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【日本という国】これまでの日本、そして、これからの日本

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜シリーズ「よりみちパン!セ」〜

よりみちパン!セは、ヤングアダルト向けのサブカルチャー的な「教養書」のシリーズである。
中学生以上を対象としているので、中高生はもちろんのこと、大人も楽しめるシリーズ、だそうだ。

たしかに、この本を読む限りルビが振ってあり読みやすく、中学生にもわかりやすいように配慮されている内容だと思う。
大人の学び直しにも良いかもしれない。このシリーズ、今後いくつか読んでみようと思う。


〜福沢諭吉から戦後までの日本近代史〜

さて、本書は以前読んで非常に面白かった「日本社会のしくみ」の著者・小熊英二さんによる一冊。現在の日本という国がどのようにして今の形になったのかを、明治と戦後から解説してくれる。

僕は、日本史世界史は中学生以下のレベルである(学び直しの真っ最中)。そんな僕でも本書は非常にわかりやすく読みやすかった。
何より新しい発見が多く、特に福沢諭吉の「学問のすすめ」から明治時代の日本がどのようにして民主化・西洋化していったのかという件は非常に勉強になった。

また、日米安保条約や靖国参拝の話なども、自分は知っているようであまり理解していなかったことに気づき、改めて勉強になった。
日本の諸問題について、知っているようで知らない事をしっかりと知識として定着させてくれる良書であった。


〜これからの日本を考えるべき〜

さて、本書を読んでいると、今の「日本という国」がアメリカにかなり依存してきて発展した国なのだと再認識させられる。2006年に書かれた本であるが、ここに書かれている事は未だ解決されていない。

「日本人らしさ」なんて言葉もあるが、そもそも今の日本の基盤となるものはあるのか?
明治以降、西洋の文化に翻弄されて存続してきた日本。これから日本はどのようになっていくのか?そして、どのようにしていくべきなのか?

その答えを今生きている日本の人々は、真剣に考えなくてはいけない。
何よりも日本人は日本が好きなのか?この本を読むと、日本を嫌いになってしまいそうだが、それでも日本を愛する日本人になるためには知っておかなければいけない事だということも事実だろう。

この一冊は、自分たちが生まれ育った「日本という国」のこれからを考える土台となるだろう。

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