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夜鷹

若々しさとか色艶とか
或いは生々しいあれやこれや
そんな類のものをこれまでずっと
生きる為の手段にしてきた女なのだろう

時の経過が全てを水泡に帰すことは
はじめから想像できたはずなのに
見誤ったのだ、間違いなく
気の毒だけど仕方ない

ビキニ環礁での出来事にしたって
大きな計算違いが招いたことと聞いた
後の者たちが何かを学んだのなら
犠牲者も報われるのだろうが

かつては花魁と呼ばれた女が
夜鷹となり、鼻が落ちて
終いには無縁仏に入る

こんなにわかり易い話は中々あるまい
夜鷹のステレオタイプのような女と
ひょんなきっかけで出逢ったなら
犠牲者となってもそれが人生
ならないのもまた人生




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