見出し画像

【5Gビジネス】5Gの恩恵を受けるのは個人ではなく社会か

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜5Gが変える生活はまだか…〜

以前読んだ「これからの5Gビジネス」という本の復習のつもりで読んだこの本。

VR・AR、高速ゲームコンピューティング、認証システム、自動決済、コネクテッドカー、遠隔医療、スマートシティ、自動運転、などなど5Gによって描かれる未来像は「これからの〜」とは大きくは変わらない。

2019年6月に書かれた本書。2年経ったが、実感として生活の中で5Gの恩恵を受けているとはまだまだ思えない。

しかし、まだ見えていないだけで、ふとした時にその恩恵を実感する時が来るのだろう。
変化は徐々に現れて、急に表出するものではないのだ。


〜消費者個人は5Gを求めているのか?〜

実は僕は以前から「5G」というものに疑問を持っていた。
正直なところ、インターネットの出現や今手元にあるスマートフォン以上に生活を一変させるようなものが近い将来ホントに生まれるのだろうか。

5Gで新しく生まれるサービスとしてテレビなどでは、VRやライブ・スポーツ観戦の「マルチアングル」や自身にパーソナライズされた広告…などが例に挙げられるが。

VRやARはアミューズメント的なイメージがあり、体験したい人だけすればいいし、「マルチアングル」もそこまで需要があるのかと思うし、そもそもちょっと検索しただけで関連した商品が広告として出てくる現状で既にうっとうしいし…

5Gが直接消費者にもたらすものを、そもそも個人消費者が必要としているものなのか?
と常々思っていた。

5G、と言っても、インターネットやスマホほどのインパクトは無いんじゃないか?と個人的には思っていた。


〜新しい社会をつくるものとして〜

個人消費者レベルで言えば、この本の著者も5Gの技術が人々の生活の中にスマホにとって変わるものを生み出すとは考えていないようだ。

むしろ、5Gによって変わるものは個人の生活ではなく社会の仕組みだ

スマートシティという言葉からもわかるように、それは5Gの技術を活用して実現されるまちづくりだ。
ビジネスにおいても、これまでドコモやau、ソフトバンクなどの大手通信会社が個人消費者に価値を提供するのは4Gまでである。5Gからは、他の事業者が大手通信会社の通信技術を活用して、新しい価値を生み出すビジネスへと転換していく。すなわち、大手通信会社と顧客の間に事業者を置き、5G通信を調達する事で事業者が自社だけでは実現不可能だった新しい価値を個人消費者に提供するという形になっていく(著者は「B2X」から「B2B2X」への転換、と表現している)。

さて、そうなると、5G通信による技術革新を僕らはただ待っていればいいわけではない。
5Gと自社のサービスを組み合わせてさらに革新的なものにするアイデアを生み出す事が可能であり、必要になってくる(「2030年」に書かれていたコンバージェンス[融合]だ)。
全ての働く人が5G通信とは何かと知っておくべき理由はそれなのだ。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?