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ショートショート広場

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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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#夏

【小説】 夏。収穫アルバイト 【ショートショート】

 高校生活最後の夏休み。受験勉強そっちのけでアニメを観ていた僕は、ある作品の影響からカッ…

大枝 岳志
3日前
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【小説】 誰が為に、 【ショートショート】

 三十五歳を過ぎた頃から、人と関わりを持つことが極端に億劫に感じるようになった。  一円…

大枝 岳志
1か月前
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【小説】 向日葵畑 

 仕事が夏季休暇に入ると小学五年になる息子と二人きりで過ごす時間が増えた。この家で家族と…

大枝 岳志
7か月前
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【小説】 ひまわりばたけ 【ショートショート】

 仕事が夏季休暇に入ると小学五年になる息子と二人きりで過ごす時間が増えた。この家で家族と…

大枝 岳志
1年前
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【小説】 野辺の人々 【ショートショート】

 何もこんな場所に建てなくても良いだろうという場所に、うちの会社は新しい工場を建てた。 …

大枝 岳志
1年前
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【小説】 おばけの悩みごと 【ショートショート】

 深夜。私と彼は山深い場所にある湿り気と黴臭さの漂う小さなトンネルの中にいた。ここは昭和…

大枝 岳志
1年前
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【小説】 ハラスメントラベラー 【ショートショート】

 バブル末期の暑い八月。島型レイアウトの並びの課長席に座る坂本はこめかみに青筋を浮かべながら、腹の底から声を出して吠えていた。 「てめぇら一本取ったらすぐ次行くんだよ馬鹿野郎! 喜んでる暇があるなら件数伸ばせよ! おい、村上こっち来い!」  怒鳴っている間、坂本の手は横を通り過ぎて行く女性社員達の尻に伸びる。  無言で立ち止まる女性社員の尻を撫で回しながら、坂本は頭を下げながらやって来た申し訳なさ顔の村上を怒鳴り始めた。 「おい! おまえ、先月の成績言ってみろ!」 「は

【小説】 奇祭・軽トラどつきあい祭り 【ショートショート】

 北陸地方の山間に位置する「O村」では二百年の歴史を持つとある奇祭が行われていると聞き、…

大枝 岳志
1年前
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【小説】 箱入り娘 【酒井商店シリーズ】

 暑い、あまりにも暑過ぎる。何故こうも外は暑いのだろうか? 小生は毎年夏になるとこの嫌っ…

大枝 岳志
2年前
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【小説】 まるで、短編映画のようで 【ショートショート】

「ラジカセってまだあったんだ! うわぁ、見て見て!」  放課後の音楽室で彼女は子供みたい…

大枝 岳志
2年前
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【七夕小説】 長い逢瀬 【ショートショート】

 昭和六十年七月七日。  願い事を囁き合う園児達が不慣れなひら仮名を使い、それぞれの想い…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 プールサイド 【ショートショート】

 楽しげな声と水飛沫が上がる夏の日に、栄太はつまらなそうな顔をしながら包帯が巻かれた右足…

大枝 岳志
3年前
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【小説】浜の婦人

 埼玉県の山沿いにある中小都市から、この海が見える街に越してから三週間。  仕事の都合で…

大枝 岳志
3年前
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摂氏37度

 摂氏37度の炎天下、茹だるような熱がアスファルトから放たれ続ける道の途中で、私は途方もない気持ちになった。  これから向かわなければならない顧客先は、田畑に囲まれた僻地にそびえ立つ巨大な物流倉庫内に拠点を構えていた。 「大体、バス停から歩いて……確か15分くらいかな?そんな遠くなかったと思うよ」  課長の岩瀬にそう言われ、軽い気持ちで顧客先へと赴いたのだが、どうやら到底15分で着きそうな距離には無かった。  建物があまりにも大き過ぎて、遠目でも田んぼの奥にその姿が確認出