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【Excel 最強の教科書】Excel脱初心者を目指す

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜「こんなやり方があるのか」と頷く〜

著者も述べてるように、それぞれの機能について詳しい手順は紹介されているものの、本書はExcelの便利な機能を丸々暗記するような内容ではなく、「こういう考え方があったのか」「こういう機能があるのか」ということに気づくためのものである。

僕自身、業務でExcelを使うことはあるが、業務上簡単な資料作成はあるものの、データ分析などで使うことは今のところ無いため、そこまで細かい機能を勉強する機会はあまりなかった。簡単なショートカットや印刷機能などは使っているものの、マクロやVBAなどの機能は使ってはいない。いわば僕自身、Excelに関して言えば初心者と中級者の間ぐらいと言えると思う。
そんな僕はこの本を読んで「あ〜、こんな機能あるんだぁ」と納得することが多かった。

誤解の無い様に最初に言っておくが、本書ではマクロやVBAに関しては対象外である。そういった機能を学びたい方は、その専門書を買った方がいい。
本書のレベルは、仕事でなんとなくExcelを使っているような初心者が脱初心者を目指す、というぐらいだろう。


〜すぐに使えそうなことがいくつか見つかればいい〜

さて、Excelを普段仕事で使っている人にとっては、本書に書かれていることは半分くらいは既に知っている事かもしれない。

本書の目的は、仕事を効率よく進めるための業務直結のExcel実践スキルを身につける、ということであり、初歩の初歩というような話も含まれている。

それでも、よほどExcelを使いこなしている人でもない限り、この一冊全てを知ってる人というのは少ないはずだ。

「Excelをもう少し上手く使いたいなぁ」という人にとっては、この一冊の中に、すぐに使いたくなる機能が4〜5つぐらい見つかるハズだと思う。

「こういう考え方があったのか」「こういう機能があるのか」というのをざっと見ていけばOK、という本書のコンセプトは素晴らしい。
「こういう機能がある」ということを知っているだけで、あとはネットなどで調べればいい。

わからないことは調べられるけど、知らないことは調べられない。
僕が普段から心がけている考え方なのだが、知らないことを教えてくれる本書の存在はExcelを学ぶ上ではかなり有用だと思う。


〜Excelの機能とならんで重要なルールづくり〜

さて、著者がこの本の中でも再三述べていたのが「あらかじめExcelのルールを業務チームの中で決めておくべきだ」という事。

実は、僕がExcelのマクロやVBAをあまり使いたくなかった理由がここにある。
僕の職場は、割と人の入れ替わりが激しいのであるが、前任者がマクロやVBAを組んで作ったExcelファイルが後任者が上手く使えず業務が滞る、という場面を頻繁に見てきた。

前任者が、そのExcelファイルの使い方や保守方法をWordなどメモに残していたり、共通のルールとして周知していればよかったものの、そういったことをせずに異動してしまった、というのが主な原因だ。

著者によれば、「データの入力規則やファイルの保存方法などはチーム内で統一しておくべき」なのである。

僕の印象としては、Excelは上手いけど、チーム内でのルール作りや周知などにまで気がまわってない人が多い、と思う。
ひどい時には「ここまで僕が作ったんだから、使い方ぐらい自分でExcel勉強して理解しろよな」とも言わんばかりに作りっぱなし投げっぱなしにしてチームを去る人もいる。

システム開発などをチームでやったことある人ならわかると思うが、プログラミングやマクロなどはどうしても自己流になる部分が出てくるあるため、チーム内で入力規則やデータの構成規則などを統一しておく、というのは常識だ。

しかし、そういう業務ではないチームで、Excelを使うとなると、周りよりもExcelに詳しい人間は、そういった規則を統一する重要性を理解していない(マクロを知ってれば、同じようなものが出来る、と思い込んでいる)。

Excelは汎用性の高い便利なツールだが、やはり、それを使う人間がキチンとしたルールのもと利用しなければいけない、というのを再認識した一冊でもあった。

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