「する」の活用形「し」の漢字「仕」

なんのこっちゃと思うかもしれません。

私、気になります!

動詞「する」は活用して「した」「して」「しない」という風に「し」とかに変化します。サ行変格活用、サ変です。「せず」「させず」「させない」「される」にもなります。

その「し」なのですが、色々な単語に隠れています。これは『Yahoo知恵袋』などをたまたま見たページなどに載っていることで「ふ~ん、なるほど」と思ったのです。

検索してみると、例えばこのページとかの回答に載っています。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1368561468

「仕」を「奉仕」「給仕」「仕官」などのほかで「し」に当てているものは、全部当て字です。

「仕様がない、仕方がない、仕事、仕業(しわざ)、仕草、仕組み、仕掛け」などが例として挙げられています。工業系で出てくる「仕様書」も同じです。
他にも探してみると(全部が「する」が語源かは定かではないですが)「仕上がる、仕入れ、仕打ち、(お)仕置き、仕送り、仕納め、仕返し、仕来り、仕切り、仕込み、仕損なう、仕立てる、仕留める、仕舞う、仕分け」などがあります。

「する」は「為る」ですから以前は「為様、為方、為事...為上がる...為分け」と書いていたらしいです。

当て字であったとしても「仕様書、仕事、仕業」などはすでにひとつの単語として成立しているからか漢字のままにすることが多いです。
それに対して「仕様がない、仕方がない、仕舞う」は当て字だとして、ひらがなに開いて書くことも多い印象です。

あと「支払い」「支払う」もありますが、この「し」も同じ「する」が語源で当て字で、辞書によっては「仕払う」も漢字として載っています。
上のURL先にある「試合」の「試」も当て字で「仕合」とも書くそうです。「融通し合う」の「し合う」と一緒なんですね、へぇ。

そして僕は前から気になっている表記がありました。

「し始める、し終わる、し続ける、し直す、し放題」というふうに、ひらがなの「し」が宙ぶらりんにくっついている表記があります。これが標準的ですよね。

「なんか見た目が悪いなぁ」と思っているのですが、どうでしょうか。

これらは「仕始める」「為始める」のように書くという風にはなぜならなかったんだろうなあとか。実際「"仕始める"」でgoogleしても、辞書類しかほぼヒットせず、47件と表示されました。「"仕始めた"」は1,390 件ですね。うむうむ、あまり使われているとはいいがたいと思います。

とまあ、こんなふうに、漢字の「仕」優勢の単語、「し」優勢の単語、連語などがあるわけです。
漢字にしようか、ひらがなにしようか、と迷ったりするものもあります。ちょっと奥が深い気がしてくる「する」の「し」の漢字でした。


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