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武田斉紀の『社長の思いはこうすれば伝わる』シリーズ

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シリーズ「武田斉紀の『「社長の思いはこうすれば伝わる』」は、某金融機関の法人会員向けにかつて執筆した内容を、今回2020年仕様にリライトしたものです。第1回で書いたA社社長とのエ…
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2020年7月の記事一覧

第5回 社長の思いを明らかにする質問<未来編・社長の個人史編>

第5回 社長の思いを明らかにする質問<未来編・社長の個人史編>

1 “人生の価値観”は20歳(ハタチ)くらいまでにできあがっている 多くの人にとって、“人生の価値観”は20歳(ハタチ)くらいまでにできあがっていて、その後はよほどのことがない限り変わらないもののようです。

 これは私が多くの経営者にインタビューを重ねて実感してきたことですが、専門家にも聞いたところ一般的にも正しいそうです。

 例えば大人になるまでに家族の大切さを感じていた人は、家族を価値観の

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第4回 社長の思いを明らかにする質問<現在編・過去編>

第4回 社長の思いを明らかにする質問<現在編・過去編>

1 「社長の思い」を明らかにする4種類の質問の関係とは? 「社長の思いはこうすれば伝わる」と題してスタートしたこのコラムも4回目になりました。

 社長の思い(=会社として「何を大切にしながら(価値観)、何をめざしたいのか(目的)」)を整理し、わかりやすい言葉にして全員で共有浸透し行動していけば、顧客や社会、株主からも支持されて、従業員も社長も喜べる会社になる。みなさんがご存じの「従業員が生き生き

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第3回 社長の思いを明らかにする4種類の質問とは?

第3回 社長の思いを明らかにする4種類の質問とは?

1 「社長の思い」の整理・明確化のプロセスは“オーダーメード” 「社長の思いを伝える、共有すること」のゴールは、「社長の思い」を現場の従業員たちと共有し、行動につなげることで、お客様や社会、株主にも伝えて、結果として会社を永続的に発展させていくことです。

 しかしそれを実現していくためには、“そもそも”大本となる「社長の思い」がしっかりしていないと話にならないということを、前回(第2回)お話しし

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第2回 社長の思いがしっかりしていないと“そもそも”始まらない

第2回 社長の思いがしっかりしていないと“そもそも”始まらない

1 社長の思いは、現場の従業員が行動し、お客様や社会に伝わってこそ 第1回は「社長の思いを共有することで経営危機を脱したA社」と題して、社長の思いを全社で共有することの意味について考えてみました。

 社長の思いを全社で共有できると、「特に危機に対して組織として強いこと」、また「永続的な成長へとつながる可能性が高くなること」がおわかりいただけたでしょうか。

 そして共有の前提として、「入り口とし

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第1回 社長の思いを共有することで経営危機を脱したA社

第1回 社長の思いを共有することで経営危機を脱したA社

1 なかなか聞けなかった、社長の心の底にあった一番の悩み 「自分の思いを社員にうまく伝えられないんだよ」。

 社長のそうした悩みを私が初めて耳にしたのは、前職のサラリーマン時代のことでした。

 ずいぶん昔の話ですが、私は新卒で株式会社リクルートに入社して人事部に配属されます。1年目から、中途採用と当時は同社の半数以上をしめていた数千人に及ぶ長期アルバイト、新卒採用などを中心的な立場で任せてもら

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