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2018年1月の記事一覧

五体満足なのに、不自由な身体

五体満足なのに、不自由な身体

***ブザーが鳴り、幕が上がる***

1.わたしはわたしをインストールして家庭とか社会とかいう舞台をやる物心ついたら、お父さんという人とお母さんという人がいて、わたしはその2人の子どもというものらしかった。

お父さんという人はお父さんというよりも自由奔放に人間をやっているという感じで、お母さんという人は一生懸命にお母さんをやっていた。

お母さんは家族のからだに悪いからと言って、冷凍食品とかレ

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人間、人間くさくあれ。

人間、人間くさくあれ。

「言われて嬉しいことば」というものは、誰にでもある。

それは、ある人にとっては「センスがいい」ということばかもしれないし、またある人にとっては「可愛い」ということばかもしれない。「賢い」や「一緒にいると落ち着く」かもしれないし、「きみ、変わってるね」というちょっと変わったことばかもしれない。とにもかくにも、言われて嬉しい一言というのは、どんな人にだって存在するんじゃないかな、と、思っている。

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大抵の不幸は「依存」からはじまる

大抵の不幸は「依存」からはじまる

以前、「『これがないと死ぬ』を減らしながら生きること」にも書いた通り私は「これがないと死ぬ」ではなく、「なくても死なないけどあると嬉しい」ものを増やしていきたいと長年思い続けている。

このスタンスはある意味ドライに映ることが多いけれど、私にとってはこの方が生きやすいし幸せなので、この考え方を採用している。

仲良しのゆうすけ先生も前に「自立とは、依存先を増やすこと」とツイートされていた。

なぜ

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愛にあふれている人

愛にあふれている人

人はいくつも分人を持っている多面的な生き物だけれど、本当の心の奥底にある「本音」はひとつなのだ、と思う。

それは大げさにいえば「信念」のようなもので、その人が何を大切にして生きているか、どういう世界観を持っているのか、など、そういったようなことだ。

そしてその「信念」は、意図せずともその人が紡ぐ言葉に滲み出る。その人が書く文章をたくさん読めば読むほどに、まるで最大公約数のように、その人が大切に

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私にとっての生理食塩水

私にとっての生理食塩水

私は昔から、自分の好きな人たちを「生理食塩水」と呼んでいる。

人と建設的な議論や充足感のある対話をするためには、お互いの濃度を調整する時間が必要だ。

同じ日本語を話して、同じテーマで話をしていても、なんだか噛み合わなくてお互い空回りし続けるときは、この「濃度」がうまく調整できないままに話していることが多い。

人の意見なんてそう簡単に変わらない。

私たちにできるのは水溶液の濃度、つまり同じ視

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さよなら、こじらせ女子

さよなら、こじらせ女子

「お前は俺が考える、現代のこじらせ女子だ」

伸ばしきった長髪を結び、下駄を履いて登校するような同級生に突然そう言われた。

「はぁ?」

その時、私は過労死寸前で休職中。心療内科に通いつつ、映画やアニメを見ては死にたい衝動を抑えているニートだった。

「とりあえずこれを読め」

2011年当時、AVライターとして活躍していた雨宮まみさんの『女子をこじらせて』という本だった。

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