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『鬼怪談 現代実話異録』現代に実在する異形の存在、鬼に纏わる実話怪談集が登場!


鬼は実在する――。

先祖が鬼だという資産家一族の子孫に掛けられた呪い。
その恐ろしき元凶とは…「受け継ぐ」より   

鬼を見た人の証言、全29話!

内容・あらすじ

古来より語り継がれし異形のモノ、鬼。
実在か、はたまたお伽噺の産物か、或いは別のものを鬼と言い換えたのかその説は様々だが、いずれにせよ現代には縁遠いものと思われがちである。
だが、鬼に出会った者は今でも実在する。
本書は彼らの証言、体験談を聞き集めた実話の鬼怪談である。
・どこからかついてきてしまった幼い鬼に情をかけた女。やがて鬼は成長し恐ろしいことが…「鬼の子」
・先祖が鬼だという資産家一族に掛けられた呪い。そのおぞましきルーツとは…「受け継ぐ」
・押し入れに鬼が棲む一家。節分の夜に鬼の声を聴いて吉凶が占うというのだが…「鬼が嗤う」
――他、霊よりも怖い鬼の実話怪談29篇!

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著者自薦試し読み1話

『本望』 つくね乱蔵

 篠原さんには、晴雄という叔父がいた。
 民俗学の研究を趣味とする晴雄は、フィールドワークと称して日本全国を旅していた。
 専門的な知識を学んだ訳ではない。ネットに転がっている情報を元に行き先を決めるだけだ。
 要するに、先人の跡を追うだけの観光旅行である。
 自分でもそれは分かっているせいか、晴雄は時折、突拍子もない場所を目的地に選んだ。
 特に好んだのは、地元の人間が禁忌とする場所だ。
 暮らしの中の正の部分は祭りにあり、負の部分は禁忌にある。
 会社での出世はとうに諦め、日々の楽しみもない。生涯独身の自分にとって、人間の負の部分は何よりの御馳走だ。
 そう言って晴雄は笑うのであった。
 その晴雄が、昨年の初め、自宅で死んでいるのが発見された。

 これは、その少し前に篠原さんが晴雄から聞いた話である。

 何年か前の秋のことだ。晴雄は例によって旅行に出た。SNSで知り合った同好の士からの情報だ。
 目指すは北陸地方の山間部にある村。その村の近くの洞窟に、鬼の像が祀られてある。
 洞窟の入り口に注連縄が張られていたため、何かあるのではないかと推測したらしい。
 鬼の像は一つや二つではない。優に五十は超える。石や木など材質は異なるが、いずれも手彫りである。
 明らかに素人の手によるものだ。美術品としての価値はないのだが、何とも言えない迫力があった。
 立ち入り禁止と思われる洞窟に無断で入ったため、残念ながら由来の聞き取り調査はできなかったという。
 注連縄で閉ざされた洞窟に、溢れんばかりの鬼の像。聞いただけで胸が躍る。
 是非とも実物を拝んでみたい。晴雄は可能な限り、人目に立たぬよう行動した。
 その甲斐があり、洞窟に到着するまで誰とも顔を合わせることはなかった。
 一見したところ、何の変哲もない洞窟である。
 聞いた話の通り、入り口には注連縄が何本も張られており、足を踏み入れるのが躊躇わ
れる佇まいであった。
 注連縄を切らないように注意を払って中に入る。ひんやりとした空間に誘われる。
 見かけに寄らず深い洞窟のようだ。懐中電灯で辺りを照らしながら、奥へと進んでいく。

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