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採用広報は、「求職者の誤解を解く」から考えると上手くいくって話。

オープニング

自分の中で一番いやなことは何かと問われると、僕は「誤解されること」を挙げます。

自分では全然そんなつもりはなくても、人から悪く受け取られる、別の意味で受け取られるというのは、非常にもったいないことでもあり、悲しいことでもあり、残念なことでもあります。僕はあまり人からどう思われるかを気にせず、それよりも自分はどうありたいかを大事にして生きてきました。その結果、誤解によって失ってきたものは結構あります。誤解のない人生こそ、自分らしく生きやすい人生ではないでしょうか。

こんにちは、採用コピーライターのオヤマダです。

今回も採用広報が上手くいくための話なのですが、行動を起こす前の心構えとして、タイトルにあるように「求職者の誤解を解く」というところから考えていくと上手くいくよって話の理由をお話ししていきます。
 

女子大生の話

まずは、次の文章を読んでみてください。

【文章A】
女子大生が、夜、キャバクラで、バイトをしている。

続いて、こちらの文章を読んでみてください。

【文章B】
キャバ嬢が、昼間、大学に通って、勉強している。

【A】と【B】の文章を読んでみて、どのような感情を抱きましたか?

多くの人が【A】を読むと「最近の若い者はそんなにお金を稼ぎたいのか」のように思って少しムッという感じになりそうですよね。一般論の話です。職業差別の意志はありません。

一方、【B】を読むと「偉いじゃないか」といった感情が湧いてきて、好意的な印象を抱いたりしませんでしたか。

【A】も、【B】も、同じ人間のことを言っています。別の伝えかたをしただけです。にもかかわらず、文章を読んだときに抱く印象は違ってくる。それはなぜでしょうか。

これは脳の働きが関係しています。

人間の脳は、五感から入ってくる膨大な情報を処理するために、情報にラベリングをします。早い話がよく聞く話ならば、「これはよく聞く話」とラベリングをして理解のショートカットを行なうわけです。【A】の場合、「女子大生がブランド物とかを買いたいがために手っ取り早くお金を稼ぐためにキャバクラで働く」という「よく聞く話」なんだろうな今回のコレも、と勝手に判断してしまいます。

しかし、実際にはひと言も、「ブランド物とかを買いたいがために手っ取り早くお金を稼ぐ」なんて話はしていません。にもかかわらず、そういう系の話だろうと思ってしまう。ここに誤解が生まれる仕組みがあるわけです。

実は、採用におけるコミュニケーションにも同様の誤解が発生しています。「建設会社はこわいオッサンばかり」「アットホームな職場と書かれている会社はブラック企業」「広告系の会社はウェーイな人しかいない」などなど、ネットに書かれている情報や知り合いから聞いた話から、業界や職業に「先入観」を持ってしまったがゆえに、情報にラベリングをして、事実ではないのに「ここもそういう会社・仕事」と誤解してしまう。

そんなコミュニケーションの誤解は、就職活動や転職活動のいたるところに存在しているのです。

で、

記事タイトルの伏線回収になるのですが、採用広報とは「求職者の誤解を解く」から考えると上手くいくって話になります。
 

誤解を解く女子大生の話

さきほどの女子大生の話に追加情報を付け加えました。

【文章C】
母子家庭で育った女子大生A子は、病気で倒れた母親の入院費と妹の学費を稼ぐために、夜、キャバクラでバイトをしている。

前の文章を読み比べてみましょう。

【文章A】
女子大生が、夜、キャバクラで、バイトをしている。

追加情報が加わったことで、文章から感じる印象が変わったと思います。そのうえで【A】を読み直してみると、「なんだ、そういう事情があったのか」と思い、さきほど読んだ時のような印象は抱かなかったのではないでしょうか。

採用広報に必要なのは、コレなのです。

求人票や求人広告、コーポレートサイトに書かれている情報だけでは、読み手である求職者が持っている先入観によって生じてしまう誤解を発生させることなく、会社や仕事本来の魅力が伝わるようにする。そのために必要な適切な情報提供が、採用広報であるべきなのです。

次に、女子大生の話を例に挙げて、採用広報で求められる情報をどう考えていくか追っていきましょう。

【文章A】
女子大生が、夜、キャバクラで、バイトをしている。

まず、【A】の情報だけでは、「女子大生がブランド物とかを買いたいがために手っ取り早くお金を稼ぐためにキャバクラで働く」という「よく聞く話」によって、今回もそういう話なんだろうと誤解される可能性が考えられました。

その誤解を解くためには「追加でどういう情報提供をすればいいのか?」を考えます。

すると、「なぜ、この女子大生がキャバクラで働いているのか」という背景と、「キャバクラで稼いだお金を何に使っているのか」というお金の使用目的を伝えれば誤解が解けるということが見えてきます。

で、

【文章C】
母子家庭で育った女子大生A子は、病気で倒れた母親の入院費と妹の学費を稼ぐために、夜、キャバクラでバイトをしている。

こうなったわけです。

「誤解を解く」という方向で「採用広報に必要な情報は何か?」を考えていくと、ネタに困らないですし、真の意味で採用結果に直結する採用広報ができると思いますよ。
 

さいごに

話は以上です。
今回の記事で僕が伝えたかったことは、

①ストレートに伝えても、受け手によって「誤解」は生まれる
②採用コミュニケーションは誤解が生まれやすい環境にある
③採用課題は、「誤解を解く」を軸に考えると良い

ということでした。

この記事が、採用広報のお役に立てれば幸いです。御社の採用活動が上手くいくことを願っております。

あと、採用広報が上手くいく記事をいろいろ書いているので、こちらも参考にしていただけると嬉しいです。

キャバクラに行きたいです。

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