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【小説】 春を残して、君は 【ショートショート】

 自然消滅と呼ぶより「愛の突然死」と呼んだ方がしっくり来る別れ方をした水穂から連絡があった。僕は約五年ぶりに聞く彼女の声を聞きながら、その声の実感が湧かずに何度も足の親指をつねったりしていた。

「急に電話来たから驚いたよ、本当……久しぶりだな」
「電話って普通、急なもんじゃない?」
「まぁ、そうだけど」

 聞きたいことが山のようにあったけれど、割とドライな性格の持ち主の水穂はさっさと用件だけを僕に伝えた。

「豊、今週の土日とかって空いてる?」
「え、うん。空いているけど」

 ほんの一瞬、心が躍ってしまう自分が居た。しかし、次の瞬間に僕は落胆の溜息をつくハメになる。

「私さ、年内に結婚するんだ。彼が急遽一ヶ月の出張に出ちゃってて、申し訳ないんだけど引越の手伝いをお願いしたいんだよね。運び残しがまだあってさ」 

 窓の外で散って行く桜を眺めながら、僕は「おめでとう」と乾いた声で言った。僕の前から突然消えたと思った水穂は、誰かの婚約者になって戻って来たのだ。

「お礼はするからさ。頼めるかな?」
「別にいいよ、どうせ暇だし」
「ありがと。あと、勝手にごめんね」
「……まぁ、いいよ、もう」
「本当、ごめん」

 それが何に対してなのかのごめんなのか、今さらなその答えは聞かずに僕達は日程と段取りを大まかに決めて電話を切った。
 春にしては暑過ぎる土曜の昼。駅からはいくらか離れた彼女のアパートの部屋に入るなり、僕は思わず目を丸くした。

「嘘だろ、こんなに積めないって」
「車借りて来なかったの?」

 部屋には大型家電などは流石に残されていなかったが、そこそこ大き目のダンボールが十箱近くも残されていた。ここから引越先まで車で一時間近くも掛かる。何度も往復するのは勘弁願いたかった。

 何度も電話で確認したのに、彼女はその度に「そこまで荷物残ってないから」とあっけらかんとした声で言っていた。かつて最愛だった彼女の門出を手伝うはずの僕は感傷に浸る間もなく、レンタカー屋へと急いで車を走らせた。
 幸い、幌付きの軽が借りられた。引越シーズンにしてはラッキーだと思いながら、窓を開けてもうすぐ彼女のいなくなる街を眺めながら車を走らせた。

 高校の同級生だった僕と水穂は音楽好きが高じて高校卒業後、将来の事をロクに考えずにノリだけで同じライブハウスで働く事になった。ライブハウスの裏方として働く毎日で、給料も安かった。それでも、自分が運営に携わっていると思うと誇らしい気持ちになれた。寧ろ、その気持ちだけで続いていたようなものだ。
 水穂とは音楽を通じて仲が良かっただけで特に恋人になるような関係でもなかったが、周りのスタッフ達には年中からかわれていた。

「おまえら付き合っちゃえよ」

 そんな風に言われる度に、僕も彼女も首を必死になって横に振っていたものだ。それに当時の彼女はミキサー担当の長髪の長嶺さんという先輩の事が好きだったのだ。しかし、長嶺さんはゲイだった。
 楽屋を掃除している最中、缶珈琲を片手にドアを背中に立つ長嶺さんにこんな事を言われた。

「豊、俺と付き合ってみない?」
「えっ……どういう事っすか?」
「……こういう事だよ」

 僕は雑巾を手に持ったまま、長嶺さんに唇を奪われた。突然過ぎて何が起こっているのかも分からないまま、僕はファーストキスを奪われた。そして、そのすぐ傍には偶然楽屋に入って来ていた水穂が立っていた。
 泣きながら飛び出した水穂を追い掛ける事も出来ず、僕がまごついていると長峰さんは缶珈琲をグイと飲み干して言った。

「な? 女って面倒臭いだろ?」

 もちろん、僕は丁重にお断りを入れた。そして水穂の後を追い掛けた。
 実は僕も水穂も「長嶺さんはアッチだ」という噂だけは聞いていた。それでもよっぽどショックだったのか、水穂は裏出口に続く非常階段に座りながら泣いていた。
 外は水穂の泣き声とジージーと鳴く虫の声だけが静かに響いていた。

 僕は階段の上から声を掛けた。

「水穂……大丈夫?」

 水穂はこっちを向かずに、首を横に振った。

「ビックリしたよな……突然だったし……」
「……あんなの、ひどいよ」
「……うん、そう思う、かな……」
「……何で言ってくれなかったの」
「噂にはなってたけどさ、まさか……マジだとは思わなかったし」
「違う! あんたもゲイだったって何で言ってくれなかったの!? 私ひとりで、バカみたいじゃん!」

 水穂は振り返ってツケまつ毛が片方外れた目を潤ませながら、そう叫んだ。僕は咄嗟に頭に来て怒鳴ってしまった。

「ふざけんなよ! 俺はゲイじゃない! 突然キスされたんだよ!」
「え……じゃあ、違うの?」
「何がだよ!」
「豊、ゲイじゃないの?」
「そうだよ、ノーマルだよ、ノーマル」
「なんだ……良かった……」
「良かったって……おまえ長嶺さんの事、好きなんだろ?」
「ううん、豊の事が好きみたい」

 僕は水穂からの突然の告白に何て言葉を返していいかも分からなかった。けど、彼女はホッとしたような顔をしながら涙を流し続けていた。

 それからしばらくの間、長嶺さんのアツイ視線を尻に感じながら僕は水穂と共にライブハウスで働き続けた。けれど彼女はその後音楽雑誌の編集の仕事に就き、ライブハウスを去った。
 その頃の僕は単純なもので、告白された途端に水穂の事を異性として意識してしまい、呆気なく好きになってしまっていた。ブースから向けられた視線を尻に感じながら、彼女が去ったフロアで何度も溜息を重ねた。

 そして、僕と水穂は付き合う事になった。
 僕はライブハウスを辞め、リサイクル楽器を販売管理する仕事に就き始めた。

 水穂と同棲する事は無かったものの、互いのアパートを行き来してそれなりに平和な日常を送っていた。
 ドライな性格で意思の強い彼女だったけど、付き合ってみると意外なくらい甘えたがりな人だった。それが僕にとってはとにかく可愛くて仕方が無かった。
 それとなく、そのまま結婚するものかと思っていたある日、急に彼女からの連絡が途絶えた。
 心配になった僕が彼女の部屋を訪ねると、彼女からインターフォン越しで

「悪いけど、もう付き合えない」

 とだけ淡々と告げられた。冗談じゃない、と思いながらアパートを数回訪ねたが反応は無く、間を空けて訪ねた時にはもう住人が入れ替わっていた。その原因はついに分からないまま、僕と彼女の縁は突然切れてしまったのだった。
 
 失意のドン底に突き落とされた僕は、その後誰かと付き合う事もなく五年の月日を過ごした。いつか彼女が戻って来てくれるんじゃないか、そんな淡い期待は違う形になってようやく叶ったのだ。一番望まない形として、叶ってしまった。

 汗を拭きながら、最後のダンボールを積み込んで幌を下げる。水穂はその間、部屋で数々の書類と睨めっこしたりしていた。
 出発の準備が整い、彼女が去ろうとしているアパートを眺めながら駐車場で煙草を吸っていると、鍵をじゃらじゃら鳴らしながら水穂がわざとらしく僕の吐き出した煙を追い払った。

「うわーっ! 豊、まだ煙草なんか吸ってんの?」
「えっ……まぁね。あれ、もしかしてコレ?」

 僕が腹の前で弧を描くと水穂は僕から煙草を奪い、一口吸って答えた。

「ハズレ。デキてません」
「なんだよ。まぁ、めでたい事には変わりないけどさ」

 水穂から返された煙草を受け取った僕は、何故か口を付ける事が出来ずにそのまま地面に落とし、足で揉み消した。

 水穂の「彼」は彼女とはまるで趣味も生活スタイルも異なるらしかった。
 歳は十も上で、仕事は工作機械の企画や営業をしていて、趣味はサーフィンなんだとか。
 出会ったのは職場仲間を通じての合コンで、付き合って半年ほどで結婚しようとプロポーズされたとの事だった。

「とにかく勢いっていうか、情熱が凄い人なんだよね。勝手に色々やってくれるから楽よ」
「尽くされてるんだな」
「まぁ、そうとも言えるよね」

 彼を語る彼女の顔に嘘はなかったし、本当に幸せになってくれるなら喜ばしい事だな、なんてぼんやり考えている内に引越先のマンションに辿り着いた。
 賃貸だとは言っていたけど、幌付の軽でお邪魔するにはあまりにも立派な造りのマンションで僕は正直気が引けてしまった。

「旦那……っていうか、彼って金持ち?」
「親がすっごい金持ってるのよ」

 これはまたずいぶん凄い所に嫁ぐんだなぁ、なんて思いながら僕は白を基調とした二十畳は軽く越えている大きなリビングにせっせと荷物を運び込んだ。彼女も手伝ってくれたけれど、水穂がここの住人なんだと思うともう何だか全然違う世界の人のように思えて来て、僕は次第に日雇いのアルバイトでもしているような気分になっていった。
 全ての荷物を運び終えると、僕は領収書を切りたいような気持ちになりつつ、彼女に言った。

「これで全部だね。じゃあ……車返さないとだし、俺、帰るわ」
「ご飯くらい奢るから、何か食べ行かない?」
「いや、とりあえず車返さないとだし」
「じゃあ私も一緒に行く。どちみち、今日は実家に泊まるつもりだったから」
「あぁ、じゃあ行くか。久しぶりだし、三来軒で良い?」
「うん」

 そう言って部屋を出たけど、僕は何だかとても居心地が悪い気分になった。これ以上、僕が彼女と過ごすのは良くない事になるような気がしていた。
 エントランスへ向かう間、大きなサングラスを掛けた真っ赤なスーツを着た貴婦人に会釈された。途端に僕は汚れたチノパンを履いている自分が恥ずかしくなった。

 幌付の軽を返して自分の車に乗り込むと、彼女が助手席に座るなり「わぁ」と声を漏らした。

「まだ乗ってたんだね、このフィット」
「うん、なんか乗り換える気も起きなくてさ」
「家族でも出来たら考え変わるよ」
「そうかな、一生ないんじゃない?」
「あはは、そうかもね」

 ひでぇ女だな、そんな風に心の中で毒づきながら僕は車を走らせた。
 昔二人で通っていた中華料理屋「三来軒」へ足を運ぶと、店主が読んでいた新聞紙をなぐり捨てるようにして立ち上がった。

「水穂ちゃん! 生きてたんかい!」
「やだな、私死んでないよ」
「だってよ、こいつが「死んだんじゃないっすかね」とか言ってやがったからよ! おい、母さん! 水穂ちゃん来たぞ!」

 奥から現れた体格の好い奥さんが「うわぁ!」と水穂に抱きつき、時間の流れを何となく感じてしまった。僕らはその後しばらく近況報告をし合った。水穂が「結婚するんです」と言うと、店主も奥さんも僕を見たけれど、僕が首を振ると店主は「だろうな!」と満面の笑みで答えた。僕は少し、ムカついた。
 この店のラーメンは旨くも不味くも無くて、久しぶりに水穂と食べるラーメンはやっぱり旨くも不味くも無くて、僕らは食べた瞬間に目を見合わせて笑ってしまった。

 彼女の実家は店からそれほど離れてはいなかったので、店を出てそのまま送ろうと思った。今帰さなかったら、きっと帰せなくなると感じていた。街中が翳り始めたオレンジ色の風景の中、古臭い列車が目の前を通り過ぎて行く。

「このまま送ってくよ。実家帰るんだろ?」
「ねぇ、ドライブしない?」

 店の軒先で夕陽を眺めながら、水穂は楽しげな誘い文句と真逆の固い表情で言った。
 心の隅で喜んでしまう自分の情けなさを感じながら、僕は答えた。

「運転するの俺だけど、別にいいよ。時間あるし」

 それから僕はとにかく当てもなく車をただただ、走らせた。ナビには目もくれず、段々と夜に変わる風景を水穂は咎めもしなかった。
 そうやって夜がやって来るのを、きっと僕らは待っていた。だから車を走らせている間中、何も喋らなくても良かったのだ。ラジオの声だけが響く車内で、水穂がぽつりと言った。

「今、どこ走ってるの?」
「……さぁ?」
「まぁ、どこでもいいんだけどさ」
「そうだね」

 ビルやロードサイド店が続いていた通りがいつの間にか畑だらけの暗闇に変わっていた。肘を掛けながら窓の外をじっと眺める水穂の顔がガラスに浮かぶ。その顔は緊張しているようにも見えたし、何かを諦めたような力の抜けた顔にも見えた。

 向かう先は決まっていた。しかし、畑の真ん中で煌々と輝いていたホテルの名前を見て僕と水穂は腹を抱えて笑い合った。

「ニュー・ピエロって何だよ、だっせぇにも程があるだろ」
「あはは、ここのピエロ一度死んで生まれ変わったんじゃない?」
「それか二代目? 先輩ピエロがいたのかもな」

 郊外のラブホテルで、僕らは笑い合って、酒を飲んで、当然のように抱き合った。
 口付けを交わしている間、彼からの電話が鳴った。僕が何も言わないのを知っていて、水穂は僕の唇から離れて電話を取った。彼と電話で話す水穂の声はしっとりと落ち着いていて、僕の知らない声がしていた。
 
 夢中になって僕の知っている声を掻き出そうとする自分を恥じるのは明日で良い、そんな風に自意識を蹴り飛ばしながら僕は水穂を抱いた。
 僕の頬に手を当て続けている水穂もまた、同じように抱かれていた。
 時間が経つ度に夜が終わるのが怖くなり、僕らは身体を寄せ合った。額に汗を浮かべる水穂が僕の胸の上に鼻を付け「懐かしい匂い」と、笑ってから呟いた。

「……私とこうなるって分かってた?」
「昼間は思ってなかったよ」
「じゃあ、いつ分かったの?」
「三来軒、出てから」
「ブー、ハズレ。豊はいつも外してばっかりだね」
「じゃあ、いつから?」
「……言わない」
「教えてくれたっていいじゃん」
「……一番大きなハズレ教えてあげよっか?」
「なんだよ」
「昔、豊が私を選んだ事。ハズレもハズレ、大ハズレ……可哀想に」
「突然別れといて何言ってんだよ……ショックだったよ、マジで」
「……あの時、本気で豊の事が好きだったよ。でも、私の為に生きて欲しくなかったし、そんな豊になって欲しくなかった。そんな豊を見たくなかった……なんて言ったら、凄くそれっぽい言い訳じゃない?」
「後になってそういう事言う女とか嫌いだろ、水穂は」
「ははっ。今はどうだろうね……そんな女になったのかもしれないし、自分でも分からない。分かった所で、あんまり良い事も起きない気がする」
「自分を分かれ分かれってな、うるさい世の中になったからな」
「豊は分かったほうがいいよ、絶対に」
「何で?」
「こんな女にもう二度と振り回されないように」

 悪戯っぽく小さく笑い声を立てた水穂が、僕は少しだけ気に障った。仕返しのつもりで乳首に軽く歯を立てると、身体を捩った水穂に頭を叩かれた。
 僕の頭を撫でながら、水穂が静かに言う。

「春が来て夏が来て、秋が来て、冬が来て、また春になったね」
「……いつものように、また夏になろうとしてるよ」
「うん。だけど人はそうはいかないと思うんだ、春も冬も、きっと一度きりなんだよ。凄く長い一年を、一生掛けて過ごしてるの。暖かい日もあれば、寒い日もあるだけで」
「だったらこれから水穂は一番良い季節になるじゃん、幸せが輝く太陽の夏にさ。こんな事になっちゃって言える立場じゃないけど……良かったよ」
「……私の春は終わったのかな。人の季節が一度切りならさ、私に春はもう、来ないと思う?」

 天井に向かって手を伸ばし、互いの指を絡ませている。静かな会話とは裏腹に僕らはどちらの親指を負かす事が出来るか必死になって指を動かしている。
 水穂の親指は長くて、僕はムキになって抵抗したけれど負けてしまった。
 フフッ、という息の混じった笑い声を聞いて、指を離す。
 僕は「俺まだ……」と答えようとした後に、咳払いをして答えた。

「……うん」
「ハッキリ言うんだね」
「だって……水穂は夏に行かなくちゃ」

 それからしばらくの間、僕らは黙り込んだ。静かに泣き出した水穂を左肩で感じながら、僕は最後まで指相撲に勝てなかったこの手で、彼女を抱き寄せた。

 その瞬間、世界中の何処にもない、ここにしか存在しない愛おしさと温もりを感じて僕は息が詰まりそうになった。名前の付けられない感情に襲われた。肩を震わせる身体を強く抱き寄せると、その感情はもっと色濃くなって、胸が抉られ、身体がバラバラに切り刻まれるような想いがした。それでも、離したくはなかった。愛おしくて、そして何よりも痛かった。

 終わり掛けの夜から必死に逃げながら、それでも夜に追いつかれてしまった僕らは知らぬ間に眠りに就いた。
 昼前に目が覚めて遅い朝食をとっている間、僕らは無言のままだった。部屋を出ればすぐにでも次の季節がやって来る事を感じていた。
 言葉を出せばきっと部屋に残した春が後をついて来てしまう。そんな風に思いながら僕は黙ったまま車を走らせた。路上には散った花弁があちらこちらで舞っていた。春が死んで行くような、そんな美しい景色だった。

 それからいくつかの季節が過ぎ去って、今年も春がやって来た。
 昨日の強風のせいで桜の花弁はだいぶ散ってしまい、昼下がりの小さな公園には白い絨毯が出来上がっている。
 まだ幼い僕の子が散って行く桜の花弁に手を伸ばし、楽しそうな声を上げている。
 重ねた季節に時の過ぎる早さを感じる暇もなく、あの日、置き去りにして来た春が目の前にあった。

 柔らかな陽射しの下で春の訪れをしみじみと感じ、家に帰ったら春をどう伝えてやろうか楽しみになって、自然と口角が上がってしまった。
 そんな姿を見た僕の子が、桜吹雪の向こうで僕と同じように笑って見せる。
 急にその小さな身体を抱き締めたくなって、僕はベンチから立ち上がって小走りになる。
 僕の子もまた、僕を目掛けて走り出す。その小さな足元で、花弁がふわりと舞い上がる。
 抱き寄せた小さな身体にそっと鼻を近付けてみると、春の太陽の匂いがした。
 小さくて、柔らかな陽の匂いだった。

 今年の春は小さくて、暖かかったよ。

 君にそう伝えようと決め、僕は我が子を空高く抱え上げた。
 笑い声の間に、春を告げる鳥の声が響いていた。


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