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【物理学の野望】物理学史の入門書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜物理とは何か、を思い出した〜

物理、は学生の頃割と好きだった科目である。しかし、大学は数学系の学科を専攻し、仕事も物理とは全く関係ないので、物理というものに受験勉強以来触れていないことになる。

なんとなく本書を手に取って読んでみたわけだが、「慣性の法則」「ケプラーの法則」「ファラデーの電磁誘導」などなど、懐かしい言葉が並んでなかなか面白く読めた。

本書の内容は、簡易的な物理学史、と言える。
複雑な計算式などは、最後の相対性理論と量子力学を除きほとんど無く、物理に出てきた様々な法則がどのような経緯で発見され生まれたのか、を時系列順に解説してくれる。
物理が苦手だった人や、僕のように物理から離れていた人にオススメしたい一冊である。


〜物理学の野望とは?〜

さて、本書のタイトルにもなっている「物理学の野望」とは一体何なのか?
それは、「万物の理論」を探し求めることである。著者曰く、「物理学が目指しているのは、世界の全てを説明する究極の数式を見つけること」だ。

以前読んだ「哲学と宗教 全史」においても、哲学と宗教の誕生は、人類が世界の成り立ちや仕組みを解明しようと試みた事がきっかけだと書かれていた。

「哲学と宗教 全史」と本書を読んで、全ての学問は世界を知るために生まれた、という前提を改めて考え直すきっかけになったと思う。
やはり、いろんなことを勉強しなきゃいけないな、と月並みな事を強く思うようにもなった。


〜相対性理論と量子力学〜

さて、この本の中で特に面白かったのは、最後の章の相対性理論と量子力学の話だ。

受験物理までで止まっていた僕は、現代物理学の最新トピックである相対性理論と量子力学についてはほとんどわかっていなかった。

かなりざっくりではあるものの、相対性理論って何だ?量子力学って何だ?という疑問が、なんとなく解消されたように思える。
今後、量子力学や相対性理論に関する本を読むことがあるならこの最後の章をもう一度読めば、理解の助けになると思う。

以上を踏まえて、物理学の魅力を伝える本としてはなかなか面白い一冊だった。

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