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プロダクトデザイナーのお金の話

まず、デザイン料金はデザイナーとしての熟練度やデザイン事務所としての規模によって大きく変わるために、同様な仕事を依頼した場合でも、額にかなりの幅があります。

プロダクトデザインの場合でも同様に、制作物やデザイナーによって料金は変わります。つまり、知名度や実績をもつデザイナーであるほど、デザイン事務所としての規模が大きいほど費用は高くなります。

また基本的には案件毎やプロジェクト毎での料金になるため、日給や時給計算ですることは少ないです。

それでもざっくりとした料金を知りたいという人のために、プロダクトデザインを依頼するためにかかる料金の目安から書いていきます。


デザイン料金の目安

プロダクトデザイン業界について、書いていきます。

職人さんや中小企業が日用品を開発するために自分のような若手デザイナーに依頼する場合は、数十万で引き受けています。

一方、大企業が量産品や電化製品などを1年以上かけて開発する場合には、デザイン事務所や有名なデザイナーに依頼することが多く、そのデザイン料は数100万から1000万円近いになります。

フリーランスに日用品のデザイン依頼した場合
制作期間2か月 金額30万円~

フリーランスに工業製品のデザイン依頼した場合
制作期間6か月 金額100万円~

プロダクトデザインの事務所に日用品のデザイン依頼した場合
制作期間2か月 金額100万円~

プロダクトデザインの事務所に工業製品のデザイン依頼した場合
制作期間6か月 金額500万円~

有名プロダクトデザインの事務所に工業製品のデザイン依頼した場合
制作期間6か月 金額1000万円~

上記の数値はかなりざっくりとした数値ですので、あくまで参考程度に。

若手フリーランスである自分も企業からの依頼で、量産品や電化製品などのデザインを仕事を受けており、1年以上かけて開発することも多いです。


デザイン料金の方式

デザイン料の支払いの方法も、依頼内容によって変わります。

①イニシャルフィー(一括払い)

イニシャルフィー(一括払い)は、あらかじめデザイン作業に対して定めておいたデザイン料を一括で支払います。契約時ではなく、納品時やプロジェクトが終了した時点で支払うのが一般的です。

デザインの知的財産は買取になるので、譲渡する形になります。また段階ごとに支払うことも多く、契約時・デザイン決定時・販売開始時に50万ずつ支払い、結果的に150万円支払う分割方式もあります。

②ロイヤリティ

製品の発売後、売上額(工場出荷額)の一定比率を報酬として支払います。つまり、売れないと対価が発生しません。比率は対象物のジャンルによって異なりますが、上代の3%-5%が多いです。また上代が高ければ高いほど、比率は下がる傾向です。

また販売台数に応じて、ロイヤリティが徐々に減っていく契約もあります。成功報酬としてロイヤリティの代わりに数十万を支払うケースもあります。

イニシャルフィー(一括払い)+ロイヤリティ

二つの組み合わせです。プロダクトデザイナーの支払い方法としては、これが一般的かと思います。どちらかの金額や比率を下げて、予算に合わせた仕事の受け方をします。

初期費用や予算が少ない企業でしたら、イニシャルフィーを下げてロイヤリティの比率を上げます。一方で、大企業などは生産数なども多いため、ロイヤリティで依頼することは少なく、イニシャルフィーのみが多いです。

④時給払い

基本的には案件毎やプロジェクト毎での料金になるため、日給や時給計算ですることは少ないです。が、参考までにフリーランスの時給計算だと6000円/1Hで承けているところが多く、日給だと1日3万円からが多いです。

⑤定額払い

主に顧問契約やコンサルティング契約で支払方法になります。売上高とは関係なく、年に○○○円、月に○○○円と定めます。大体月数万から数十万の範囲になります。自分の場合はおよそ月5万円から依頼を受けています。

簡単なデザインなら顧問料の中で行い、作業を大きく必要とする場合は別途デザイン料を払う方式です。


次回は、デザイナーの権利の話。


①デザイナーの探し方
②デザイナーとの仕事の始め方
③デザイナーとの契約について
▶④プロダクトデザイナーのお金の話
⑤デザイナーの権利の話
⑥デザイナーが知っとくべき主な法律


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