木村大樹 Keyaki Capital代表

資産運用は「S&P500インデックスの積み立て投資」一択でいいのか? プライベ…

木村大樹 Keyaki Capital代表

資産運用は「S&P500インデックスの積み立て投資」一択でいいのか? プライベートアセットへの投資機会を、充実感と高揚感に満ちた投資体験として提供するKeyaki Capital代表 https://keyakicapital.co.jp

最近の記事

著作権を売却した「KISS」の今後の展望

ロックバンド「KISS」が著作権を売却したことは、日本でも話題になっている。海外のメディアで相当取り上げられており、いくつかの日本語訳がニュースサイトでも取り上げられている。(Yahooニュース「ロックバンド「キッス」、楽曲やブランドを売却 総額450億円超か」) 売却した先はスウェーデンのPophouseという、世界3位のPE会社であるEQTの創業者と、ABBAのメンバー(ビョルン・ウルヴァース)が共同で設立した会社だ。 KISSのジーン・シモンズはこの取引に関して、同

    • 為替ヘッジはすべきか?

      今回のテーマはずばり「為替ヘッジはすべきか?」つまり海外の外貨建て資産に投資をする際に、外貨建て資産の価値が円高になることで円では目減り(つまり損)してしまうことを防ぐために、“為替ヘッジ“をした方が良いのか、それともしない方が良いのかについて考察する。 さて最近は日本株が上昇しており、ちょっと前の「投資するならとにかく日本ではなく成長性のある海外」のような風潮は薄れているのかもしれない。それでも金利に対する投資、すなわち債券やクレジットへの投資に関しては、まだまだ金利のほ

      • MADISON社主催のセミナーで「プライベートクレジット」について語ります

        来る4月14日(日)10時から、オルタナティブ商品の提案に力を入れているマディソンファイナンシャルアドバイザーズ社が主催するオルタナティブ投資、及びプライベートクレジットについてのオンラインセミナーで講師を務めることになりました。 「プライベートクレジット」は、わたしがKeyaki Capitalを創業した主な目的の一つ。このアセットクラスを日本の個人に届けようとの思いが、創業のきっかけです。 そしてMADISONさんは、日本でビジネスを展開する上で最初に出会ったパートナ

        • MA Financialシドニー本社訪問〜「現代における最高のオフィス」とは?

          Keyaki Capitalのパートナー企業であるMA Financial Groupのシドニー本社を訪問した。KeyakiとMA社は日本で合弁会社MA Alternatives株式会社を設立し、投資運用業を営んでいるのだ。 明日からイースターのホリデーであり、前日から休みに入る人が多いのにも関わらず、共同CEOのクリスも他のメンバーも、快く迎えてくれた。 先ずはクリスと、いつも資料作成などを手伝ってくれるソフィーとランチをご一緒した。クリスによると、遅くまで働く社員の夕

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          幻冬舎「ゴールドオンライン」への掲載と連載開始、さらに今後のセミナーについて

          この度、私たちの活動と、私が個人的に大切にしている投資に関する考え方が「ゴールドオンライン」に掲載されることになりました。タイトルは【機関投資家と個人とのあいだに存在する、圧倒的な「収益機会の格差」】というものです。 この記事は、もともと私がnoteに投稿したコラムを一部抜粋・再編集して頂いているものです。今回の掲載を機に、「ゴールドオンライン」では「Keyaki Capital代表が語る「オルタナティブ投資」の面白味」と題した連載をスタートします。これは、私たちが提供する

          幻冬舎「ゴールドオンライン」への掲載と連載開始、さらに今後のセミナーについて

          シンディ・ローパーが著作権を売ったのに逆に”買った"のだと言っている訳

          シンディ・ローバーが自身の楽曲の著作権をPophouseに売却したことが発表されている。彼女はPophouseの創業者でもあるABBAのビョルン・ウルヴァース氏との対談ビデオクリップの中で「I’m not selling, I’m buying.」と言っている。著作権を売るのに、”買う”のだという。これは何故だろうか? シンディ・ローパーはまた他のメディアに対し「“Most suits, when you tell them an idea, their eyes glaz

          シンディ・ローパーが著作権を売ったのに逆に”買った"のだと言っている訳

          何故、音楽著作権への投資が”一世一代のチャンス”なのか

          世の中には様々な投資対象がある。誰にでも手軽に投資できるのは上場株だが、その道のプロだけが投資するものとして、不動産や未公開株や”貸付”や、はたまた貴金属やワインやポケモンカードなどもある。 中でも”音楽著作権”は、実は世界では大手のプライベートエクイティファンドが最近になって挙って投資対象としている有望な投資対象だ。世界最大のPEファームの一社であるEQTを創業したコニー・ジョンソン氏は「このチャンスは30年前にプライベートエクイティが黎明期だったころを彷彿とさせる。テクノ

          何故、音楽著作権への投資が”一世一代のチャンス”なのか

          ニューヨーク(州)出張記

          ニューヨークに出張した。但し今回はマンハッタンには一度も寄らず、ハドソン川沿いの北の小さな街、Irvington周辺で終始過ごした。目的はただ一つ、パートナー企業との議論と親交の為である。 土曜日昼過ぎにJFKに着くなり、パートナーのJからショートメッセージが入り、「ホテルに着いたら連絡してくれ」とのこと。林間のホテルに着きチェックインしている最中にもう電話がかかってきた。「少ししたら迎えに行くよ!」と。何しろ車がないと何処にも行けない場所なのだ。 ハドソン川沿いのオフィ

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          ロックバンド「KISS」と投資との関係性

          弊社は金銭的価値に加えて「充実感と高揚感のある投資機会」の提供を掲げている。充実感や高揚感のある投資とはどんなものであろうか?対比するものとして「インデックスへの積み立て投資」は、ほとんど充実感や高揚感は生まないと思うのである。それは自分の投資したお金が結局どう使われるのか選択できず、具体性も感じられないからだろう。 弊社の掲げる「プライベートキャピタル投資」は、資金需要者に対して”直接”資金を供給するものだ。大企業の上場株をセカンダリーで買うのとは違って、投資資金がどう使

          ロックバンド「KISS」と投資との関係性

          フィンテックはテックだけでは危うい

          当社で提携しているオーストラリアの金融グループ、MA Financial Groupが、同社を表す新たなステートメントを発表した。 WE INVEST. WE LEND. WE ADVISE. この「投資、与信、助言」というのは、金融/資産運用ビジネスの根幹であり、シンプルに上手く表現したものだと感心する。 これらは、極めて高い専門性を必要とする分野であり、また装置産業的な要素も相まって、誰もが実行できるビジネスではないと思う。 これらを適切に運営する為には、資金の管

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          日本のオーバーバンキングとリスクマネーの枯渇がもたらす日米の利回り格差

          先週9月26日、「プライベートクレジット投資戦略セミナー」を無事行うことができた。(ご参加の皆様、誠に有難うございました。) プライベートクレジットの総論からスペシャルティファイナンスといった専門的な内容まで、エキスパートによるプレゼンとディスカッションでざっと説明できたと思う。中でも個人的には、次の二つのポイントが最も重要で分かり易いと思う。 米国の貸付マーケットの構造 米国では、銀行規制の強化等により、貸付市場における銀行の存在感が大幅に低下している。次の図が表すよう

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          『セミナー開催』プライベートクレジットについて

          9月26日に「プライベートクレジット投資戦略セミナー」を兜町で開催します。 現在ドル建てで10%前後の利回りが期待できるアメリカのプライベートクレジット、中でもリスクを限定し、且つ比較的短期で高い利回りを目指すことができる、資産担保ローンやスペシャルティファイナンス(「スペシャルティファイナンス」とは?)について専門家を交えて議論します。 NOTEで度々書いてきましたが、今は当分野の魅力が極めて高いと考えています。本来はその時々に有望なアセットクラスや投資戦略を特定する

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          「S&P500一筋」という考えに矛盾がある理由

          資産運用における世界の常識は株式と債券への分散投資であり、シンプルに株式6割:債券4割という”シックスティフォーティ”という考え方が一般的だ。機関投資家はオルタナティブにも分散し、個人にもその考え方が浸透し始めている。 翻って日本では、”米国株式へのインデックス投資”が資産運用の王道であるかのように語られているように思う。S&P500インデックスにパッシブ投資すれば銘柄が十分に分散されるという。しかしそれでは米国株式へ”集中投資”することになるではないか。 ここでは世界と日本

          「S&P500一筋」という考えに矛盾がある理由

          「確実に儲かる資産運用」は存在するか?

          「確実に儲かりますよ」と言うと、金融販売の世界では違法行為になるだろう。金融商品取引法では、不確実なことを断定的に言って勧誘をするのは禁止行為だからだ。 もちろん「確実に儲かる資産運用」があるとは言えないが、この記事では資産運用がほぼ「確実に儲かる」ことを前提として成り立っている世界もあることを紹介したい。それは「機関投資家」の世界だ。 「機関投資家」にも色々あるが、ここでは先ず「年金基金」を取り上げる。 年金というのは、長期間の積立により集められたお金を、数十年後に一定の

          「確実に儲かる資産運用」は存在するか?

          「新しい金融環境に適した資産運用」とは?

          世界の金融環境は大きく変化しています。顕著な変化として、近年世界ではインフレが進み、金利が上がりました。投資家はそのような変化に関わらず同じ投資スタイルを続けるべきなのでしょうか? 日本では昨今、誰しもが(専門家であれ、学者であれ、インフルエンサーであれ)「海外株式インデックスへの長期積立投資」の有効性を主張し、それこそが唯一の正解であるかのような印象すら受けます。 しかし金融環境の変化に適応し、資産をより効果的に運用できる可能性もあります。世界が長期にわたる低金利環境から

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          日本が劣る「世界幸福度ランキング」を鵜呑みにしてはいけない「単純な理由」

          さてすっかりおなじみになった「世界幸福度ランキング」、日本はいつも下位にいるイメージをお持ちだろう。改めてチェックしてみるとここ数年は少しずつ順位を上げているものの、やはり2023年も47位と散々な位置づけだ。上位は概ね北欧の国々が上位を占めていて、「経済規模はそこそこでも福祉や教育などが充実してワークライフバランスが良く、成熟した良い社会なのだろう」というイメージをわたしも持っていた。対して日本は・・・と。 しかしこれが実状を現わしていないかもしれない、と先日気づかされた

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