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研究施設一般公開レポート

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本マガジンには、医薬基盤・健康・栄養研究所、理化学研究所、および、大学の一般公開に関するレポートが掲載されている。 拙レポートにより、自然科学の最先端研究に興味を抱いてくれれば、…
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2023年5月の記事一覧

第2章 毒の博物館 2-2 植物の毒のいろいろ:「特別展「毒」」見聞録 その04

第2章 毒の博物館 2-2 植物の毒のいろいろ:「特別展「毒」」見聞録 その04

2023年04月27日、私は大阪市立自然史博物館を訪れ、一般客として、「特別展「毒」」(以下同展)に参加した([1],[2])。

同展「第2章 毒の博物館 2-2 植物の毒のいろいろ」([3])で、「日本の三大有毒植物」として、ドクウツギ(図04.01)、ツクバトリカブト(トリカブトの一種、図04.02)、および、ドクゼリ(図04.03)が展示された([4]のp.24-25)。

「世界の有毒植

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第2章 毒の博物館 2-1 生物の毒:「特別展「毒」」見聞録 その03

第2章 毒の博物館 2-1 生物の毒:「特別展「毒」」見聞録 その03

2023年04月27日、私は大阪市立自然史博物館を訪れ、一般客として、「特別展「毒」」(以下同展)に参加した([1],[2])。

同展「第2章 毒の博物館 2-1 生物の毒」([3])で、「守るための毒」(図03.01)を持つ生物として、セイヨウイラクサの標本(図03.02)と茎の拡大模型(図03.03)、ならびに、イラガの幼虫の拡大模型(図03.04)が展示された。

一方、「攻めるための毒」

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第1章 毒の世界へようこそ:「特別展「毒」」見聞録 その02

第1章 毒の世界へようこそ:「特別展「毒」」見聞録 その02

2023年04月27日、私は大阪市立自然史博物館を訪れ、一般客として、「特別展「毒」」(以下同展)に参加した([1],[2])。

同展「第1章 毒の世界へようこそ」([3])では、日常の中にある毒として、タマネギ、小麦粉、および、かびたパンなどが展示された(図02.01~06,[4]のp.12-14)。

上記の毒は神経毒、血液毒、および、細胞毒のいずれかに大別されるが、スギ花粉の様にアレルギー

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初めに:「特別展「毒」」見聞録 その01

初めに:「特別展「毒」」見聞録 その01

2023年04月27日、私は大阪市立自然史博物館(図01.01)を訪れ、一般客として、「特別展「毒」」(以下同展)に参加した(図01.02,[1],[2])。

私にとって、同展は非常に興味深いものであった。

本記事から、毒に関して学ぶので、ついてこられたし。

参考文献

[1] 独立行政法人 国立科学博物館,株式会社 読売新聞社,株式会社 フジテレビジョン.“特別展「毒」 ホームページ”.h

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第4章 科学的知見によるイメージの再構築:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その04

第4章 科学的知見によるイメージの再構築:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その04

2023年04月29日、私は兵庫県立美術館を訪れ、一般客として、「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」(以下同展)に参加した([1])。

1960~70年代にかけて、「恐竜ルネッサンス」ともよばれる大きな変革がもたらされた。「鈍重な生き物」から「活発に動く恒温動物」へと恐竜像が変化したことに伴い、恐竜画もさらなる進化を遂げ、新しい表現のアーティストが次々と登場してきた。

「第4章 科学

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第3章 日本の恐竜受容史:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その03

第3章 日本の恐竜受容史:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その03

2023年04月29日、私は兵庫県立美術館を訪れ、一般客として、「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」(以下同展)に参加した([1])。

「第3章 日本の恐竜受容史」で、19世紀に欧米で成立した恐竜のイメージが世紀末には日本にも移入され、かつ、古生物学者である横山又次郎(以下敬称略)によって「恐竜」という訳語が作られて以来、科学雑誌や啓蒙書、子供向けの漫画や絵物語、ならびに、ジュール・

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展示物から「“コロナ”から考える感染症の話」を振り返る:日本医学会総会2023東京 博覧会 “コロナ”から考える感染症の話01

展示物から「“コロナ”から考える感染症の話」を振り返る:日本医学会総会2023東京 博覧会 “コロナ”から考える感染症の話01

2023年04月22日、私は東京国際フォーラムを訪れ、一般客として、日本医学会総会 2023 東京 博覧会(以下2023博覧会)に参加した([1])。

重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome:SARS)コロナウイルス(coronavirus)2(SARS-CoV-2、以下新型コロナウイルス)は、新型コロナウイルス感染症(2019年)(corona

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第2章 古典的恐竜像の確立と大衆化:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その02

第2章 古典的恐竜像の確立と大衆化:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その02

本記事は、以下の記事の続編である。

2023年04月29日、私は兵庫県立美術館を訪れ、一般客として、「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」(以下同展)に参加した([1])。

「第2章 古典的恐竜像の確立と大衆化」では、レオン・ベッケル(以下敬称略)よる「1882年、ナッサウ宮殿の聖ゲオルギウス礼拝堂で行われたベルニサール最初のイグアノドンの復元」(図02.01)が観客を迎えていた。こ

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第1章 恐竜誕生―黎明期の奇妙な怪物たち:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その01

第1章 恐竜誕生―黎明期の奇妙な怪物たち:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その01

本記事は、以下の記事の続編である。

2023年04月29日、私は兵庫県立美術館を訪れ、一般客として、「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」(以下同展)に参加した([1])。

「第1章 恐竜誕生―黎明期の奇妙な怪物たち」では、地質学者ヘンリー・デ・ラ・ビーチ(以下敬称略)の原画による「ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)」(図01.01)とロバート・ファレンによる「ジュラ紀の海

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初めに:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その00

初めに:「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」 見聞録 その00

2023年04月29日、私は兵庫県立美術館(図01)を訪れ、一般客として、「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」(以下同展)に参加した(図02,[1])。

水晶宮のイグアノドンの巨大模型が同展の一般参加者を迎えていた(図03)。

同展から、我々人類は18世紀以来恐竜という存在に畏敬の念を抱いていることを改めて痛感した。実際、同展に展示されていた絵画や造形物は、こうした畏敬の念を感じさ

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