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シェルに学んだシナリオプランニングの奥義③:経営層が参加しない時のワークショップの進め方とは

読書ノート(103日目)
さて、本日もこちらの本を
紹介してみます。

シナリオプランニングは
VUCA時代で未来は予測できないものの
想定できるシナリオを複数考えることで
事前に備えておこう
、というそんな手法

今日はシナリオプランニングを
進める際の「プランナー役」の仕事
のうちワークショップの事前準備
経営層からリスク要素のテーマの指示がなく
社内シナリオチームが自分たちで
リスク要素のテーマを考える
必要があるとき
のワークショップの進め方の紹介です。

シナリオプランニングのワークショップでは
まずは不確実性×影響度の2軸マップを用意し
経営層インタビューなどから
①シナリオプランニングへの経営層の期待
②自社が考慮すべきリスク要素の収集

をすることがプランナーの役割でした。

そして、①「経営層の期待」は左下に記載し
②リスク要素はポストイットに1つずつ書き出す。
ワークショップを通じて、経営層の方々が
主役となって以下のようなイメージを作れるよう
プランナー側はファシリテートに専念する。
(2軸とポストイットのイメージはこちら)

でも、そもそも
その経営層インタビューなどを通じて
どうやって経営層の期待や
リスクを収集するのか?その質問例は?

また、自分たちでシナリオプランニングを
するなら、どのような進め方があるのか?
ということを今回は掘り下げてみます。

・社長に将来への期待や懸念を聞く場合、
 自分の内面を振り替えなければ答えられない質問が良い
 (質問例)
・「〇〇さんが、若い時から今までのお仕事で、
  最も印象に残っているのは、どんな仕事でしたか?」
・「あれば、うまくいかなかったなぁ、と後悔が残っているお仕事は、
  どのようなことが思い浮かびますか?」
・「会社はきっと永続します。20年先の御社は、
  どんな企業になっているべきでしょうか?」
 (もし話すうちに多少親密な雰囲気が出てきたら…)
・「社長は10年先には、きっと引退をしています。
  後続社長に、どんなことをやったリーダーとして思い出して
  もらいたいでしょうか?」

■ここからは、事前に十分な時間が取れず、経営層に丁寧な
 ヒアリングができない場合や、経営層からテーマが与えられず、
 社内シナリオチームが自らテーマを探す場合の進め方

・クライアントの現状認識を探るため
 「現状を見つめる(Natural agenda)」
 経営戦略に関わるスタッフ5-6名を集めた小グループや、
 内輪の関係者のみで実施する。
 ※「Natural agenda」の文章は以下で紹介します

・自由闊達な心持ちで、めいめいの考える懸念事項を
 1人につき5つ以上、黒いマジックペンでポストイットに書く
・そして、懸念事項1つにつき1枚のカードに10字以内の短文で書き込む
ファシリテーターは全てのカードを「真」として受取り、否定しない
 参加者の自由な発想力を妨げないことが大切
・メンバーは画面上のカードに対して、
 「それはなぜ起こるのですか?」「その次は何が起こるのですか」
 の2つの質問のみが許される
・聞きなれない発想について「そんなこと、あるはずがない」と
 即却下をしない
・次第にディスカッションが深化していくうちに、
 提出されたカード全体の約半分が却下されていく
・その後、1人5枚ずつ出てきたカードをテーマ別に
 クラスタリングしてまとめてみる
・その後、2軸マップにてそれぞれを配置して、全員の合意を取る
・その際の2軸は「影響度」×「不確実性」ではなく
 「長期的に重要」×「今、手持ち情報が薄い」に替えておく
・その後、右上に位置する「重要だが情報不足のリスク要素」について
 追加調査や追加分析をしていく

前回まではシナリオプランニングは
経営層の参加(特に社長のイニチアチブ)が
必須とのイメージでしたが、
今回は自分たちで進めていく場合を
想定した内容でした。

ワークショップでメンバーに質問をする
核となる「Natural agenda」については
こちらです。

今回はシナリオプランニングのお題が
10年後を見据えた中計作成であり、
この本の出版が2022年なので、
以下のような文章に
なっているのだと思います。

このNatural agendaは一読すると
考えさせられる深みのある文章ですが、
参加メンバーに考えて欲しい、
伝えたい大切なエッセンスって何だろう…?
とふと、気になりました。

これは個人的な見解ですが…
まずは今回ターゲットとする2030年について
・会社が存続し発展している未来を想像し
・その未来で起きた懸念点やチャンスを洗い出し
・想定された懸念点やチャンスに対し、
 来年、自分たちは何をすべきかを考えてみる

と、こんな感じでしょうか。

シナリオプランニングって
実際に自分たちで体験してみないと
実感が湧きにくいのも事実ですが…
何とか400ページ以上ある本書を
読み解きながら、お試しで実践できる
レベルまで解像度を上げていきたいと思います。

次回以降は、
・アプローチとフレームワークの選択
・ファシリテーションの技術
あたりを紹介予定です。

それではまたー!😉

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