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【小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て】子育てに悩んだ時に触れたい優しい言葉

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜子育てで混乱しないために〜

今、自宅に4ヶ月の娘がいる僕は、まさしく子育て真っ只中だ。

娘が産まれてから、親になったという意識が芽生えて「この子のために何が出来るだろうか?」という事を考えて、子育てに関連した本を買って読んだり、ネットでいろいろと調べたりした。
早期教育?成長に良い食べ物?読み聞かせの習慣?
自分の子のためにやらなければいけない(と思ってしまっていた)事があまりに多くて、混乱しかけていた。

しかし、この本を読んだ事で少し子育てに対して肩の力を抜く事が出来たかもしれない。

本書の主題は、
「子どもの力を信じて、親は愛情を持って見守るだけで良い」
という事だ。


〜当たり前の事がわからなくなる子育て〜

さて、チラッとこの本に関するネット上でのレビューをいくつか見ていたが、こんな感想が多かった。
「当たり前の事が書かれていて参考にならなかった」
「そりゃそうでしょ、と思うような事しか書かれていなかった」

正直、僕自身もこの本に書かれている事は至極当たり前の事ばかりなんだろうと思う。

しかし、だ。
実際に自分が子育てをするまでわからなかった事だが、子育てを始めると子どものことを考え過ぎて、あらゆる子育て論に手を出してしまう。

はじめての子どもに対して、「後になって後悔したくない」と、色んな情報を目にした事で、当たり前の事が当たり前で無くなってきてしまう。
(著者はまさしくこれを「あとで後悔したくない症候群」と表現している。)

はじめての子育てでは、多少なりとも冷静で正常な判断が出来なくなってしまうという事を自覚してしまったのだ。

そんな子育てオーバーヒート状態の僕は、この本の「余計な情報に振り回されず、おかあさんとおとうさんの心身も健康を保ち、子どもに愛情を注いであげてください」という言葉に触れる事で少しクールダウン出来たと思う。


〜育てる人も健康であれ〜

子育て論の本を読むと、当然、大抵の場合は子どもが主役の話ばかりである。
「ええ、あれもやるの?これもやるの?」と、親の負担が大きく、親が頭をかかえてしまいそうな子育て論は枚挙にいとまがない。

それに対して本書。
お医者さんらしいお話だなと思ったのは、
「子どもが健やかに育つために欠かせないことの筆頭は、ケアギバー(子育てをする人)の心とからだも健康であること」
というお話だ。

子どもを育てる母親父親が不健康であれば、当然子ども自身にも悪影響が出てくる。

本書は全編通して、子育ての方法よりも「親が無理をしない方法」に重きを置いているように思える。

子育てに疲れた時に、「無理しなくても良いんですよ」と肩を叩いてくれるこの本は、子育てする人の本棚に置いておきたい本である。そして、子育てに疲れたらこの本を開き、優しい言葉に触れてリフレッシュするのが良いと思う。

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