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レコーディングアーティストとしての佐野元春さんの活動を徹底研究していきます。

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マガジン

  • 佐野元春 VISITORS 1984

    佐野元春1984年リリースの4枚目のオリジナルアルバム『VISITORS』についてまとめています。

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Dear Mr.Songwriter Vol.0

 音楽を好きになったきっかけは佐野元春さんです。the pillowsのさわおさんじゃないけど、ロックスターの頂点なのである。これからまず自己紹介として初めての出会いからいってみる事にするよ。  その前にまず音楽の体験から、一番古い記憶を辿るとはっきり覚えているのは沢田研二、ジュリーの"ダーリング"のシングルレコードが家にあって小学校低学年の時、歌声をラジカセにマイクを繋げて録音したのを自分で何度も聴いていたお調子ものの子供でした。何故ジュリーのレコードがあったのかは、父親が

    • 佐野元春andTheHoboKingBand THE BARN

      Dear Mr.Songwriter Vol.2910遍の短編集を創るつもりで書いた。唄の主人公はおとなの男たちだ。人生に行きづまりを感じながらも、最後の希望を見つけようともがいている。そういう男を描いた小説集です。 MWS ニュージェネレーションのための佐野元春CDガイド 今回は11枚目のオリジナル•アルバム『THE BARN』です。前作の『フルーツ』が様々なミュージシャンを起用したアルバムでしたが、今作では新たに結成したバンド"International Hobo Ki

      • 佐野元春 FRUITS

        Dear Mr. Songwriter Vol.28 今の時代、こんな時代に、性善説に立つことの勇気と愚かさをもって、僕はこのアルバムに『フルーツ』というタイトルをつけた。 This Vol.2 Summer No.3 今回は10枚目のオリジナル•アルバム『フルーツ』です。 2年8ヶ月ぶりとなるザ•ハートランド解散後、初のアルバム。様々なミュージシャンを起用して、全17曲収録のボリュームのある内容。その分それぞれの曲の長さは短めになってます。 表1は自然光が欲しいというこ

        • 佐野元春 The Circle

          Dear Mr.Songwriter Vol.27ぼくの初期のソングライティングの中で大きな位置を占めていたもののひとつに、人間が生まれたときから持っているひとつのイノセンスというテーマがありました。イノセンスの誕生と喪失、これがぼくのものすごく大きなテーマだったんですね。その後、自分がソングライターとして成長し、ある程度キャリアを積む一方で、ぼくは次のテーマを探して悪戦苦闘するわけなんですけれども、あるとき、イノセンスは消滅したり消え去ったりするものではなく、それはぼくらの

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        Dear Mr.Songwriter Vol.0

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        • 佐野元春 VISITORS 1984
          2本

        記事

          佐野元春 sweet16

          Dear Mr.Songwriter Vol.26 今回は8枚目のオリジナルアルバム『sweet 16』です。’90年の『Time Out!』から1年8ヶ月ぶりにリリースされています。 ここでリリースに至るまで少し期間があるので、活動を少し遡っていきますね。 ’90年11月からスタートした2ヶ月のツアー"Time Out Tour" 今までのキャリアで一番短いツアーでした。 そして、オノ・ヨーコさんが提唱したジョン•レノン生誕50周年記念イベント《Greening Of

          佐野元春 sweet16

          詩人としての佐野元春

          Dear Mr.Songwriter Vol.25先日6月5日に配信リリースされた「Young Bloods New Recording 2024」では、コヨーテ•バンドと新しい解釈によって躍動感のある素晴らしいテイクでしたね。 変化は音だけではなく歌詞もアップデートされていました。 そこで今回は今までにアップデートされた楽曲を振り返りながら音楽としての詩、活字としての詩などを検証していこうかと思います。 過去には、ホーボー•キング•バンドと2枚のセルフカバーアルバムを

          詩人としての佐野元春

          佐野元春with The Heartland Time Out!

          Dear Mr.Songwriter Vol.24 このアルバムを作っていた1990年、バブル経済の恩恵で経済的に豊かだった若者たちの暮らしには、唯物的な価値観が台頭していた。『ナポレオン〜』同様、当時の流行の真逆のことをやれば、自分の作家性が自ずと顕在化してくるはずだという目算もあった。時代に対するアンチ。バカげた気取りではあるけれど、そんな思いもあったね。 佐野元春を成立されるクリエイティブのかけら 第7章 今回は7枚目のオリジナル•アルバムの『TIME OUT!』で

          佐野元春with The Heartland Time Out!

          佐野元春を聴き続けるという事               Young Bloods New Recording 2024

          Dear Mr.Songwriter Vol.23 「Young Bloods New Recording 2024」は聴いた?  18年活動を共にしているザ•コヨーテ•バンドとの再レコーディング。"佐野元春クラシックスの再定義" とてもワクワクする試みですよね。先日6月2日に放送された亀田誠治さんナビゲートの番組で初オンエア。オンタイムで聴いてタイムフリーでも聴きましたよ。 ここではジャズ•ピアニストのモーズ•アリソンを特集。そしてそのモーズ•アリソンの楽曲を収録したアル

          佐野元春を聴き続けるという事               Young Bloods New Recording 2024

          佐野元春80年代の20曲 

          Dear Mr.Songwriter Vol.22 Dear Mr.Songwriterですが、1980年のデビュー•アルバムの『バック•トゥ•ザ•ストリート』から1989年の『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』まで80年代の作品をまとめてきました。 今回は区切りとして80'sの心のマイベスト20を発表します。 ではいってみよー! 20.モリスンは朝、空港で  1983 ノー•ダメージ 初めて聴いた時は、不思議な曲だなって感じ。高校生の時、ウォークマンに(カセットだよ)『No

          佐野元春80年代の20曲 

          佐野元春 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part.3

          Dear Mr.Songwriter Vol.21このアルバムはある意味、僕と同じジェネレーションの人達にささげたい。また、聴いてもらいたのは、小学校6年生、中学1、2、3年生、僕の下の下のジェネレーションの人達に、このアルバムを借りるなり買って聴いてもらいたい。 世界にはがっかりするようなことがとても多いけれども、決して泣いたり絶望しないでくれと、このアルバムを通して彼らに言いたい。 いつかテレビの子供番組で、このアルバムの中の"新しい航海"という曲をうたいたいんです。

          佐野元春 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part.3

          佐野元春 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part.2

          Dear Mr.Songwriter Vol.20自分のアイデンティティが定まったアルバムなんだ。現代詩とロックンロールを高い次元で融合させた。僕の最初のクリエイティヴなピークと言ってもいい。敢えていえば、「サムディ」や「ガラスのジェネレーション」という初期ヒットよりもむしろ、『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』に収録されている一群の曲が佐野元春ポップ•ロックの真髄だと思っている。 Movilist ACTION 2 SUMMER 2015 このアルバムは当初の予定では、収録し

          佐野元春 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part.2

          佐野元春 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part 1

          Dear Mr.Songwriter Vol.19 僕がなぜロンドンに行って彼らと一緒にやったかっていうと、彼らに本場仕込みのロックンロールを演奏してもらいたかったから行ったわけじゃない。僕は彼れらの、70年代初頭から現在まで生きのびてきた、そのサバイバルの意識が欲しかったんです。 ROCKIN'ON JAPAN Vol.25 1989 UKプロジェクトに向けて動き出して、初めにやったのは、『VISITORS』のレコーディングで知り合ったニューヨークの音楽関係者への接触

          佐野元春 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 Part 1

          佐野元春 1987-1988

          Dear Mr.Songwriter Vol.18 オリジナル•スタジオ•アルバムとしては6枚目にあたる『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』をリリースするまで、前作『Café Bohemia』から2年6ヶ月の期間がありました。 そこで今回は、『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』の制作に取り掛かるまでの期間は重要だと思うのでその過程を駆け足で遡っていきますね。 Café Bohemia Meeting 『Café Bohemia』リリースの少し前の1986年10月から1987年5月

          佐野元春 1987-1988

          佐野元春 The Heartland Session 1987➕

          Dear Mr.Songwriter Vol.17 今回は、1989年にロンドンのミュージシャンと作った『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』をリリースする前、アルバムとして形にはならなかった東京でのThe Heartlandとのレコーディングの音源(後に様々なコンピレーション盤に収録される)があるので、そこにスポットを当てていきます。 1.サンデーアフタヌーン Sunday Afternoon ブルーベルズ M.74 Rec.Date 1987 .5 元春がFM東京

          佐野元春 The Heartland Session 1987➕

          Dear Mr.Songwriter Vol.16

          佐野元春 with The Heartland HEARTLAND 「ライブ•ツアーは、自分たちの教室だった。」 と語ったのは、ザ•バンドのギタリスト、ロビー•ロバートソンだ。Survivalの意識。現実をどうにかやりくりして〈明日〉を肯定すること。この一文に触れたのは僕が15の時だった。 そんな時には、わからなかった意味も今は実感としてうけとめることができる。 〈明日〉に絶望することを恐れながらもなお、〈明日〉を肯定せざるを得ない理由、とはどこに?  僕にとってのライブ

          Dear Mr.Songwriter Vol.16

          Dear Mr.Songwriter Vol.15

          佐野元春 with The Heartland Café Bohemia Part 3 今回はアルバム『Café Bohemia』のB面とシングルB面曲、『ELECTRIC GARDEN #2』をまとめていきますね。 7.ヤングブラッズ Young Bloods M.64  1985年は国際青年年という事で、そのテーマ曲にもなりました。    そしてこの年の6月に行われた国際青年年記念のイベント"All Together Now"では、新しい世代の一員としてトリを

          Dear Mr.Songwriter Vol.15