一日かけて学ぶのかな〜と思っていたら、「HTMLはHyperText Markup Languageの略で、マークアップ言語だよ〜。タグで構造を記述するよ〜」みたいなスライドを2枚ぐらい見せられたあと、衝撃が訪れた。

「じゃあ調べたりしながらこの課題やってください。ChatGPT使ったりしてもいいので。じゃあ15分ぐらいでいいかな」

課題1
・見出しタグを使って名前を表示してみよう

……は??

 あの、新人5人いるんだけど、書く環境は統一しないの? どう書くのが正解か説明してないよね? 教科書は? 何も、ない。
 自力で調べてやらせる方式が良いとか悪いとか、それ以前の問題なんだよこれは。人は一度やり方を覚えるとそれ以外の方法を試したがらない。だからこそ、最初にあらゆるやり方を学んでおく必要がある。CSSみたいな「どう書いてもそれらしくできてしまう」言語ほど、しっかりと初めにバリエーションを知らなくちゃいけないはずだ。
 なんとこの研修、HTML・CSS経験者ゼロ、JavaScriptは自分だけ少し。それなのに開始5分でこれ。おかしいに決まってる。

 課題は8番まであり、最後のほうはこんな感じ。

課題8
・名前入力欄とメッセージ入力欄、送信ボタンを作り、送信ボタンを押したら名前とメッセージに入力した文字列が画面に表示されるものを作ろう。ただし、名前かメッセージが空っぽなら、両方画面に表示せず、アラートを出す。

……。
 「研究でPythonだけ触ったことがあります。計算させてmatplotlibで画像出してました」な我ら新人チームにはあまりに酷だ。というかそもそもPythonとJavaScriptじゃ構文が全然違う。構文からやれよ!

「『name == null』の条件でやってるのに上手くアラート出ないんだよね……」

そりゃそうだ、基本を習っていないんだから。0とnullとundefinedとNanと""は全部違うし、==と===も違うから……とそんなことを説明しても仕方がないから自分が書いたやつを見せて説明した。
「空文字列は偽として扱われるから、こうやって〜」
と。

if (!name || !message){
    /*🤯*/
}

そして問題のボタンクリック処理

button.addEventListener("click", event => {
    /*😡(静かなる怒り)*/
})

いきなりこんなものが出てきたら発作を起こすに決まってる。同期の顔が「イベントドリブン……?」と言いたげだった。そりゃそうだ。それに、classや属性を触ったことない人が「○○.◇◇」みたいな書き方をいきなり見て理解できるはずがない。
 偶然QtでGUIを触ったことがあって、偶然JavaScriptでDiscordのボットを作ったことがあって、それで自分は調べて理解できた。同期が優秀だったから教えてどうにかなったが、普通に考えておかしいだろ。

おわりに

みんな、教える立場になったら新人には易しくしてね。優しいだけじゃだめだよ。
 研修の感想をフィードバックするところがあるから、怒りの長文を叩きつける。同期はみんな穏便だ。いつだってこういうことができるのは俺しかいなかった。俺がこの戦いを終わらせるしかない。来年以降の後輩が苦しむことのない、易しい世界のため……。

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