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投資における「コモディティ化」とは?

投資の世界で「コモディティ化」という表現がある。これは特定の資産クラスや投資商品が普及し、幅広い投資家が入り徐々に一般化していく現象を指す。新しいアセットクラスが生まれると、取引実績が徐々に積み上がり、ファンドがトラックレコードを築き、その後保守的な機関投資家も参入し、やがてコモディティ化が進行する。

例えば音楽著作権はまだまだ新たな投資対象であるため、多くの投資家にとって馴染みのない資産クラスと言えよう。しかし既に世界では複数のファンドが注力しており、認知が進んでいる。今後より多くのファンドがこの分野に参入し、保守的な機関投資家も数多く参加するにつれ、市場が形成され、コモディティ化が進んでいくだろう。

コモディティ化が進行する中では、その資産への需給バランスの変化がおこる。取引事例の増加とともに、買い手の需要が高まって価格が上昇する傾向がある。そのため、新しいアセットクラスの初期段階に参入した投資家は価格上昇による利益を得やすいが、逆に市場が成熟しコモディティ化が進んだ後に投資を始めた場合は、価格競争が激化し、リターンは平準化される可能性がある。

一般的な商品のコモディティ化、例えば牛丼やハンバーガーであれば、大量生産による規模の経済でクオリティの高いものが安くなる。しかし投資商品の場合は逆で、コモディティ化すると単に買い手が増えることで同じクオリティのものの価格が上がってしまう(つまりその後の期待リターンは下がる)のだ。

従って新たなアセットクラスへの投資において重要なのは、参入のタイミングだ。どうしても機関投資家には数年のトラックレコードや詳細な理解など様々な制約があるため、市場が成熟してからの参入となる場合が多い。いわゆる説明責任などのリスクは低減されるが、リターンのポテンシャルは減少する。制約の少ない個人にはアドバンテージがあると思う。

ビットコインなどの暗号資産が今後永続的な資産としてコモディティ化するかは未知数だが、初期に投資した個人が大きな利益を得たのは事実だ。音楽著作権のようなキャッシュフローを生み出す手堅い資産であっても、オルタナティブ投資は初期に参入する方が利益を得やすいとは言えるだろう。