【公務員⇒民間転職”完”】~公務員の職務にガチで向き合って感じた公務員の本質とは~
はじめに
皆さんこんにちは。
地方公務員の"めろす"です!
といっても地方公務員としての"めろす"はあと少しとなりました。
これからはただの"めろす"になります。
「なぜかって?」
そう、わたくし"めろす"はこの度、地方自治体を"卒業"し、民間企業へ転職することにしたのです…!!
「え、なんで?もったいない!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
公務員といえば、「安定していて給料もそこそこ貰える」というイメージもありますよね。
しかしながら、最近では地方公務員から民間企業へ転職する方も徐々に増えてきているように思います。
めろすもそのトレンドに便乗したわけですね。
なぜ「安定した公務員」を辞めてトレンドに便乗しちゃったのでしょうか?
めろすが勢い任せだからでしょうか?(その可能性も否定できませんが、違います笑)
今回は、そんな皆さんの疑問にお答えするために、「なぜ転職することにしたのか」「働き方や待遇はどのように変化するのか」そんなお話をしたいと思います!
「公務員から民間企業に行きたいけど迷っている」
「民間企業から公務員になりたいけど迷っている」
そんな皆さんにもオススメの内容です!
それでは早速いきましょう!
そもそも"めろす"って何者?(自己紹介)
お話を進める前に、「いや、そもそもお前誰やねん」と思われた方もいらっしゃると思いますので、簡単に自己紹介をさせてください!
めろすがどんな人物なのか、結論からお話しますと「超絶凡人地方公務員」です。どれくらい凡人かというと、「見た目、教養、仕事の評価、交友関係」において、極めて優秀というわけでもなければ、著しく劣っているというわけでもない、「the 凡人」です。まさにマスターオブ凡人。
その凡人ぶりについてより詳細に記述した自己顕示欲満載の記事は次のとおりですので、暇だったら(暇じゃなくても時間を割いて)覗いてみてください!
そんなめろすですが、以前の記事でも書いた通り「ハッピーに生きる」ことを人生の目的として掲げています。(自治体でいう"総合計画"の"基本構想"、民間企業でいう"企業理念"のようなものです。)
そのための具体的な目標として"心地よいを増やす""不快を減らす"を掲げ、なおかつ人生の主導権を他者(ここでいう他者は組織、環境、人の全てを指します)に委ねないことを意識し、仕事においてもプライベートにおいても、なるべく主体的に"選択"することを意識してきました。
その活動の一環として、転職"活動"を何度か経験しています。その時の体験をまとめた記事はこちらです。
こうした積み重ねの結果生じた意識の変化や、今回、たまたま興味のある業界からオファーを頂くなど、チャンスが訪れたこともあり、非常に迷いましたが転職を決断しました。
地方自治体での職務経験
次に、転職活動の前提となる、めろすの地方自治体での職務内容についてざっくりとご説明します。
細かい業務の記載は枝分かれの数が膨大になるので、ざっくりした項目のみ例示します。
①お客様対応
②事務処理全般
③契約事務全般
④所属部署所管の個別計画作成
⑤新規事業の企画や調整管理(幹部や首長へのプレゼン含む)
⑥議会答弁書作成
抽象的な表現となり申し訳ありませんが、守秘義務の関係や特定を避けるために敢えて抽象的な表現としていることはご容赦ください。
地方公務員の皆さんは「私も経験したことある業務ばかりだな。それに加えて職場内の人間関係がひどかったり、後輩や何なら所属長のマネジメントが大変で………」などと感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
民間企業の方からすると①~③以外のイメージは湧きにくいかもしれません。
地方自治体の独自性 民間企業との本質的な違い
次に、そんな地方公務員の仕事を通してめろすが個人的に感じた地方自治体の独自性というか、良さでもあり、悪さでもあるなと感じた生々しい部分をお伝えしたいと思います。
まず前提として、地方自治体の存在理由はざっくりいうと「すべての住民のために働く」です。次に民間企業の存在理由は企業により様々ですが「企業を必要とするお客様の役に立つことで対価を得る。」です。この前提の違いが地方自治体の良さでもあり悪さでもあると、働きながら痛感いたしました。
具体的な体験談として、数億円規模の事業の更新を担当していた時のお話をします。
事業を実施する際の一般的な流れを大きく次の4つに分けるとします。
①目的の整理
②事業計画の作成
③予算化
④事業実施
①においては何故事業を実施する必要があるのか、背景や理由を整理し、基本的な方針を定めます。これは法律に基づき国から通達が来たり、住民や議員からの要望がきっかけとなる場合がありますが、そこまで難しいことではありません。
自治体特有の問題は②の段階で発生しがちです。
②においては①を達成するための具体的なアクションプランの検証やアクションプランの実施にかかる費用対効果を算出します。
この際、民間企業であれば、アクションプランを実施することで、"赤字"であるということが分かれば、①事業の撤退 ②戦略の見直し という手段をとることが一般的だと想像します。
実際、めろすも数億円の事業については、検証の結果、更新による利益を享受できる住民が全住民の数パーセントであり、費用対効果があまりにも悪いため、"事業の廃止"と"代替え事業の導入"を提案しました。つまり、①事業の撤退 と ②戦略の見直しを提案したわけです。
しかし、この提案は当時の上司により猛反対され、血で血を洗う戦いが繰り広げられた結果、組織としては"事業の存続"の意思決定がなされました。
このように、地方自治体はこうした経済的に合理的な選択をすることが非常に難しい場合があるのです。
何故でしょうか?
「上層部に長期的な視点がないから?」
「めろすの伝え方が悪かったから?」
どちらも正しいかもしれませんが、"本質的"ではありません。
その理由は冒頭で説明した"地方自治体の存在理由"が「すべての住民のために働く」ことに繋がります。
民間企業であれば、数パーセントのニーズのために、その何十倍もの費用を投下するのはあり得ません。しかも費用を回収できる見込みはありません。そうした事業は企業の主要な事業から外し、より多くの需要がある事業に着手するだけです。
しかし、地方自治体は違います。
お金じゃないんです。
"どれだけお金がかかろうが、弱者を見捨ててはいけない"んです。
これは、捉え方によっては救いにもなりますが、納得いかない人の方が割合的には多いと思います。
何故なら、社会的な弱者の総数は明らかにマイノリティであり、多くの人にとっては他人事であるためです。
「マイリノリティがどうなろうが知らない。自分も含めてマジョリティが利益を得た方が幸福の総和は増えるのではないか」
という考え方もあるかもしれません。
しかし、自分もいつ"マイノリティ側"に行くかわかりません。病気や事故、思想の変化がいつ訪れるか分かりません。そうした場合を考えれば、多様性やダイバーシティが叫ばれる中で、公務員の仕事のあり方は経済的には非合理的ですが、多様性的な視点で考えれば合理的ですよね。そう考えると、マイノリティを切り捨てすぎることは将来の自分の首を絞めることにもつながりかねません。
こうした"お金"だけではなく、"差別は許さない"”誰にでも優しく”"多少きつくても人の役に立ちたい"といった強い信念を持つ方には、公務員は適性があるかもしれませんね。
めろすはアルフレッド・アドラーやブッダの思想に強く影響されていることもあり、主体的に生きるための手立てとして、"貢献すること"を目指して生きていますので、そうした損得以外のやりがいを感じる部分に関しては、公務員ならではの良さも感じていました。というか、そこに意味を見出さないと公務員としての自分に納得できませんでした。
とはいえ、資本主義的な価値観が普及した現代において、経済的な不合理さに違和感を持たずに働くのはなかなか大変で、経済的合理性と人生観の葛藤は常にあったのは偽らざる感情です。
地方公務員を経験してみて感じた不満
公務員の職務内容にやりがいを見出していた一方で、めろすにも職場への不満がありました。
めろすが感じていた不満を次の表に整理してみました。
表の中に皆さんと同じ不満はいくつあったでしょうか?笑
ちなみに、めろすが最もデメリットに感じたのは、待遇が悪くなってもしがみつかなければならない、という点でした。
転職を選択した理由
これまでお話してきたように、地方公務員にはメリット、デメリット両方を感じていました。しかし、私が感じていたメリットは主に「やりがい」。しかもその「やりがい」は公務員じゃなくても自分の"選択"次第で感じられるので、今後のキャリア選択の際に検討材料にするべきではないと判断しました。
めろすが転職を選択した理由は大きく次の3つです。
①タイミングが適正である。
②今後の人生で主体性を保ちやすい。
③待遇が向上する。
①タイミングが適正である
1つ目については、転職は若いほど有利であるためです。めろすはアラサーでギリギリ20代なのですが、35を超えると転職が厳しくなるそうです。さらに、公務員はもともと民間企業における転職市場において市場価値が低いそうです。誤解が起きないように補足しておきますと、先ほどお話したように公務員は民間企業と本質的に性質が異なるため、民間企業においては"未経験"扱いとなります。そのため、市場価値が低くなってしまうのです。人としての価値が決してないわけではありません!(笑)以上のことから、ギリギリ20代である今は転職のタイミングとしては現状の最適であると判断しました。
②今後の人生で主体性を保ちやすい
2つ目については、"公務員の市場価値"にも影響する話です。公務員は民間企業では未経験扱いとなることがほとんどです。しかし、先ほどお話したように転職は職務経験と年齢という抗いようのない壁が実際に存在します。もし30代後半で組織の待遇が今よりもさらに悪くなったり、生き方を変えたいと思っても、未経験の30代後半凡人男性に内定を出す企業は少ないのではないかと想像しました。その場合、嫌でも組織にしがみつくしかありません。そうした姿勢はめろすが定義した人生の目的である「ハッピー」な状態から遠いような気がしました。30代後半凡人男性であってもその時点で民間企業に在籍していれば、経験者扱いでの転職活動となるため、さらなるキャリアアップをしたくなったり、思想が変化して働き方を変えたいと思った際に、転職活動が有利に働くのではないかと判断しました。
③待遇が向上する
3つ目については、待遇が向上するためです。
1つ目、2つ目の理由についてはめろすが目指す生き方が判断材料となっていました。3つ目についてはもっと現実的な話で、1つ目、2つ目は現在と同じような働き方や年収が維持されるのであれば、というのが大前提となります。次の図に待遇の変化をまとめてみました。
一部めろすにとって都合の良い解釈や元職場への恨みがでてしまいましたが(笑)、総合的には今の職場より待遇が向上すると想定されます。めろすは単純なので、待遇が良ければ多少の不満は目をつぶれるのではないか、というのも1つの理由です。
また、昨今では夫婦共働きが当たり前になりつつありますが、裏を返すと"パートナーが健康に働きつづけることが前提"の家計になりつつあるということでもあります。今後パートナーと共に生活を送る際に、パートナーの収入が家計の前提であるのは健康・事故・災害など不足の事態を考えた際にリスクだと考えます。自分の年収を上げるために努力を続けることは、主体性を保つだけでなく、リスクの低減として必要な対策なのかな、とも考えます。
業界はITで最近何かと話題の自治体DX関係の仕事になります。
そんな業界に何故未経験扱いのめろすが採用されたのか疑問に思われたかもしれません。
めろすもその理由は分かりませんが、転職活動においてはできる限りの努力はしました。
一番意識したポイントとしては、企業のニーズにマッチするよう、これまでの職務経歴で募集職種に生かせそうな経験を一貫性、再現性を意識して伝えました。
このキーワードは、皆さんご存じ、"全ビジネスパーソンの心強い味方"「サラタメ」さんの転職支援動画で語られていた職務経歴書作成及び面接での受け答えの際の最重要ポイントです。非常に役立ちましたので宣伝させていただきます。(サラタメさんありがとうございます!!)
おわりに
今回は、これまでの公務員人生を通して感じたこと、転職理由、転職による待遇の変化についてお話しました。
ここまでお読みいただき本当にお疲れ様でした!!
長かったですよね?(笑)
公務員をやっていて感じたのですが、若手職員ほど効率的で優秀だなと感じる割合が非常に多かったです。(もちろん40代以上の先輩方でも若手にはない知見や経験を有した偉大な方々もいらっしゃいましたが、主観的に感じた割合の話です。)
そうした優秀な職員ほど今後のキャリアを真剣に悩まれているのではないでしょうか。
一方で、「もっと待遇が悪くなるんじゃないか」「なんだかんだ公務員が安定しているんじゃないか」という考えが邪魔をして、なかなか初めの一歩に踏み出せない方もいらっしゃると思います。
以前の記事でも紹介しましたが、そんな方には「転職活動」だけでもしてみることを心からオススメします。
いきなり大手の企業や行きたい業界から内定を貰えなくたっていいんです。
まずは転職活動を通して転職の流れを把握したり、自分の市場価値を把握することで、今後のキャリアを真剣に考えるきっかけになると思います。私もよくやるのですが、初めから完璧にやろうとしすぎて、逆に足踏みをしている可能性があります。
また、超絶凡人公務員だっためろすの転職体験談や失敗談の記事も参考になると思います。多くの優秀なビジネスパーソンと比較して、めろすは標準的な能力だと思いますから、だれでもマネしやすいという意味で再現性が高いと思います(笑)
最後に、公務員を退職することで感じた大きなデメリットは「一部の尊敬する上司」や同期などの仲間たちとの関係性がどうしても希薄になっていくことが予想されるという点です。こればっかりは寂しさを隠せません…
また、Twitterでも仲良くしてくださったり、議論を交わしたりした方もいらっしゃいました。転職することで、同じ悩みを共有したり、同じ問題について真剣に話し合ったりすることができなくなるのは寂しいことです。
しかし、働く場所は変わりますが、同じ日本の仲間であることには変わりがありません。
仲間である皆さんには、「ハッピー」に生きてほしいと願います。そのためには自分の気持ちに正直になり、"選択"する必要があります。
皆さんの選択が、公務員を続けることでも、別の生き方でも、自分の決断した"選択"であればそれは素晴らしいことだと思います。
もし、公務員でない働き方を選択したいと思ったとき、めろすがお役に立てるようなことがあれば、お気軽に相談してくださればと思います。
それでは、次回お会いするときは「超絶凡人サラリーマン"めろす"」としてお会いましょう!
See you again!
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