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どうして若い社員はすぐ会社辞めるの?〜「大退職時代」の若者の本音〜

世界で「数十年に1回の大規模な人材移動」が起きている状態を「大退職時代(グレート・レジグネーション)」と表します。名付け親はテキサスA&M大学准教授で経営学を専門とするアンソニー・クロッツ氏です。

◆「大退職」はZ世代とミレニアル世代に見られる

そんな「大退職」の傾向は、特に若い世代とされるZ世代とミレニアル世代に見られるということを、LinkedInのCEOのロスランスキー氏も述べたようです。

>「大退職」は「大改造」でもある…Z世代とミレニアル世代の多くが働き方を再考

◆働く悩みの流れは3年おきに移り変わる

退職の段階から転職や働き方の相談に乗っている現場からしても、この傾向は実感がありす。そこでは、「そもそもなんで働くんだっけ。この会社で」という話になることが多いです。いわば「働くwhy」です。「大退職時代」に入って、転職の考え方はwhyから問い直すことが増えています。働く悩みは大きく分けると3つです。

●why:なぜ働くのか
●what:何を仕事にするのか、誰と働くのか
●how:どう働くのか

いまはこのwhyの時期なのでしょう。この3つはぐるぐる回るサイクルのようなもので、だいたい3年おきくらいに変わるかな、という印象です。

◆ずっと「会社辞めたい」と悩む人の転職の特徴

若い世代にとって、働くことは絶対的な価値観でも生き方でもないため、whyに悩む人は多いです。就活セミナーで講師をした時に出た質問で「働かないといけないんですか?」と聞かれることは、そう珍しくありませんでした。

この働くwhyの悩みは会社や上司に話しづらいんですよね。「何でも話していいよ」と言われた1on1や評価面談で正直に悩みを吐露したら叱られた、なんて話はよくあります。「会社辞めるか」テンションが爆上がりです。

「働き方改革」と言われて久しいわけですが、働き方、つまり働くhowを問い直したい人の根本的な悩みは「そもそもなぜ働くのか=why」であったり、「どんな仕事をするのか=what」であることがほとんどです。

個人の「働き方改革」でいうと、転職という形をとります。いまの会社を変えるよりも、自分から違う会社に行った方が早いと考えます。

このときに転職希望者は分かれ道に立たされます。転職だけうまくいって、また「会社辞めたい」と悩む人の道。転職後もうまくいって、「会社辞めたいときもあったな」と懐かしむ人。

この違いはどこにあるかというと、働くwhyとwhatから問い直して転職というhowを実行した人です。そう考えると、いまはwhyから考え直す人が多い傾向にあるということなので、「会社辞めたい」と思いながら働く人は減るかもしれません。

◆退職者の本音は、職場改善やマネジメントのための生データ

会社も上司も、働くwhyから付き合う時間が増えれば若手社員のびっくり退職やドミノ退職が防げます。「1on1や雑談の時間増やしてるのに退職が増えるのはどうして?」と思ったら、話している内容がwhy、what、howのどれなのかを見直すことをおすすめします。whyに付き合っていないことがほとんどです。

退職は社員の本音が出ます。いわば、退職はどろっとした人間の本性を目撃する瞬間です。職場改善やマネジメントのための生データです。マネジメントや人事の方は、ぜひ退職を活用してみてください。

「退職学™️」・佐野創太

〜CM入りますよ〜
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●最新ニュース
2021年1月に出版を予定しています。テーマは【「会社辞めたい」のループを抜け出して、仕事も生活も楽しくなる技術】です。またお知らせします。

●jin-jour(ジンジュール)に寄稿しました
※jin-jour(ジンジュール):人事・労務の専門情報誌『労政時報』(東証1部上場企業の大半が購読)を編集する労務行政研究所が運営する「ヒト×カイシャ=元気」を育てるWebマガジン

●アベプラ(Abema Prime)に出演しました

●プロフィールとメディア出演


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