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「基本の基」と「基本の気」(924)

よく「基本の基(き)」が大切などと言います。基本のキとも表記されることがありますが、その意味は「ものごとの手始め」ということになります。ものごとの基本をおろそかにすると、ある程度のところで伸び悩むことになってしまうということです。

さて、同様の発音ですが、「基本の気」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

ここで言う「気」とは、中国の道教や漢方医学での用語の一つであり、「不可視であり、流動的で運動し、作用をおこす」ものであり、さらには「万物を構成する要素」と言われることがあります。たとえば、のききめ(用)を説く気功では、「経絡に気がスムーズに流れていれば健康である。気が滞ると病気である」などと言います。

   [注] 経絡(けいらく)とは、気が流れる通路のこと。
      全身に12の代表的な経絡が有る。

このことから「基本の気」とは、「人の活力などの源となるとされる不可視かつ流動的な仮想の物体を理解し、大切にすること」だとわかります。あらためて順を追って記すと、次のようになります。

 ・人には基本の気が通っている(流れている)。

 ・基本となる気がスムーズに流れていると、健康でいられる。

 ・基本となる気が乱れると、様々な心身の不調、思い通りにいかない
  等の様々な問題が起こる。

ここで、「気の乱れ」とは人間関係や仕事上の問題などで気分が落ち込んでいることを意味します。いわば、実際には存在していないにもかかわらず、頭の中で迷い・妄想している状態です。実際には起こっていないというのは、頭の中(すなわち概念上)の情報がかき乱されている状態です。ドキドキしたり、ワクワクしたり、テンションが高まったりすること、それが気の迷い・気の滞りなのです。頭の中だけのはたらきということですね。結果として、何らかの心身の不調にあらわれてきます。たとえば、ストレスやうつの症状としてあらわれます。

では、基本の気がスムーズに流れるには(すなわち健康な状態にするには)、どのようにしていけばいいのでしょうか。それは、概念上・情報空間に乱れているものを整理して、現実の世界・物理空間に反映させていくことです。

この「概念上・情報空間に乱れているものを整理する」のは、鍛えることで整理できるようになります。その典型的な方法に、瞑想(たとえば、坐禅、マインドフルネス)や気功があります。(それらの具体的なやり方について、必要に応じて別の機会で述べることにします。)

瞑想などは、頭の中(概念上・情報空間) で乱れている様々な思いが、実際の現実の世界には無い(存在しない)ことを認識させてくれます。いわば、頭がスッキリする(基本の気が整う)のです。

このように、瞑想などによって基本となる気を整えていくと、スッキリした状態になり、様々な心身の不調を改善させることができるようになります。結果として、自分が良いと思う正しい人生を歩めるようになるのです。

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