酒井崇匡(Takamasa Sakai)

マーケッターで研究員。書いてることはただの私見です。

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最近の記事

Xデーは2030年? エルダーが日本最大の労働力になる日(雇用ピラミッドの大逆転を予測してみる)

雇用者版の人口ピラミッドを作ってみる皆さん人口ピラミッドのグラフはきっと一度はご覧になったことがあると思う。国勢調査などの統計を元に、日本の総人口を男女別に年齢毎の横棒グラフにしたものだ。少子高齢化や社会保障の議論の際によく登場するが、これは(当たり前だが)男女問わず日本人すべてを対象としたピラミッドなので、周囲にエルダー、シニアがいない人たちにとってはいまいち実感のしにくい部分がある。 日々の生活への影響ということで言えば、働いている職場の中での年齢構成、つまり雇用者の年

    • Adoの「うっせぇわ」は一体何に怒っているのか ~尾崎豊「15の夜」発売40年目の夜に捧げる比較分析~

      40年前の今日、1983年12月1日に尾崎豊さんのデビューシングル『15の夜』が発売された。未だ歌い継がれるこの名曲の歌詞で最も広く知られているのはサビのこの一節であろう。 ちなみに尾崎豊の兄、康さんは直近のNHKからの取材で「当時高校生だった弟が、自分が大切にしていたバイクを勝手に使って壁に衝突し、廃車にしてしまった」というエピソードを披露されている。このインタビューも大変面白いのでご興味があればぜひ御覧いただきたい。 また、尾崎豊の代表曲の一つ、『卒業』には下記のよく知

      • 「高齢議員は日本より米国の方がむしろ多い」という絶望、そして「若者の投票率が低すぎる」という希望

        頻繁に老害呼ばわりされる日本の政治家 今日は2023統一地方選後期日程の投票日前日なので、選挙にまつわる話をしてみたい。 最近のこのnoteでは「老害」という言葉の実態とその問題点を指摘する記事を投稿し続けている(記事①、②)が、 この「老害」という言葉がメディアに踊る機会は高齢の、特に70~80代の政治家に関連する場合が非常に多い。 識者の中には「高齢の政治家が実権を握り続けていることが日本の停滞の元凶で、彼らは自主的に引退すべきだ。75歳定年のカナダ上院のように年齢制限

        • キングオブ老害世代になるのが確定的な40歳前後の人々は、誰から、何を学ぶべきなのか?

          大反響だった前回記事前回の記事、「老害」を人口視点で分析したら、今の40歳がキングオブ老害世代だと判明したは、各所で反響を頂いた。 それなりに準備をして書いた記事だったので、賛同であれ批判であれ、反響は素直に嬉しい。今回は、そこで得た気づきなど含め書いていきたい。 念のため、前回記事の前半の内容を簡単に触れると、 人口動態の視点から、「老害」という問題を ”エルダーの人口ボリュームが若い世代を大幅に上回っている状態 (その結果、供給サイド、需要サイド共にエルダーが幅を利か

        Xデーは2030年? エルダーが日本最大の労働力になる日(雇用ピラミッドの大逆転を予測してみる)

          「老害」を人口視点で分析したら、今の40歳がキングオブ老害世代だと判明した

          「老害」の変化「老害」という言葉や関連した議論をよく耳にするようになった。 以前は高齢の政治家が不適切な発言をした場合によく使われる言葉だったが、最近の論調では対象となる年代が70代以上のシニア層だけでなく50~60代のエルダー層に拡大しており、より広い分野で一般的に使われる言葉になっている。(ちなみにGoogleTrendでの「老害」検索ボリュームも上昇傾向。) 使用される文脈も徐々に変わりつつある。以前のような”個別の発言や行動”が問題視されている状態では、エルダーにも

          「老害」を人口視点で分析したら、今の40歳がキングオブ老害世代だと判明した

          Chat GPTはオカンの忘れたものを言い当てられるか (ミルクボーイのネタでその実力を検証してみた)

          2023年最初のテクノロジー界隈の大ヒットトレンドといえば、Chat GPTで決まりであろう。OpneAIの作った賢すぎると話題のAIチャットボットだ。あまりにも賢いので、「人間の仕事をいよいよ奪うのではないか。」というような反応も各所で聞こえる。 果たしてそうなのだろうか。 「Chat GPTはどこまで人間の代わりができるのか」 この問いをミルクボーイのネタで検証してみたい。 ミルクボーイをご存知でない方に軽くご説明すると、 吉本興業大阪本部に所属する、 ボケ担当の駒場孝

          Chat GPTはオカンの忘れたものを言い当てられるか (ミルクボーイのネタでその実力を検証してみた)

          終了から5年、スマスマが子供番組の仮面を被って復活した(Eテレ新番組『ワルイコあつまれ』速報)

          今朝NHKのEテレで突如として始まった、新しい地図(稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾)の元SMAP3人が出演する新番組『ワルイコあつまれ』。朝の育児中に遭遇して全部見てしまった。あやうく保育園に遅れるところだった。 めちゃくちゃおもしろかったので、本日19時25分~の再放送を見る方々の予習になるように、ここでネタバレを極力控えめに気づきを書いておこうと思う。(NHKサイトにある程度の情報は載っています。) https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/ori

          終了から5年、スマスマが子供番組の仮面を被って復活した(Eテレ新番組『ワルイコあつまれ』速報)

          コバエ注意報がGoogleトレンドで発令されているんだ(ここからの2週間が山場?)

          どうでもいいと言われるとそれまでなのだが、気づいちゃったのでお知らせまでに。先日、Think with Googleで以下の記事が掲載された。 6月~7月上旬のGoogle トレンドのデータをもとに、新しく生まれたニーズや生活習慣について考察された記事で、興味深く拝読した。ただ、6月以降、需要が高まっているものとして挙がっているのは、ランチ、キャンピングカー、別荘、エコバッグなど。なんとなく「だよね」感が強いというか、個人的には予想の範囲内のものが多かった。 昨今の状況に

          コバエ注意報がGoogleトレンドで発令されているんだ(ここからの2週間が山場?)

          おじさんのリモート体験が未来の大量離職を防止する(コロナ後の変化を考えたらAKIRA以上にSFな現実が見えてきたんだ)

          変化は一度、地中に潜り見えなくなるコロナ渦の影響がいよいよ東京でも本格化してきた。 世界中の大都市に住む人々が、 「在宅せよ」 という超シンプルな命令を突きつけられている。 疾患としてのコロナの被害の甚大さは今更語るまでもない。 ただ、後からこの災害を振り返った時に人々の共体験となるのはコロナそのものよりも、この強制在宅状態のはずだ。 最低でも数週間は続きそうなこのイベントは、僕たちの社会にどんな不可逆な変化をもたらすのだろうか。 「不要不急の外出」の制限による経済的な悪

          おじさんのリモート体験が未来の大量離職を防止する(コロナ後の変化を考えたらAKIRA以上にSFな現実が見えてきたんだ)

          『お金は銀行に預けるな』を信じた人の末路  (勝間和代さんのヒット本に10年越しの書評を書いてみたんだ。)

          ちょうど10年前の今日、2007年11月16日に、勝間和代さんの『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』という新書が出版された。 資産を銀行預金の形でしか持っていないことのリスクと、分散投資のための基礎的な金融リテラシーを分かりやすく解説した入門書だ。 勝間さんのおそらく最初のベストセラーで、この本のヒットもあって勝間さんは一躍、時の人として様々なメディアに登場することになり、勝間信者が増殖した。 きっと、この本をきっかけに投資を始めた人も多かったのではないかと思

          『お金は銀行に預けるな』を信じた人の末路  (勝間和代さんのヒット本に10年越しの書評を書いてみたんだ。)

          山尾議員に関する報道を見て、思い出した“実験”があるんだ。

          山尾議員の一連の報道を見ていて、ふと思い出したんだけれど。 学生時代にご厚意で出入りさせて貰っていた社会言語学の飯野公一先生のゼミで、こんな実験をしたことがあった。 参加者に対して説明した表向きのプロセスは以下の通り。 1.ゼミ生をA,B2グループに分け、それぞれ別のWeb上の掲示板に誘導する。 2.それぞれの掲示板で、「履修した単位の評価は絶対評価が良いか、相対評価が良いか」について自由に議論してもらう。事前アンケートを基に、各グループには絶対評価派と相対評価派がバランス

          山尾議員に関する報道を見て、思い出した“実験”があるんだ。

          男と女、どっちがバカか、調べてみたんだ。

          会話の中で、「ほんと男ってバカよね~」とか、「女はやっぱりバカだなぁ」という発言が出てくることは、昔からよくあると思う。(同性同士で話している場合は盛り上がるかもしれないが、男女両方いた場合は、たいてい小さな男女間対立を生んで会話は終わる。) 僕は実際どうなのかよく分からなくて、「きっと男も女も同じくらいバカなんだろうなぁ。」と漠然と思っていたけれど、そろそろこの不毛な議論に終止符を打つべきなのではないかと思う。なので、男と女、どっちがバカか調べてみることにした。 さ

          男と女、どっちがバカか、調べてみたんだ。

          「めちゃくちゃ美味い店」には二度と行かないようにしてるんだ

          ごく稀にではあるけれど、なんじゃこりゃ!!!と思わず唸るほど「めちゃくちゃ美味い店」に行き当たることがある。 それは頑固おやじがやってる蕎麦屋だったり、海外の名の知れた店だったり、地方の駅前にひっそり佇む店だったり色々なんだけれど、その店の名物料理を一口食べた時の驚きは何にも例えがたい。 でも、僕はそういう店に行き当たった場合、やむを得ない理由でもない限りは、二度とその店に近づかないようにしている。もちろん、あの味食べたさについ足が向くこともあるけれど、大抵の場合、後悔する

          「めちゃくちゃ美味い店」には二度と行かないようにしてるんだ