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禅の考え方を、多くの人に分かってもらいたいと思っています。

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    2週間に一度記事をアップします。 禅の世界で言われる言葉には、含蓄のあるものが多くあります。そのような言葉をアップしていきます。

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生き方を極める

本書を読み進むにあたって、基本的なことがらを知っておくとよいものがあります。 まず、私たちが目の前にあるものを見聞きし感じ取っているものごとは、時間とともに変化…

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1年前
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大器晩成す #禅の言葉

仏法の大意を問うても、禅師は言葉では答えようとしない。どの禅師も同様だ。しかし、修行者は一つことに繰り返して探究することがある。そのような姿勢は評価が分かれるも…

TakHirao
2日前
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自律神経失調症とは(929)

活動する神経といわれる交感神経と休む神経といわれる副交感神経という二つの神経からなる自律神経は、体内の環境を整えるためのものです。過度のストレスや不規則な生活習…

TakHirao
2日前

5大疾病(しっぺい)の中の精神疾患 (928)

私達の周りで多く見られる疾病は、5つあることを知っているでしょうか。おそらく、「がん、脳卒中、糖尿病」くらいは言えるかと思います。実は、さらに「急性心筋梗塞、精…

TakHirao
9日前
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修行で何ができるようにするのか

禅寺の修行は、かなり厳しいものと言われています。いったい、何を求めようとしているのでしょうか。 禅の世界では厳しい修行を経て身に具えるべき自在のはたらきとして、…

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9日前
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悟る前と、悟った後 #禅の言葉

衆生を斉度しようとする菩薩の想いは、非常に気高い。禅の修行は、菩薩を目標とすべきだ。ただ、悟る前の状態は、あたかも瑠璃の器の中で栗餅をつくようなものだ。すなわち…

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2週間前

「心」「技」「体」のバランス(927)

世の中すべて、生かし生かされています。 ということは、ある一つのことだけが突出していても良くなく、互いにバランスが取れていて始めてうまくいくというものです。個々…

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2週間前
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すべての悩みは自らがつくっている

あなたは悩みを持っていますか。悩みをなくしたいと思いませんか。 私たちが生きていくうえで、避けて通れないのが人との関係です。人との関係は、いろいろな悩みや煩悩・…

TakHirao
2週間前
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体質改善の考え方(926)

体質改善については、いろいろなところで述べられています。今回は、わかりやすく6つのタイプに分けて述べてみたいと思います。(主として、漢方をベースに述べます。) な…

TakHirao
3週間前
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ひとの道を向上する

私たちは、人格向上のために多大なる努力をしています。ここに言う「向上」とはどのようなことを意味しているのかを、仏教の「仏向上」を例にして考えてみたいと思います。…

TakHirao
3週間前
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あれがいいか、これがいいか、などと考えるな #禅の言葉

あれがいいか、これがいいか、などと考えるのは妄想であり、恥をかくことになる。このことを、「百計経求(けいきゅう)一場の懡攞 (もら) 」(得たいと願ってはかりごとをし…

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1か月前

気の乱れが心身の不調につながる(925)

人の心身の不調は、何らかの部位の損傷や、精神的なバランスの崩れから起こります。要するに、人を構成する要素のどれかがバランスを崩すことで不健康になるのです。 人間…

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1か月前

「基本の基」と「基本の気」(924)

よく「基本の基(き)」が大切などと言います。基本のキとも表記されることがありますが、その意味は「ものごとの手始め」ということになります。ものごとの基本をおろそかに…

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1か月前
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「法」には色々な意味がある

法(ほう)と聞くと、私たちは法律・規則などと思い浮かべます。しかし、もともとは仏教の根本思想の一つであり、サンスクリット語のダルマdharmaの訳語です。dharma は他に…

TakHirao
1か月前
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真理をどう表現するか: 一円相 #禅の言葉

禅の世界では、悟りや仏性や真理や宇宙全体などを「○」のように、一つの円の形(一円相)で表現する。しかし、「人の空に描くが如き、筆を下せば即ち錯(あやま)る」(真理を…

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1か月前

本当に基本となる教え(923)

私達の生活は、「このようになっているのはどうしてか」「どうすればよいか」を考える繰り返しなのではないかと思っています。例を挙げて示すと、次のようになります。 1.…

TakHirao
1か月前
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固定された記事

生き方を極める

本書を読み進むにあたって、基本的なことがらを知っておくとよいものがあります。 まず、私たちが目の前にあるものを見聞きし感じ取っているものごとは、時間とともに変化しているということです。ものごとは変わっていき、恒常なるものは無いと実感できます。固定的な姿・形(相)が無い、あるいは固定的な実体が無いと言い換えてもいいでしょう。そのように、常なるものは無いということを、「無常」の真理と言います。 次に、私たちは目の前にあるものを見聞きし感じ取っていますが、それは「自分自身(自己)が

大器晩成す #禅の言葉

仏法の大意を問うても、禅師は言葉では答えようとしない。どの禅師も同様だ。しかし、修行者は一つことに繰り返して探究することがある。そのような姿勢は評価が分かれるものの、一つことを探究し続けると、最後はのんびりとしたあるがままの境地に至る。 大音(だいおん)は声希(ま)れに、大器は晩成す  仏法の大意というような大きな問題に聞き耳を立てる人は少ない。それでも命がけで仏法の大意を求めて修行する大器は後に大成する。あたかも「呆(ほう)を佯(いつわ)り」(阿呆面をしてとぼける)、慢㤆

自律神経失調症とは(929)

活動する神経といわれる交感神経と休む神経といわれる副交感神経という二つの神経からなる自律神経は、体内の環境を整えるためのものです。過度のストレスや不規則な生活習慣などによって交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、心身に不調・症状が現れます。それを「自律神経失調症」と言います。多くの場合、検査で明確な疾患異常が認められないにもかかわらず、各部位に痛さを感じたり、疲労感を感じたり、食欲不振に陥るなどの状態のことを指します。要するに、病名をつけられないときの慣用表現が、自律神経

5大疾病(しっぺい)の中の精神疾患 (928)

私達の周りで多く見られる疾病は、5つあることを知っているでしょうか。おそらく、「がん、脳卒中、糖尿病」くらいは言えるかと思います。実は、さらに「急性心筋梗塞、精神疾患」をプラスして「5大疾病」と呼んでいるのです。(精神疾患は後に追加されました。) これらは、「患者数が多く、死亡率が高いなど、緊急性が高いもの」などの基準で決められ、どの都道府県でも対応を検討する疾病ということです。 さて、患者数は何が最も多いのでしょうか。 実は、2017年の厚生労働省調査によると、精神疾患

修行で何ができるようにするのか

禅寺の修行は、かなり厳しいものと言われています。いったい、何を求めようとしているのでしょうか。 禅の世界では厳しい修行を経て身に具えるべき自在のはたらきとして、以下の七つをあげています。(種伝鈔という書に「七事随身」があり、茶道に適用された) ①大機大用(たいきだいゆう)   相手を見抜くはたらきの機と、    相手に対してはたらきかける用。並外れた巧みで大きな能力。 ②機弁迅速(きべんじんそく)   その場に応じて判断し、素早く説くこと。 ③語句妙霊(ごくみょうれい)

悟る前と、悟った後 #禅の言葉

衆生を斉度しようとする菩薩の想いは、非常に気高い。禅の修行は、菩薩を目標とすべきだ。ただ、悟る前の状態は、あたかも瑠璃の器の中で栗餅をつくようなものだ。すなわち、瑠璃の器の中では器を壊さないように栗餅を慎重につくので、まだまだ自由自在ではない。 人を驚かす浪(なみ)に入らずんば、意に称(かな)う魚に逢い難し  怒涛(いかり狂うような大波)に飛び込まなければ、目標とする思いの魚を取ることはできない。それができて初めて、悟りの境地に入れるというものだ。父母未生以前本来の面目を悟

「心」「技」「体」のバランス(927)

世の中すべて、生かし生かされています。 ということは、ある一つのことだけが突出していても良くなく、互いにバランスが取れていて始めてうまくいくというものです。個々人の身体も同様に、「心」「技」「体」がバランスが取れていることが重要なのです。 「心」は、感情が大きく揺れること無く平静でいることが重要です。 怒り、恐れ、喜び、悲しみ、焦りなど一時的な激しい感情は、生理的・身体的変化を引き起こします。自律神経の中の交感神経によって気持ちが高揚するのです。そのようになると、判断や分

すべての悩みは自らがつくっている

あなたは悩みを持っていますか。悩みをなくしたいと思いませんか。 私たちが生きていくうえで、避けて通れないのが人との関係です。人との関係は、いろいろな悩みや煩悩・妄想を生み出します。悩みや煩悩・妄想は、それが解決しない限り苦しみへと発展していきます。 ここで、よく考えてほしいのです。悩みや煩悩・妄想を生み出しているのは、誰なのかということです。それは、他人ではなく自分自身なのです。要するに、悩みだろうが何だろうが、一切は自分の心が造り出しているのです。 これを、「一切唯心

体質改善の考え方(926)

体質改善については、いろいろなところで述べられています。今回は、わかりやすく6つのタイプに分けて述べてみたいと思います。(主として、漢方をベースに述べます。) なにごとも、多すぎたり(過多、または巡りが悪い)、少なすぎたり(過少、または不足)するような極端な生活は褒められるものではありません。体質については、血液と血液以外の水分、および生の(生きる)エネルギー(気)の三分野で考えるとわかりやすくなります。 まずは、血液についてです。 血の巡りが悪くなると、身体の末端に栄

ひとの道を向上する

私たちは、人格向上のために多大なる努力をしています。ここに言う「向上」とはどのようなことを意味しているのかを、仏教の「仏向上」を例にして考えてみたいと思います。 まずは、「向上」とは、より上であることを意味します。それならば、「仏向上」は、仏より上であることを意味していることになります。 ここで「仏」とは、仏教の修行を通して至る理想者を意味していますから、「仏向上」とは、仏の境涯をも超えることを言うことになります。このことからわかるように、理想である仏より上を目指すわけで

あれがいいか、これがいいか、などと考えるな #禅の言葉

あれがいいか、これがいいか、などと考えるのは妄想であり、恥をかくことになる。このことを、「百計経求(けいきゅう)一場の懡攞 (もら) 」(得たいと願ってはかりごとをして求めるのは、その場での恥かきだ)と言う。 「仏祖」と聞くと、何か素晴らしい人、特別な存在だと思ってしまう。それが、「ああだこうだ」と考えていることだ。仏祖は特別なものでもなく、仏法であり身近にあるものだ。けれども、それを言葉で説明することはできない。そのことを、「超仏越祖の談」(仏祖をも超えた境地)と言う。

気の乱れが心身の不調につながる(925)

人の心身の不調は、何らかの部位の損傷や、精神的なバランスの崩れから起こります。要するに、人を構成する要素のどれかがバランスを崩すことで不健康になるのです。 人間の身体は、地(堅固)・水(湿性)・火(煖性)・風(動性)の4つから成り立つ、と仏教では記しています。その詳細は別の機会に譲り、今回は東洋医学の3つの要素から成る説について述べてみたいと思います。その3つとは、  「気(き)」:生命活動を営むエネルギー。血や水を動かす。  「血(けつ)」:体内にある赤い液体、いわゆる

「基本の基」と「基本の気」(924)

よく「基本の基(き)」が大切などと言います。基本のキとも表記されることがありますが、その意味は「ものごとの手始め」ということになります。ものごとの基本をおろそかにすると、ある程度のところで伸び悩むことになってしまうということです。 さて、同様の発音ですが、「基本の気」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 ここで言う「気」とは、中国の道教や漢方医学での用語の一つであり、「不可視であり、流動的で運動し、作用をおこす」ものであり、さらには「万物を構成する要素」と言われること

「法」には色々な意味がある

法(ほう)と聞くと、私たちは法律・規則などと思い浮かべます。しかし、もともとは仏教の根本思想の一つであり、サンスクリット語のダルマdharmaの訳語です。dharma は他にも達摩・曇摩(どんま)などの訳もあります。 平たく言うと「法」は、法則・性質・教・真理などの意味と、仏道修行というような道の意味と、ダルマによって支えられる一切の事象をも意味すると考えればいいでしょう。たとえば事象とは、人間の身体を含む物質、人間が受け取る感覚、感覚で受け取ったものを概念化(想起)したも

真理をどう表現するか: 一円相 #禅の言葉

禅の世界では、悟りや仏性や真理や宇宙全体などを「○」のように、一つの円の形(一円相)で表現する。しかし、「人の空に描くが如き、筆を下せば即ち錯(あやま)る」(真理を描こうとしても、描くことなぞできない)とも言われている。ただただ円相を見て、それが何を意図するものかを追求するしかない。 禅の問答では、師は言葉で返答するのではなく、言動で答えることがある。 例えば、地面に文字を書くのも、その一つである。 十字  十の字は十分(完全)を表わす。 右回りに一周する円は十分の意。

本当に基本となる教え(923)

私達の生活は、「このようになっているのはどうしてか」「どうすればよいか」を考える繰り返しなのではないかと思っています。例を挙げて示すと、次のようになります。 1. 現在を眺めると、次にどうなればいいかという目標を考えるようになる。   ビシネスの世界では、何年後かにどのようになりたいかというビジョン   を考える。 2. どのようになるかという目標に対して、現時点の状況はどうなっているか  という原因を分析する。   ビジネスの世界では、目標に対して現状を分析すること