売上7000億超え企業となった産ロボとサービスロボットのメーカー2社。
2022年度のロボット関係企業の業績を見ていると、コロナの影響も一段落という感じです。工作機械に組み込む数値制御(NC)装置で世界シェアトップだったり、工場の自動化設備や産業用ロボットでもグローバルトップの一角であるファナックも過去最高ということで、売上高は前期比33%増の「7330億円」となっています。営業利益も25%と恐ろしい会社。
圧倒的な強さだな~と思いながら、ネットサーフィンしていると、ファナックと同じような業績を上げているロボット企業がありました!!
アメリカのIntuitive Surgical社!
da Vinciなどの手術ロボットを製造販売しているアメリカの会社ですね。(Intuitive Surgical社については、以前のnoteで紹介したので、興味ある方は読んで頂ければと思います。2019年の記事なので少し情報が古いところもあります)
21年業績は、売上高57億ドル、営業利益率31.9%。1ドル130円で計算すると、ざっくり売上7400億円。
感慨深い。。。たまたま円安というタイミングも重なっているものの、サービスロボットのトップメーカが、産ロボメーカーと肩を並べる業績を収めるような時代になったんですね~~
というわけで、両社の業績の推移をもう少し見てみます。
ここ10年ぐらいの売上の変化を見てみると、こんな感じです。
どちらがどっちかはわかりやすいですね!!青がファナック、グレーがインテュイティブです。インテュイティブの右肩上がりは羨ましいレベルです。
そして、営業利益率の推移がこちら。
これはどちらかを当てるのはちょっと難しいですが、こちらも青がファナック、グレーがインテュイティブです。ファナックの利益率が近年若干低下しているものの、メーカーでコンスタントに20%を超えて、最高時は40%を超えているという恐ろしい企業です。
製造業向け以外のロボットがなかなか事業にならないと言われておりますが、トップ企業だけを比較すると、変わらないレベルになってきました。
むしろ、時価総額を比べると、手術ロボットの競争が激化している状況ではありますが、ファナックが4.3兆円に対して、インテュイティブが約10兆円とまだまだ市場で評価がされているようです。
もちろん、産ロボ側もこのままという訳ではなく、ファナックも今期22年度は2年連続で売上高の過去最高を更新し、21年度比13%増の8255億円(営業利益は同7.7%増の1973億円)との見通しを発表しています。
面白いなぁと思うのは、利益率が高い理由です。
ファナック側は、とにかく徹底的にコストを下げるという考え方が徹底されているように感じます。
詳しい説明はNewspicksに特集記事が組まれていましたが、コストに対する拘りや仕組みは並外れた状態にありそうです。
ファナックの研究開発方針として、
・Weniger Teile
より少ない部品でつくる工夫
・Reliability Up
商品の信頼性を高めること
・Cost Cut
どこの商品より低いコストであること
の3つが掲げられていることからもよくわかります。
一方で、インテューティブは、物売り企業の枠を超えてしまっています。紹介したように消耗品、サービスなどのリカーリング収益が全体の70%を超え、ロボット本体というよりもそれ以外で稼いでいくという、もはやSaaS企業のようにも見えます。
もちろん、両社とも今のビジネス形態、特徴をずっと維持するかはわかりませんが、とにかく両者の業績がたまたまた似た数字になっているというのは気付いていませんでした。
今後とも要注目ですね!
では、また来週〜。
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安藤健(@takecando)
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