自律神経失調症とは(929)
活動する神経といわれる交感神経と休む神経といわれる副交感神経という二つの神経からなる自律神経は、体内の環境を整えるためのものです。過度のストレスや不規則な生活習慣などによって交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、心身に不調・症状が現れます。それを「自律神経失調症」と言います。多くの場合、検査で明確な疾患異常が認められないにもかかわらず、各部位に痛さを感じたり、疲労感を感じたり、食欲不振に陥るなどの状態のことを指します。要するに、病名をつけられないときの慣用表現が、自律神経失調症なのです。
自律神経失調症には、主に、心の不調を引き起こす過敏反応タイプと、体の不調を引き起こす過剰適応タイプがあります。
【過敏反応タイプ】 メンタル面での不調(やる気のなさ、慢性疲労、不安感、イライラ)となって出てくる。
ささいな出来事や人間関係に強く反応し、疑い深くなってくる。
私はダメだと思ったり、あいつは良くないなどと思ってしまう。
「0か100}の極端な見方をする。
「〜すべき」という思い込みが強い。
[対策例] ダメだとか良くないと思う場合、
「でもこれは良いと思う」という部分を見つけるようにする。
「自分せいだ」と責めずに、「失敗することもある」と、
柔軟な考え方をしていく。
リラックスできる食事や趣味などに目を向ける。
【過剰適応タイプ】 身体面での不調(胃炎、胃潰瘍など多岐にわたる)となって出てくる。
完璧を目指したり、目標達成重視のために頑張りすぎてしまう。
自分はストレスに強いと思い込んでいる。
[対策例] 自省して、「ありのままの自分でいいのだ」と思うようにする。
極端に高すぎる目標を持つのではなく、
能力に見合う適正レベルにする。
自分の体力を過信せずに、最低限の休みを取る習慣を作る。
周囲の目を気にしすぎずに、
自然のままで良いと思うようにする。
人間は自分の能力を大きく超えた働きはできないものです。その意味で、自分の能力向上は大切にしながらも、現時点の自分の能力レベルを把握するのがいいでしょう。しっかり把握できれば、「ありのままの自分でいいのだ」と割り切ることができるようになります。
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