マガジンのカバー画像

海老郎のエッセイ・日記

69
#コラム #エッセイ #日記 などを不定期で書いたもの。内容はごちゃまぜです。
運営しているクリエイター

#校正

校正:居る、いる(漢字をひらく)

校正:居る、いる(漢字をひらく)

こんにちは。今回は「いる」「居る」です。

補助動詞において「頑張っている(五段動詞)」「歩いている(上一段)」「食べている(下一段)」というような用途では公文書の書き方系の資料に書いてある通り、ひらがなにひらくのが一般的です。

漢字ペディアにも「現代表記ではふつう、ひらがなにする。」とあります。

動詞として使う場合は漢字とひらがな両方の選択肢があります。
『記者ハンドブック』では「=居る」の

もっとみる
校正:街、町、漢字の使い分け。悩ましい問題

校正:街、町、漢字の使い分け。悩ましい問題

こんにちは。こんばんは。
今回は「町」と「街」について書きたいと思います。

統一すればいいというのはその通りですが、この問題は実は一筋縄にはいきません。

町:townのこと。またはstreet、区市町村のひとつ下の区画のこと。
街:街区のこと。市町村の中心地、street。
参考。
(通り:street)
(村:village)
(市:city)
(区:特別区23区[city])、政令指令都市

もっとみる
校正:風、ふう(漢字を開く、閉じる)

校正:風、ふう(漢字を開く、閉じる)

連チャン記事3つめ。今回は「~風」についてです。

「あんなふうに」「こんなふうで」このタイプはひらがな推奨です。
「~というふうに」「~頑張ってるふうを装って」とかそういう感じの使い方ですね。

「ミラノ風ピザ」「洋風」「和風」「中華風」、こういう名詞についてる接尾語は漢字で書くことが多いようです。
自分のテキストからピックアップすると「スペアミント風」「異世界風」「冒険者風」「コンソメ風」「お

もっとみる
校正:仕様がない、しょうがない、しようがない

校正:仕様がない、しょうがない、しようがない

連チャンですが、今回は「仕様がない」について調べます。

「仕様がない」「しょうがない」「しようがない」についてです。
通常「ょ」は小書きで「しょうが」と発音表記しますが、本来の表記で「しようがない」と書かれることがあるので検索の際には注意です。

「しょうもない」という言い方があります。また「仕方がない」という関連語もあります。

まずは「記者ハンドブック」には用例がなかったので「日本語の正しい

もっとみる
校正:出来る、できる、漢字を開く?

校正:出来る、できる、漢字を開く?

こんにちは。
書籍化に向けてちょくちょく原稿をいじっています。
ひらがなに開くか、漢字にするか、は悩ましい問題の一つです。
まぁ校正さんがやってくれるといえばそうですが、最終判断は作者なのと、校正する前の原稿時点で直せるならその方がいいと思ったので。

今回は「出来る」「できる」について、考えます。

まずみんなの辞書「記者ハンドブック13版」では「(出来る)→できる」とあります。つまり通常はひら

もっとみる
校正:辞書に載っていない単語がある

校正:辞書に載っていない単語がある

どうもこんばんは。

校正とか誤字脱字チェックみたいな作業の場合、よく辞書を引く(検索してみる)という作業をすることがあります。

しかし造語や一部専門用語とかマイナー外来語とかではなく、稀に「辞書に載っていない」日本語の単語というものがあります。

自分が遭遇した単語は「失伝」です。MS-IMEも単語として認識していないようで、変換もできませんが、けっこう広く使われている単語だと思います。

もっとみる

校正:漢字の選び方

小説を、書いていると「漢字を選ぶ」というシーンに遭遇します。

例えば「音楽を『きく』」はどうでしょう。「聞く」「聴く」などがあり、一般的には「聴く」が多いと思います。

大辞林 第三版
きく【聞く・聴く・訊く・利く】

と辞書には項目が載っています。「利く」が入っているのは意外です。「効く」がないですね。

大辞林 第三版
きく【利く・効く】

「効く」で検索したら別の項目がありました。このよう

もっとみる

「する」の活用形「し」の漢字「仕」

なんのこっちゃと思うかもしれません。

私、気になります!

動詞「する」は活用して「した」「して」「しない」という風に「し」とかに変化します。サ行変格活用、サ変です。「せず」「させず」「させない」「される」にもなります。

その「し」なのですが、色々な単語に隠れています。これは『Yahoo知恵袋』などをたまたま見たページなどに載っていることで「ふ~ん、なるほど」と思ったのです。

検索してみると

もっとみる

校正:固有名詞

校正者をちょっとやりたいなと思っている海老郎です。こんにちは、こんばんは。

校正についての記事シリーズ、今回は「固有名詞」について取り上げます。特にフィクションの小説についてです。

ファンタジー小説では多くの固有名詞がカタカナになっているので、僕はカタカナの単語を抜き出してリストを作り登場回数をカウントしつつ本文の記述を確認したりしています。一般的なカタカナの表記ゆれも一緒に確認します。一太郎

もっとみる

校正:意図的でなくひらがなになっている部分を漢字にする

漢字をひらがなにすることを「漢字をひらく」といいます。

今回は、ちょっとした思いつきで、自小説に対して「ワザとではないのに、ひらがなになってしまっている部分がないか」という視点で小説をチェックしました。

IMEは連文節変換ができるので、適当に変換すると、そこそこの割合で、ひらがなのまま残るという現象が発生します。それで意味的には問題ないので、特に今まで気にしていませんでした。

その結果、出て

もっとみる

本日の誤字:×ときより→◯ときおり

昨日、今日で自作品に見つけた誤字をご報告します。恥を忍んで掲載します。

× 例:ときより、夜空には流れ星がすっと流れる

◯ 例:ときおり(時折)、夜空には流れ星がすっと流れる

ですね。何で間違えるかは謎ですが、けっこう自分は間違いやすいです。

ちなみに「歩いたときより、走ったほうが疲れる」みたいな場合はもちろん「ときより(時より)」で正しいです。

そのため「一括置換」「全置換」で置き換え

もっとみる
ドキっと vs ドキッと

ドキっと vs ドキッと

今回は、擬音語、オノマトペの「っと」の「っ」をカタカナにするかひらがなにするか、という話題をしてみたいと思います。

これはネットで何と検索すればいいかわからないので、関連記事を探すのが難しいですね。
とりあえず、ひとつ見つけたので、リンクを貼っておきます。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14170889079

もっとみる
誤字:なぜ人類は「少しづつ」と書いてしまうのか

誤字:なぜ人類は「少しづつ」と書いてしまうのか

政府の発表による「現代仮名遣い」によれば「少しずつ」と書くのが本則ということになっています。
しかし、人類のかなりの人が「少しづつ」と書いています。僕も最初そう書いていました。

少しづつと書いてしまうのには、ちゃんと理由っぽいものもいくつかあるのです。

まず、正仮名遣い(歴史的仮名遣い、旧仮名遣い)では、「少しづつ」と書いていました。
ですから、戦前までは「少しづつ」と書くことが「正しかった」

もっとみる