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しーらんぺったんごりら探し:経過報告

マイページの固定記事にこちらを載せているのですが。

この言葉をご存知の方は教えてくださいと募ったところ優しい方たちがコメントを寄せてくださいまして、(本当にありがとうございます!)結論は全く出せていないのですが…途中経過を報告させてください。

推論1:発祥は関東だと思われる

全国区となったきっかけはNHK「にほんごであそぼ」という番組であると思われます。放送は2003年〜。付け足し言葉という言葉遊びの紹介で出たようです。

コメントをくださった方で関東出身の方は80年代ごろからご存知でした。私も大体そのころに使っていたように記憶しています。(関東出身)

しかし関西出身の方で「にほんごであそぼ」放送以前に子どもだった方はご存知なかったのです。

このことから少なくとも80年代には既に存在しており、発祥は関東であると推察されます。

推論2:そもそも<ジャンル:付け足し言葉>なのか

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付け足し言葉を調べるうちに こちらの本と出会いました。

「新版 ことば遊び辞典」東京堂出版・ 鈴木棠三 編
なぞ・考え物・地口・むだ口・無理問答・回文・舌もじりなどユーモアとしゃれにあふれた近世の言語遊戯を集大成した改訂版。楽しみながら日本人の豊かな言語生活がわかる貴重な資料。

残念ながら集められた言葉はずいぶん古いものばかりで「しーらんぺったんごりら」は載っていなかったです。

しかし、この辞典の「むだ口」(シャレや付け足し言葉を国語学ではこう呼ぶそうです)という項目に「知らん」に付け足すバリエーションがたくさん載っていました。

一例)

・知らにゃ新町河原町(京都の地名)
・知らねえの閻魔様(東京・蔵前)
・知らん変らん河童の屁(秋田・羽後)
・知らん干瓢 猫のくそ(静岡・駿河)
・知らなきゃ新橋があらがら お前の父ちゃん車引き 朝から晩までがあらがら(東京)

※すべて「ことば遊び辞典」から引用

最後なんて 本当に言ってたやつ居るのかと疑問です。早口言葉なみに長いうえ悪口やん。というか ほとんどのものが悪口ですね。

おそらくただ「知らない」とだけ言うのが癪だったのでしょうね。憎まれ口といいますか。掲載されていた「知らん」のむだ口は 関東圏の言葉が多かったです。負けず嫌いの江戸っ子気質というやつでしょうか。

「知らぬ顔の半兵衛」という言葉もありまして、こちらは有名なようでWikipediaでは慣用句あつかいでした。知らぬ顔をするという戦略で成功を納めた武将のことらしいです。官僚っぽいですね!(偏見)

話が逸れましたが、「知らん」に付け足し言葉をするという、文化というと大げさかもしれませんが、土壌が関東には醸成されていたことは確かかと。

推論3:ゴリラのイメージと歴史に関係あり?

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ゴリラのすべて (廣済堂ベストムック 439) 山極寿一 (監修)

こんなイカした雑誌があって つい購入してしまいました。タイトル通り 日本中のゴリラ全員の写真や歴史も載っている雑誌です。ゴリラのポートレイトかっこよすぎでした。以下雑誌からの引用。

<日本のゴリラ史>

1954年:日本に初めて3頭のゴリラが来日。移動動物園で展示

1957年:上野動物園で公開。人気者となる。

1990年:ゴリラ数がピークに達し25の動物園で50頭を飼育。

爆発的にゴリラが流行したということは最近のイケメンゴリラ・シャバーニ氏以前はなさそうです。ただ安定の人気を誇っており、上野動物園に来日した理由も「ゴリラが見たい!」という要望に応えてのことだったとか。

「ゴリラ」は知名度があり 人を類人猿あつかいする、というからかいのフレーズとしてちょうど良かったのかもしれません。語感もいいですし。

・しーらんぺったんサル

・しーらんぺったんオランウータン

・しーらんぺったんチンパンジー

他の類人猿で入れ替えてみても「ゴリラ」が圧倒的に言いやすいですね。

「知らんっぺ」→「しーらんぺったんこ」→「しーらんぺったんごりら」

という流れがしっくりくると思います。

推論4:80年代のブタゴリラ

「キテレツ大百科」をご存知でしょうか。藤子・F・不二雄先生の作品でアニメ化もされています。

藤子アニメ作品としてフジテレビ系列では初となる作品で、1987年11月2日に90分の単発のテレビスペシャル版として放送された。翌1988年3月27日からほぼ同一のスタッフ、キャストで毎週日曜19:00からテレビシリーズが、スペシャル版と同じくフジテレビ系で放送され、1996年6月9日の終了まで8年間(全331話)に亘る長期放送となった。━Wikipediaから。

この作品に「ブタゴリラ」という人気キャラクターが登場するのですが、ちょうどアニメ放送が80年代でコメントの情報と符合します。

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向かって右がブタゴリラこと熊田薫さん。マイルドなジャイアンといったところ。

子どもの付け足し言葉に登場したというのは このブタゴリラ人気があったのではないかと推察。

現時点でのまとめ

1:発祥はおそらく関東。

2:関東では「むだ口」と呼ばれる付け足し言葉の文化が盛んであったと思われる。

3:ゴリラの安定した人気と知名度、からかいの言葉として語感がちょうど良かった

4:80年代後半はキテレツ大百科に登場する「ブタゴリラ」が人気だった。

今後の課題

・ゴリラが来日した50年代に子どもだった(もしくは幼児を育てていた)方からの情報収集。

・「しーらんぺったんごりら」が収録されている蔵書の捜索。

・方言からのアプローチ。(語尾が「ぺ」の方言)

引き続き「しーらんぺったんごりら」をご存知の方はコメントいただけるとうれしいです!(使っていた年代と地域を教えていただけると助かります)

2003年以前に関西で子ども時代を過ごし、「しーらんぺったんごりら」をご存知の方いらっしゃったらコメントください。

少ないですがお礼のサポートをいたします。


情報提供をしてくださった皆様ありがとうございました。

霜月ねこ@たまに塾の先生 様、森のカルロス大根 様、にわゆうこ 様、

ブラボー先生®学習塾×ほめて伸ばすプロ👨‍🏫 様、

よっしー@次世代癒しのケアワーカー 様、ショコ 様、えんちゃん

(情報提供順。勝手に紹介してすみません、ご都合の悪い時はお手数ですがおしらせください)













つけヒゲに憧れているのでつけヒゲ資金に充てたいです。購入の暁には最高のつけヒゲ写真を撮る所存です。