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【ウエスト・ウイング】文字も解説もない怖い絵本

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜ゴーリー作品の中でも難解すぎる〜

ここで紹介するエドワード・ゴーリー作品は「ギャシュリークラムの子どもたち」「おぞましい二人」「うろんな客」に続き4作目。

本作はこれまで紹介したゴーリー作品の中で1番難解だと言い切れる。
というのも、文字は一切なく絵だけの絵本であり、解釈は完全に読む人に委ねられているからだ。

「ウエスト・ウイング=西棟」が一体何の西棟なのか?この建物は一体何なのか?ここにいる人々は一体誰なのか?
ただただ不気味な絵の羅列であり、時系列すらわからない(時系列というものがあるのかもわからないが)。

極めつけなのが、前に紹介した3作では物語の解釈のヒントとなる解説が巻末に載っていたのだが、この作品に関しては解説すらも無いのだ。
解説するのも難しい、ということなのだろうか。それとも、これだけ自由な解釈ができる作品に解説は野暮だということなのだろうか。
どちらにせよ、読者は一から自分の力でこの不気味な絵を読み解くほかないのである。

個人的には今まで読んだゴーリー作品の中では1番好きなのだが、オススメかどうかという点ではその難解さから星3つとさせていただいた。

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