見出し画像

SNS投資詐欺に騙されない「確実な方法」

有名人になりすましたSNS投資詐欺なるものの被害が出ていることは本当に残念だ。SNSやネットでは嘘の情報やなりすまし/フェイクが増えているようで、これはAIツールにより文章、翻訳、イメージ生成などが容易になっていることが背景にあるのだろう。投資詐欺師が容易に精度の高いコンテンツを作成でき、大量にばらまかれては、どうしても一定の被害が出てしまう。

筆者は以前noteで投資詐欺に騙されない為の心得を書いたことがあり、今回の詐欺を防げるような内容を提示できていたか改めて振り返ってみたが、自信を持てなかった。そこで今回こそは投資詐欺を防止する単純な知識と方法を提示したい。それは、相手の「金融ライセンスを確認すること」だ。

投資のアドバイスをしてお金をもらったり、他人のお金を預かって運用したり、何らかの金融商品を売ったりする為には、金融のライセンスが必要だ。ライセンスの登録無くそのようなことを行うと、違法行為になる。ライセンスを持つ会社(もしくは個人)を「金融商品取引業者」という。

筆者が経営する会社は金融商品取引業者であるが、投資の助言や勧誘や販売を行う際には、法やコンプライアンスに則っているか、最新の注意を払う。金融商品取引業者の販促/マーケティングには”広告審査”が必要であり、むやみに投資を煽るような表現や手段は慎まなければならないし、もちろん儲けに関する断定的な表現は許されない。

SNS投資詐欺が何故はびこるかというと、ネットを使って大多数に断定的な表現で(嘘の)儲けを宣伝するからだろう。ライセンスのある業者はそのようなことはできない。ネットを使って募集することだって、その為の特別な認可が必要なのだ。(だから、皮肉なことに良識のあるライセンス業者は投資詐欺にお金集めで勝てなかったりもするのだ。スタートアップ界隈の定型文言である”ネットで気軽に”は、まともな資産運用ビジネスには適用できない。)

だから、もしSNSやネットで魅惑的な投資の勧誘を受けたら、とにかくその相手がライセンスを持っているかどうか確認すると良い。ライセンスがある業者が100%詐欺を行わないとまでは言えないが、当局に厳しい監督を受けているライセンス業者であればほぼ詐欺はないだろう。

相手にライセンスがあるかどうか、すなわち金融商品取引業者であるかどうかは、金融庁のウェブサイトで確認できる。そこから全ての金融商品取引業者のリストがPDFとエクセルで取得できるからだ。(数千社あるが検索機能を使えば良い。)

但し今後、詐欺師がライセンスがあることを偽装する(例えば金融商品取引業者になりすます)ことも考えられるので、そこまで注意が必要だ。

折角、金融当局がライセンス業者を厳しく監督しているのだから、投資の勧誘には金融のライセンスが必要だという知識と、それを確認する手段が広く認知されることが、今後ますます増える可能性のあるネットを通じた投資詐欺を防ぐことにつながると思うのである。