【読み切り】『鹿野くんって美味しそうだね』防衛本能としてのデフォルメ
「狩谷」という名前からして、狩人を想起させる。フリフリの吹き出しと、重すぎる愛の描写で1ページ目から面白いのが伝わる。
信頼できない語り手と、「食べたい」という目標設定がされたことで、生まれるサスペンス。猟奇的だけど、主人公のコンプレックスやトラウマのおかげで「可哀想」となって、感情移入が誘発される。塩梅がうまい…。
最初の鏡ごしの鹿野くんや、鹿のイラストへの友人のツッコミなど、最初から伏線がある。作者もあまり隠す気は無いと思うし、気づいたとしても「この主人公何するんだ?