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赤ベロベロの醤油漬け

落語「棒鱈」を聞きながらかっくらいたい。そんな一席。

料理屋にて、むさ苦しくも男2人だけで酒を飲んでおりましたところ、なにやら隣の部屋から芸者と侍のきゃっきゃうふふが聞こえて参ります。

ちくしょう。なんて耳を澄ましてみると、呪文のような言葉が飛び交っておりました。

◇◇◇◇

(落語 棒鱈より抜粋)

芸者:「旦那の好きなものは何でしたっけ?」

侍:「わしの好きなものは、えぼえぼ坊主のそ(酢)っぱ漬け、赤ベロベロの醤油漬けたい」

◇◇◇◇

赤ベロベロの醤油漬け。翻訳いたしますと「マグロの醤油漬け」。

この他にもマグロのサスムとタコのサンビイスなどと、すんごいのがつづくのがこの噺のおもしろいところ。

さて、本日はこの話にも登場いたします「赤ベロベロの醤油漬け」を、醤油麦麹をつかって仕込んで参りましょう。

赤ベロベロ(マグロ)に、醤油麦麹。その他調味料や薬味をご用意ください。

材料

マグロ(ブツでもネギトロでも可) お好みの量
お好みで卵の黄身 
お好みで薬味(大葉、ねぎ、山葵など。柑橘の皮もいいかも。)
お好みでごま

●合わせタレ●
※これをベースに量を調整してください
醤油麦麹 スプーン2
砂糖 1つまみくらい(甘すぎない程度)
ごま油 スプーン1
コチュジャン スプーン0.5
ニンニク 半欠け〜1欠

作り方

1、合わせダレを仕込む(主役は醤油麦麹DESU!!)

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ここでの主役は醤油麦麹。他の調味料が俺が俺がとなりすぎると、喧嘩ですね。バランスが崩れた赤ベロベロができ上がっちゃうのでご注意を!
イメージでいうと砂糖とコチュで、コクや奥行きをだす。ごま油はいれすぎるとオイリーだけど、適量だと赤ベロベロの良さを引き立たせてくれる。
ニンニクは、旨味をグッとひき出す役割。

2、赤ベロベロと所帯を持つ(夫婦円満のコツはパワーバランス

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ここで赤ベロベロ(マグロ)と合わせダレを合わせます。少し馴染ませれば、赤ベロベロの醤油漬けが出来上がり。
ここでの注意点は、タレが割と古風な亭主関白になりがちなこと。だから最初から一気に合わせないでください合わせるときは現代風にお互いのパワーバランスが一緒になるようにしてあげると、より美味しくなります。

3、あなたのお好きな赤ベロベロを

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私は、ごはんに赤ベロベロの醤油漬け。その上に卵の黄身と大葉、ごまを散らしていただきました。

以上。

今日のツボ
・赤ベロベロの醤油漬けとは「マグロの醤油漬けのこと」
・タレの主役は醤油麦麹
・合わせるときはパワーバランスを大切に。

数年前に落語にどハマりいたしまして、それからは寄席やら独演会に赴き、友人や職場の同僚に落語の良さを語る日々。

なんの需要があるのさ!と笑っちゃうくらいの布教活動をしておりましたね。

私のこの独特なアクを生み出しております要因は、間違いなく落語と寅さんの影響が大きいかと。

もちろん噺もそうですが、出囃子からはじまり、枕、さげ、上方と江戸落語の違いなどと、話はつきません。もっとあるから、本当は話したいんですがね。

やっぱり止そう、また夢になるといけねぇや。

お後がよろしいようで。
(芝浜の一節を拝借。)

食べたいものをつくる人 高橋 拝。

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