❨922❩1974.3.8.金.晴/<想>もう旅は終わるのだ/バンコク:タイ
昨夜は周囲が騒がしく、2時近くまで眠れなかった。
夜の町を歩くと、レストランでいい匂いがしていた。
けさは7時に起き、日本大使館へ行く。
郊外の立派な建物だった。一通の手紙が来ていた。
遂に、文無し。一銭も無くなった。
ハテ、どうするか?
夕方、サッカー場で40分程、補強する。
<想>
土地が変る、人間も、気候も、次々と変わる。
そのめまぐるしい変化の中で、俺の頭は少しーーだけだろうか?ーー混同している。
土地 ・風俗のめずらしさ、面白さも、疲れの中に、刺激も薄い。
もったいない程に・・・。
もう旅は終わるのだ。
今、あの現実の世界ーー日本ーーへ帰って行く。
あんなゴミゴミした、コセコセした国の、どこが良いのか?
俺が生まれた国である事、数人の懐かしい人がいるという事以外、分からない。
でも、やっぱり良いから帰るのだ。理由なんか要らない。
長い旅の疲れの中から、自分の国が、その疲れを癒してくれそうな気がする。
俺も「坊っちゃん」だろうか?
「島ベンケイ」が2年半を終え、新しい感覚をみやげに、37平方kmの島へ帰って行く。
また次の夢が始まる。
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