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ショートショート広場

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一話完結〜数話完結の短編集を載せています。 あなたの息抜きのひとつに添えて頂けたら嬉しいです。
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2021年4月の記事一覧

【小説】 スワロウテイル 【ショートショート】

 都市部から離れたとある小さな駅。平日は静かなものの、休日は駅からいくらか離れた大きな自…

大枝 岳志
3年前
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【瞬間小説】 風景 【ショートショート】

「何か釣れたん?」 「ちげー、根がかりしてるだけ」 「そうなん? 思い切り引っ張ってみりゃ…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 火の王子さまと氷のお姫さま 【ショートショート】

 昔々も大昔、人々がまだこの地球に存在していなかった頃のこと。  世界はまだ混沌としてい…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 あなたの棺で眠らせて 【ショートショート】

 面長と髭、伸ばしっぱなしの髪の毛。無骨な見た目の癖に石鹸の匂いがする彼は、まるで死んで…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 春を残して、君は 【ショートショート】

 自然消滅と呼ぶより「愛の突然死」と呼んだ方がしっくり来る別れ方をした水穂から連絡があっ…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 語る魚 【ショートショート】

 川の流れもだいぶ穏やかになった五月。  釣り道具を携え、私はイワナを求めて山へ入った。 …

大枝 岳志
3年前
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【瞬間小説】 氷雨 【ショートショート】

 酒を呑むだけの金も力もなく、叫ぶ声すら何処かへ落としたまま雨夜の街を歩いている。  折れた傘を握り締め、何処へ帰ろうかと彷徨い続ける。  シャッターが閉まった駅の入口に腰掛けようとすれば、そこに座る数名の先客が私に睨みを利かせ始める。  心だけは、どうか失くしたくない。  錆びついた古い歌を口遊みながら、穴の空いた靴から滲みる冷たさを引き摺って歩く。  右に左に、元来た場所から見知らぬ場所へ、折れた傘を相棒にして朝を描き歩き続ける。  何の希望も生まれない歌にしがみつ

【小説】 『』 = 「」 【ショートショート】

 始業から一時間半。イラ立ちがついに限界を迎え、私は我慢がならずに扉を押して無機質なオフ…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 秋桜とナイフ 【ショートショート】

「おまえら、嘘ばかりついているとロクな大人にならんぞ。どうなんだ? え?」 「か、金原く…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 エンドレス・ゴング 【ショートショート】

「大竹この野郎、見てるか? おまえの墓場、作っといてやったから喜べや! 場所は誰も来ない…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 狂欲大魔神 【ショートショート】

 家に帰ったけれど、私は食欲もなく、化粧も落とさず風呂にも入らず、ボーッとしている。  …

大枝 岳志
3年前
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【小説】 色を失くす 【ショートショート】

 朝の天気予報を観ている途中で、ふと画面の中の違和感に気が付いた。 「ご覧のように、東京…

大枝 岳志
3年前
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【小説】 熟れたトマト 【ショートショート】

 大した仕事ではなかった。問題はその場所だった。懐かしい駅前のロータリー。変わらない街並…

大枝 岳志
3年前
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