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【もう一度中学数学】当然わかる、と思い込んでいたと思い知る

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜謙虚にここから始めてみる〜

さて、先日「シン・ニホン」の書評の中で
「大学で挫折した数学を改めて勉強し直してリベンジする」事を決意表明した僕がまず手を出してみたのが本書である。

「いや、中学から学び直しかよ!?」とツッコミが入りそうだが、そんなツッコミをした人は一度この本を手に取って読んでみればいい。
忘れてたり、すぐに答えが思いつかない問題が意外と多いはずだ。

シン・ニホン」によると、中等教育前半である中学2年生の数学レベルは国際評価システムTIMSS2015参加43ヶ国の中でもトップ5に入るそうだ(しかし、数学が「とても好きだ」と答える学生の割合は9%と、ほぼ最低レベルだそうだが…)。
それだけ、日本で学ぶ中学数学はレベルが高く、数学を学ぶ基礎がふんだんに盛り込まれているのだろうと思う。
学び直すためにはここからやり直した方が良いだろう、と僕は思ったのだ。


〜日常で使える考え方が多い〜

さて、数学はしばしば「社会に出て何の役に立つの?」なんて言われる筆頭の科目とも言える。

しかし、思うに中学数学の知識こそ日常の中で使えるものが多い、と今回改めて思った。

例えば、確率や場合の数の考え方は、重複や抜けの無いように全てのパターンを考えて正しい数字を出す事が重要になるのだが、日常でもさまざまな判断を下す際に、全てのパターンを網羅した上で結論を出す場面はあるはずだ。
合同や相似の考え方は、コピーをとったり資料をプリントアウトする時にも直感で何倍にすればいいかの判断になるし、これは僕が仕事でよくやるが、限られた数字の中から関係性を明らかにするためにxやyに置き換える事でスッキリする事もある。

数学なんて使わないよ、と思っている大人の人ほど、中学数学をやってみれば、「あ、これ、あれに使えるじゃん」と日常の中に数学を取り込むヒントがあるはずだと思うのだ。


〜知ってるつもり、から抜け出す〜

さて、正直なところ、数学を学び直すにあたり中学数学からで良いのか?と、この本を読み始める前は思っていたが、非常に得るものは大きかった。

やっぱり、僕自身も自分の無知に気づいておらず、「知ってるつもり」になっていたのだ。

学び直す、という行為には自分の知識や理解を過信しない謙虚さが必要だ、という事にも気づけた一冊だった。


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