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それでも繋がりたい不器用なわたしたち

わたし、いつの間にか、人と話すのがものすごく下手になっている。

と、感じた3月はじめの週末だった。

動き始めた街で

この週末(3/6.7)、関西の緊急事態宣言が解除され、神戸の街には様子見ながらも晴々としたムードが漂っているように思えた。

久しぶりに街に出かけたのは、ドレスの製作アシスタントちゃんとの打ち合わせのため。

今オーダーを受けているウェディングドレスのリメイク作業と、春のルーロットウェディングのドレス着せつけの打ち合わせだ。

コロナで神戸・旧居留地のアトリエを出ることになった私だが、未だ新しいアトリエは見つかっていない。今日は知人のウェディングプランナーさんのアトリエを、その打ち合わせと作業のために数時間ほどお借りする予定になっていた。


ところが前日になって、プランナーさんに急遽、結婚式の打ち合わせが入ったようだった。

ウェディングの打ち合わせも入ってきて、少しずつ動き出しているんだな。よかったよかった。何よりだよ。

と言うわけで、私たちは作業を終わらせてから立ち寄る予定だったミモザのイベントに先に立ち寄り、ランチを済ませてからプランナーさんの打ち合わせが終わるのを待って、アトリエにお邪魔することにしたのだった。


ミモザとパリとキャンドルのイベントへ

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ハッとするほど明るいミモザに誘われて、イベント会場へ。

お花の会場装飾やインテリアコーディネイトの仕事をしている知人の「ミモザとパリとキャンドル」のイベント初日。

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まだ開店直後で絶賛準備中だったその知人にお声がけした。

お声がけしたものの、お互いなんとなくぎこちない。

それもそのはず、共通の知人を介してSNSで知り合って、コメントやメッセージでやり取りはしていたものの、実はリアルでちゃんとお話ししたことはなかったんだった。

それにしても私、トーク下手すぎやろ。もともとあまり得意ではなかった上に、このコロナでさらに下手になっているような気がする。

話すよりも書くほうが得意だから、SNSでしか知り合っていない人にはびっくりされるかもしれない。書くスピードのようには思ったことを口で伝えられない。もどかしい。

それでも直接お会いできたことが嬉しくて、私は必死で言葉を探していた。

この希望のようなミモザの明るい光のことを、そんな場所を作っていただいたことを、言葉でうまく伝えたかったから。


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魔法のミモザ

いつも素敵なイベントをされている知人だけれど、今回は緊急事態宣言が開けてすぐのリアルイベントということで、色々手配の大変さもあったようだ。

「もうバタバタで〜」

とおっしゃりながらも、その間もその手が止まることはなく、テーブルにはささっとミモザの枝がバランス良くあしらわれ、あっという間にミモザとポピーのミニブーケが生まれていく。

まるで魔法みたいだ。

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そんな百戦錬磨の素敵マダムでも、久しぶりのイベントだとバタバタしちゃうものなのかなと、少し親近感を抱きながら、私は私でマイペースに店内を見させていただいた。

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金色の明るい光のようなミモザの花に惹かれ、たくさんのお客様がいらっしゃっていた。

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お花と、決して生活必需品ではないけれど心惹かれる素敵なものと、他愛のないお喋り、そして美味しいもの。

そういうものが私たちにはやっぱり必要なんだと思う。

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その後この場所で共通の友人にも1年ぶりくらいに再会し、お互い話したいことが多すぎて、聞きたいことがありすぎて、「で、どこから話せばいいんだっけ?」と話す順番とか話題もあっちこっちに飛んだりして、もうめちゃくちゃ。

なんかいろいろ必死だった(笑)


あのあと、打ち合わせの終わったプランナーさんとも、ほんの一瞬の間にわ〜っと話して、たったそれだけの言葉でものすごく元気になった。

拾ってくれてありがとう

さらに偶然、近くでフェリシモ時代の後輩が個展をしていることもわかって、ドレスの作業終わりにここにもエイっと見に行った。

後輩、目をまん丸にして、私にものすごく驚いていた。

「Mさん(私の旧姓)、めっちゃレアキャラですよ〜」

レアキャラって…。

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ここでもマシンガンのような近況報告。キャッチボールのような会話ではなく、豪速球で投げ続けるような。「会話はキャッチボール」っていう基礎を私また忘れてしまっている。そんな豪速球誰も取れんやろ、みたいな球なのに、ちゃんと拾ってくれてありがとう。


不器用な光を集めて

この週末の1日だけで、ここ1年分くらいの人に会ったと思う。


私、家族以外の人と会話するのが久しぶりすぎて、人と喋るのがものすごく下手になってる。

いろんなところで一気に自分のことを話しすぎて、また後からちょっと恥ずかしくなった。(どんだけ不器用なんだ)


まあ私は特にひどすぎたけど、もしかすると、ぎこちなかったのは私だけじゃなかったかもしれない。

イベントも、街に出て人に会うのも、みんな久しぶりなのは同じで、まだどこなくぎくしゃくしていたように思う。

段取りが完璧ではなかったり、急な変更があったり。


みんななんとなく不器用だったけど、それでも繋がれる喜びに満ち溢れていた。

ほあほあと人と人とが繋がって、明るい光になっていた。


ミモザの花のように。

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3月8日。

今日はミモザの日なんだって。




だれにたのまれたわけでもないのに、日本各地の布をめぐる研究の旅をしています。 いただいたサポートは、旅先のごはんやおやつ代にしてエッセイに書きます!