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ひとの道を向上する

私たちは、人格向上のために多大なる努力をしています。ここに言う「向上」とはどのようなことを意味しているのかを、仏教の「仏向上」を例にして考えてみたいと思います。

まずは、「向上」とは、より上であることを意味します。それならば、「仏向上」は、仏より上であることを意味していることになります。

ここで「仏」とは、仏教の修行を通して至る理想者を意味していますから、「仏向上」とは、仏の境涯をも超えることを言うことになります。このことからわかるように、理想である仏より上を目指すわけです。理想の仏より上ということは、すでに理想に達してもさらに上を目指すということです。したがって、修行をして理想に達しても、さらにどこまでも継続して上を目指していくことになります。要するに、無限に上を目指していくことになるわけです。なかなか、大変なことですが、向上という言葉にはそのような意味があるということです。

参考までに、もう一つ「仏向上(の)事」を補足しておきましょう。仏向上をする事ですから、仏を目指し、そこに達しても、淡々として日常生活を送っていく事を示すことになります。簡単に言うと、仏向上の修行・努力を死ぬまで続けて行くこととなります。

ここのところを、道元の『正法眼蔵』で記載していますが、その要点を示すと、次のようになります。

 ・とは、真理を体験した人。本来の自己の面目を覚った人。大悟の人。
  真理を体得した後もさらにそのことを意識せず、
  日々向上の努力を続けて淡々と生きていく人間のこと。

 ・仏向上人とは、真理を体得した後も日々向上に努力していく人のこと。
  そしてそのような努力の事態を仏向上事という。

非常に大切なこととして、「真実を得た後も常に真実に沿って日常生活を一所懸命に送っていく」があるのです。それが仏道の極意(関捩子<かんれいす>と言う)なのです。他者から「あの人は大悟してすごい人だ」などと思われることなど、どうでもいいのです。むしろ、悟り切ったなどと思われない方がいいのです。

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